コラム

【農業week東京2019】注目の出展ブースを紹介!次世代農業EXPO編

公開日:2019.10.25

施設園芸.com編集部です!展示会企画第2弾として、10月9日~11日に幕張メッセにて開催された農業week2019の<次世代農業EXPO>に行ってきました!全国から3万9千人以上の来場者が集う大盛況な展示会でした!さすがアジア最大級の農業展です。
次世代農業、農業資材、6次産業化、畜産資材が1つになった農業week。中でも【次世代農業エリア】にて施設園芸に関わる最新情報を編集部の女性スタッフ2名で調査しました。
展示会に行った方も、行けなかった方もぜひ本記事で最新情報をチェックしてみてくださいね。

1.【今流行り】設置が簡単!ハウス環境モニタリングシステム「farmo」

株式会社ぶらんこではクラウド型のハウス環境モニタリングシステム「farmo」を出展。この1台で栽培に必要なデータを取得できる。測定項目は気温、湿度、飽差、土壌水分、地中温、成長点温度、照度、CO₂の8つ。測定に必要なセンサはすべて本体に装備されている。
5分間隔でデータを取得し、データは数字やグラフでスマートフォンから確認することができる。(専用アプリのダウンロードが必要)
専用アプリは「いちご、トマト、きゅうり、メロン」と作物別に用意されており、それぞれの栽培環境に適したサービスを提供してもらえる。アプリの画面はとても見やすく、デザイン性に優れている点がおすすめ。

Farmoの良い点は何より「設置が簡単」なこと。配線や工事が不要なのでだれでも簡単に環境測定を始める事ができる。また、太陽光で発電し、内蔵されたバッテリーに充電して稼働することができるため電源や電池も不要で24時間稼働できる。雨天が2週間以上続いても安定した稼働が続くという。場所を選ばず設置できる点もうれしい。



価格
本体+通信機のセット147,000円 月額料金は3,000/月
2台目以降の価格:本体98,000円 月額料金1,000/月

※表示価格はすべて税抜き
※1ハウスに1台の設置が必要、2台目以降は通信機不要


2.【新技術】リアルタイムで光合成が見える「Photo Cell(フォトセル)」

協和株式会社が出展していたのは光合成蒸散をリアルタイムでモニタリングができるシステム「Photo Cell(フォトセル)」。10月1日に発売したばかりの新商品だ。
ハウスにCO₂センサとH₂Oセンサが内蔵されたボックスを1ヘクタールに1台設置する。作物全体を包み込むように吊り下げて使用するため設置も簡単だ。そして、愛媛大学の高山教授が発信しているスピーキング・プラント・アプローチ技術を元にした独自の技術とシステム(植物と会話をして、それに対する処方をするという考え)を使って栽培している個体全体の光合成と蒸散速度を測定する。

ポイントはスマートフォンやタブレット端末から「リアルタイムでモニタリングできる」点。これまでは葉っぱを1枚とってきて、光を当てて計測するような機器がヨーロッパに存在していた。しかし、1台600万円ほどする高価なもので、大学の研究に使われるものであった。そこにフォトセルは一般の農家でもリアルタイムでモニタリングができるよう、愛媛大学の技術シーズを基に開発した世界初のシステムだ。

光合成をリアルタイムタイムで測定できるメリットを担当の方に聞いてみた。

“現在の環境制御は「この温度ならこの湿度だ」と環境を測定して二酸化炭素を施用する方法が多い。
しかし、本当は植物の状態をリアルタイムで見て、それに合わせた判断が必要なのです。そこで植物の「今の状態」を見るために光合成と一緒に蒸散量を測定します。蒸散量は水やりのタイミングに役立ちます。このモニタリングにより、どういう状態の時には光合成が進んでいる・進んでいなということが分かるのです。“


今後は測定したデータをAIで解析し、環境制御システムに送るといったAIとの連携も計画している。
まずはモニタリングをして、植物の状態を知ることから始めようということだ。

今回の出展で法人の農家や研究所からの反響が大きく、購入したいとの声が多く上がった。



価格
220万円(税抜き)


