コラム
公開日:2019.04.08
“春のお出かけスポット”と聞いてみなさん何が思い浮かびますか?
今回施設園芸.com編集部では春にぴったりのお出かけスポット「イチゴ狩り」について特集します!
イチゴのことなら栽培している方に聞くのが一番!ということで、栃木県いちご発祥の地である足利市の観光農園“JA足利アグリランド“の方においしいイチゴの見分け方や上手な摘み方などについてお伺いしました!
イチゴが美味しいおすすめの時期はいつですか?
イチゴの最盛期は「3月・4月」ですが、イチゴの一番おいしい時期は「1月・2月」なんですよ。1番寒い時期をずっと我慢してじっくり大きくなって1月中旬~2月頃に収穫されたイチゴはおいしいです。
イチゴは積算温度で赤くなります。暖かい時期は花が咲いてから約20日~25日くらいで収穫になるのですが、寒い時期は35日~40日かかります。その分積算されるので栄養や甘さがぎゅっと凝縮されておいしいというわけです。もちろんその後のいちごもおいしいですよ。
3月~5月はイチゴの量も多いですし、季節的にも暖かくなってイチゴ狩りにぴったりの時期です。
どんな色・形のイチゴがおいしいですか?
同じ品種の中だと、一般的には赤いほうがおいしいです。
形は普通イチゴって三角形がいいと思うのですが、首のしまったひし形に近い形で、ガクが反り返っているイチゴは甘いイチゴが多いと思います。
イチゴのおすすめの食べ方はありますか?
イチゴは先から赤くなっていくので、先端のほうが甘くなっており、ヘタのほうには酸味があります。小さいイチゴなら一口で食べられますが、二口、三口で食べるような大きなイチゴの場合はヘタのほうから食べたほうが、最初に酸味があって最後に甘味がくるからおいしいですよ。ついつい、ヘタをもって先端から食べがちですけどね。ヘタをとって後ろから食べたほうがおいしく感じますよ。
ちなみに、みなさんはスーパーのイチゴを洗って食べると思いますが、洗うと水っぽくなってしまうのでさっと水洗いをするか、洗ったあとに布巾などで水分をとってあげたほうがいいですね。
※イメージ画像
イチゴを上手に摘む方法はありますか?
イチゴは引っ張らなくても、実を軽く掴んで、親指で押さえ、クイっと手前から上にひっくり返すようにすると簡単にイチゴが取れますよ。
そうそう、イチゴって実ではなく花托(かたく)なんです。ご存知でしたか?
花托というのは、花がなる枝の先端がちょっと盛り上がって膨らんだところ。
種だと思われがちなイチゴのつぶつぶが、“イチゴの実”なんです。そう果と言います。このそう果(つぶつぶ)の中に種があるのです。
私たちが普段おいしいと言って食べている赤い実は「偽果(ぎか)」で、“茎の一部”なんですよ。
花床ともいう。花柄 (花をつける枝) の先端で,花の各部 (花葉) が着生する部分。わずかにふくらんでいるもの,筒状のもの,子房と癒着するものなど,花によって異なる。イチゴやイチジクの食用部分は花托が特に発達したものである。
【ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説】
引用:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E8%8A%B1%E6%89%98-44919
ちなみに、リンゴや梨も偽果だそうです。
アグリランドにはどんな品種がありますか?
とちおとめとスカイベリーを栽培しています。
とちおとめは甘みと酸味のバランスが絶秒です。スカイベリーは大きくて食べ応えがありますが、味はまろやかです。おいしいと感じるのは人それぞれの味覚なので、どっちがおいしいか一概には言えません。甘さと酸味があるほうがおいしいと感じるか、甘いだけのほうがいいのか。
農園の混雑時期を教えてください
これからの4~5月が1番のピークです。イチゴ狩りは1月上旬から始まり混み合っていましたが、4~5月は価格が下がり、外も暖かくなってくるのでお子様連れも増えてきます。
ハウスの中は以外と暑いので、これからの時期は飲み物を持参していただいて、しっかり水分補給してくださいね。
GWが終わった頃は、少し小さめなイチゴも増えてきますので、「ジャムにする用のイチゴがほしい」と来られるお客さんが多いですよ。
おいしいイチゴを作るためにどのような取り組みをされていますか?
イチゴは同じ株でも生育に波があります。1シーズンずっと同じ味になるように、株づくりはとても大切にしています。栽培上の問題点は今年の反省点として挙げて来年に活かすことを毎年続けています。そして、絶えず水をあげるタイミングや肥料のタイミング、温度管理に気を付けています。
ハウスの中で摘み取り場所にポイントはありますか?
ハウスの中に入ると、「わあ~イチゴだ!」とすぐ手前の目にはいったところから食べていってしまうけど、最初に1番奥に行ってから入口のほうに戻ってくるほうが、大きいイチゴがあるかもしれません。また、ここは南北方向のハウスなので均等に日が当たりおいしいイチゴが食べられます。
最後にイチゴ狩りの良いところを教えてください。
やはりみなさん大きくて真っ赤なイチゴをみて、目からも「おいしい!」と感じています。
家族や友達、だれかと一緒に自分でイチゴを摘んで食べるという”イチゴ狩りならではの楽しさ”もイチゴの「おいしい!」につながっているように思います。
ビニールハウスの中ではいつもと違う場所でのワクワク感とあいまって、おいしいイチゴがよりおいしく感じられるのでしょうね。
以上、イチゴ農園の方に聞いたおいしいイチゴの見分け方特集でした!
編集部より
いかがでしたか?これであなたもイチゴ狩りマスター!これからイチゴ狩りに行く方はぜひ「ひし形のイチゴ」を探してみてくださいね。
土耕のハウスの場合、おしゃれな靴では汚れてしまう可能性があるのでスニーカーがおすすめです。また、足元にイチゴがあるので、実や草をつぶさないように、気を付けて歩きましょう。とくに畝をまたぐ際には注意が必要です。通路を変えたい場合は、無理をせずに一旦入口に戻ってから新しい通路に向かいましょう。
▼参照サイト
さがいちご,いちご歳時記、いちごはこうして大きくなる、花の断面図 <https://jasaga.or.jp/ichigo/>
今回取材させていただいたのは…
「JA足利 アグリランド株式会社 いちご農園」
◆所在地:栃木県足利市大久保町362番地
◆営業期間:平成31年5月中旬まで
※月曜日休業(但し、祝日は営業)
◆営業時間:午前10時~午後4時
◆品種:とちおとめ、スカイベリー(直売のみ)
ライタープロフィール
【施設園芸ドットコム 編集部】
農家さんへのお役立ち情報を配信中!
新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