コラム

ピートモスを使った土壌改良の方法!正しい使い方や注意点とは?

公開日:2021.04.26

ピ―トモスは価格が安く、幅広く使用可能な土壌改良材ですが、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあるので注意が必要です。そこで今回はピートモスの正しい使い方や使用時の注意点について解説していきたいと思います。

1.ピートモスの種類

※ピートモスの乾燥場


ピートモスとは天然の有機質土壌改良材のことで、土壌のpH調整や保水・保肥力の向上に役立ちます。さまざまな場面で使用されるピートモスですが、無調整と調整の2種類があるのをご存知でしょうか。その2つの違いを説明していきます。



無調整ピートモス

無調整ピートモスは泥炭化したミズゴケなどの植物を採種後に水分調整し、ふるいにかけて余分な異物を取り除いたもののことを言います。pHは3.0~4.5と酸性を示す商品が多いのが特徴です。

調整ピートモス

調整ピートモスは初期肥料やパーライト、バーミキュライトなどを混合してpHを調整してあるもので、そのまま使用できるように販売されているものがほとんどです。pHは中性よりに調整してある商品が多いのが特徴です。

  • ▼関連記事

2.ピートモスの使用方法

ピートモスは酸性土壌を好むブルーベリーを育てる際によく使われています。他にもツツジや土壌のpHにより色の変化が起こると言われているあじさいを育てる際にも使われることが多いです。
植え付ける際には、無調整ピートモスを赤玉土や肥料と混ぜて使います。無調整ピートモスの配合量は1~3割程度までが適した使用量となっていますが、ブルーベリーの場合には植え付け時5~10割使用しても問題ありません。

土壌をフカフカにしたいときや保水・保肥力を求める場合には、調整済みのピートモスを使用するようにしてください。野菜などの弱酸性~アルカリ性土壌を好む作物には調整ピートモスが適しています。調整ピートモスには使用目的に応じた土壌改良材や肥料成分が含まれているため、そのまま使用できるのが特徴です。

3.ピートモス使用時の注意点

ピートモスを使用する際の注意点を4つご紹介します。

 作物や使用目的に適しているか 
ピートモスを使用する際は目的に応じたものを使用しないと作物が良く育ちません。土壌を酸性に傾けたい場合には無調整ピートモスを、そうでない場合は調整ピートモスを使用するようにしましょう。

 使用前の吸水準備 
ピートモスは保水性に優れていますが、撥水性もあるため販売時のまま使用してしまうと土壌に馴染まず効果を得ることができません。最初に使用する際は必ずピートモスを長時間水に漬け吸水させてから使うようにしましょう。

 乾燥させないように注意 
ピートモスは乾燥しすぎると水を吸わなくなってしまうという性質があります。そのため植え付け後は過度に乾燥することのないように、水管理には十分注意してください。

 土壌酸度計を使用する 
ブルーベリー以外の作物の場合、酸性に傾きすぎると上手く育たないということもあるので注意が必要です。pHは目で見てもわからないので、土壌酸度計を使ってどのような状態にあるかをチェックすることをおすすめします。


今回はピートモスの使用方法や注意点を解説してみました。土壌改良材として優秀なピートモスを使用する際にぜひ参考にしてみてください。


セミナー動画

▲画像をクリックすると動画が再生します。

  • ▼関連記事



▼参考サイト
○カナダ産ピートモス,王子木材緑化株式会社
http://www.oji-fp.jp/continuity/c/c01_canadapeat_top.html
○ピートモスとはどんな土?使い方と注意点・phの調整方法まとめ,田舎センセイによる田舎暮らしでの悩み解決情報サイト
https://inakasensei.com/peatmoss

ライタープロフィール

かくやさゆり
種苗会社で培った経験と知識を活かしライターとして活動。 家庭菜園とアウトドア遊びが趣味の半農半ライターです。農業を中心にアウトドアをテーマにしたメディアでも執筆中。









Facebook