3.【初披露】日射比例式の自動潅水コントローラ「潅水ナビ」

株式会社ニッポーは本展示会で日射比例式の潅水コントローラ「潅水ナビ」を初披露した。
日射センサで測定した日射量(ジュール)が蓄積され、設定した数値に達すると自動で潅水を行う。天気を見ながら設定を変えていた農家に朗報だ。8系統まで制御が可能で、順次潅水や一斉潅水が可能。栽培ステージや季節に応じてタイマでの潅水に切り替えることもできる。日射積算の他、飽差値に応じて潅水量を補正する機能もついており(オプション)、より生育向上につながる潅水が可能だ。
また、潅水コントローラ単体としての使用の他、温湿度センサや炭酸ガスコントローラとの接続も可能。パソコンとつないでデータをモニタリングができるため環境測定器としても使用できる。

日射比例で潅水するメリットを担当の方に聞いてみた。

“植物は根から吸収した水分の95%を葉からの蒸散で放出していると言われています。蒸散によって失われた水分を根から吸収できなくなると体内の水分量を維持できなくなるため、植物は枯れてしまわないよう気孔を閉じて蒸散をやめます。気孔を開かせ蒸散を続けることが生育上の重要なポイントとなるのです。そこに、日射比例潅水は蒸散量に応じた過不足のない潅水が出来るため、光合成が継続され、生育が向上するのです。“



価格
本体+日射センサ240,000円(税抜き)


4.【新規就農にもおすすめ】だれでも美味しいトマトが作れる「ANS独立ポット栽培」

株式会社関東農産が出展していた養液栽培システム「ANS独立ポット栽培」は人工団粒構造ANS培地と独立ポットと専用のコントローラを組み合わせて、トマトやナスを栽培するシステム。平らな地面があれば栽培でき、水稲ハウスの空き利用や廃校やゴルフ場跡地の有効活用としても役立っている。
一株ずつ独立していることで、土壌病害のリスクが少なく、連作障害に伴う消毒作業も不要。土を耕す作業など土づくりの作業が省力される。
栃木県を中心に土壌病害に悩む農家や新規就農農家が挑戦しており、宮城県のトマト農家が10aあたり4500株で30t収穫した事例もある。(※年2作、6段栽培)
農機具1台分とコスト的に始めやすい点では新規就農や新規参入、水稲農家も検討しやすい。
ポット栽培のため大玉トマトで6段が最大段数。苗のコストはかかるが、接ぎ木の必要がない。

大玉トマトやミニトマトの収量増加は研究農場にて実証済み。最近ではナスの栽培にも挑戦しているとのこと。また、水分値制御による専用コントローラを用いて栽培面積や経営規模に応じて栽培をカスタマイズして提供してもらえる。研究農場にて栽培研修をしてもらえる他、栽培や技術のサポートもついているため初めての方でも安心して挑戦することができる。
今回の展示会では広くておしゃれなブースに一新。初めて農業をやる方や女性も多く来場し、ブース内は常に人が溢れるほど注目を集めていた。



参考価格
トマト種子110,000円(1000粒×5袋)、各種肥料一式75,000円、ANS培地(N560)315,000円(35L×150袋)
【潅水設備一式】650万円程(既存のハウスがある場合)

※上記は10a4000株の参考価格です。栽培面積やポット数などによって異なります。

詳しくは窓口までお問い合わせください。
お問い合わせ先:0287-63-6213






今回が第6回目の開催となった次世代農業EXPOですが、毎年新しい技術や製品が続々と出展しており、目が離せません!今回も多くの出展があったドローンにおいては技術の進化が著しく、AIの搭載は珍しくないレベルです。スマート農業の推進もあり、今後さらにドローンの活用が注目されます。
また、埼玉、静岡、熊本、愛媛など県の出展も多くありました。新規就農や新規参入地としての誘致活動も活発です。

展示会は出会いの場。たくさんの最新情報を一気に得る事ができます!ぜひみなさんも、展示会に足を運び自分の目で見て、触れて、自分の取組みにあった良いものを見つけてくださいね。


ライタープロフィール

【施設園芸.com編集部】