農業大学校で進むスマート農業の取組みに注目！最新の学べる技術とは？

１.農業大学校ではどんなことが学べる？

農業大学校は農業への就職を目指す方や、スキルアップを目指す農業者のための専門学校です。
全国47都道府県すべてに1校ずつ設立されており、うち道府県立が42校、私立が5校となっています。高校卒業もしくは卒業見込みが入学条件なので、社会人の方も試験を受ければ入学できます。 また、農業大学校は偏差値基準で入試を行っていないので偏差値はありません。 学費も比較的安く、授業料に諸経費（教材費、受験料、実習費、寮生活費用等）等を加えても年額１００万円で通える学校もあります。

農林水産省のHPでは農業大学校の各コースが一覧で紹介されています。

道府県の農業大学校における研修教育
以下の3つの学習課程があります。

▲クリックで拡大

引用：農林水産省（https://www.maff.go.jp/j/keiei/nougyou_jinzaiikusei_kakuho/kyoiku_syoukai.html）

△新潟食料農業大学 新潟キャンパス

農業大学校では農業に関する座学だけではなく、実験や実習まで幅広く受講することができます。 また、教養課程として英語や情報処理を学ぶこともあります。

一例として、東京にある日本農業経営大学校では、1年次から作物の生産技術・利用法や生物学的な知識を学ぶほか、全国各地の農家・農業法人にて栽培の実習も行います。2年次にはより発展的な内容をこなし、企業での現地実習に取り組みます。専門的なテーマについてはゼミに所属して専攻することも可能です。

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２.スマート農業を推進！デジタル田園都市国家構想とは？

近年、各農業大学校の講義にスマート農業を積極的に取り入れようという方針が政府主導により打ち出されました。この方針の大元となるのが、 「デジタル田園都市国家構想」です。

※スマート農業とは…ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業のこと

デジタル田園都市国家構想とは、2021年に政府より発表された、地域のIT化によって「心ゆたかな暮らし」と「持続可能な環境・社会・経済」を目指すもので、その一環として 「スマート農業の人材育成」も盛り込まれており、具体的な支援策も実施されています。内閣府の資料によれば、デジタル田園都市国家構想により「農業大学校や農業高校等におけるスマート農林水産業のカリキュラム化や実践的な教育体制の整備」が実施されるとのことです。実際に各地の学校では研修用のスマート農業機器が続々と導入されており、学生たちも講義を通してスマート農業を学習することができるようになっています。

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３.実際に導入されているスマート農業機器の事例

△メーカーから説明を聞く農業大学校の先生

農業大学校でスマート農業機器が使われた実践例をご紹介します。

ドローン・無人田植えロボ

新潟県農業大学校水田複合学科の実習ほ場では、2021年４月にドローンと無人田植えロボによる水稲直播の実演が行われました。稲作経営科の学生たちは大幅に人手とコストを削減できる農法を学びました。

リアルタイム作物診断システム

愛媛県立農業大学校では、複数の専門家や関係者が5Gを利用したネットワークでつながり、リアルタイムで作物の状態を診断するシステムが実演されました。アグリビジネス科の学生たちは実際に果物の映像を送信し、遠隔で指導員から助言をもらう方法を学びました。

統合環境制御盤・クラウドサービス

広島県農業技術大学校では施設園芸の栽培管理を自動化する制御盤と、ハウス内の環境をモニタリング・遠隔操作できるクラウドシステムを導入しています。学生たちは教室内や各自のスマートフォンからハウス内の環境を管理する方法を学んでいます。 全国16ヶ所以上の農業大学校・農業高校へ同じシステムが導入され、スマート農業人材の育成に役立っています。

現在スマート農業教育は政府主導で推進されており、全国の農業大学校でもスマート農業機器を扱う講義が続々と実施されています。ここで学んだ学生たちは、今後の農業界をより働きやすく効率的なものに変えてゆくことができるでしょう。農家になりたい方は入学を検討してみてはいかがでしょうか。

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▼参考サイト
○内閣官房
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/index.html
〇新潟県農業大学校
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/nogyodai/210507doron.html
〇愛媛県立農業大学校
http://home.e-catv.ne.jp/ehime-noudai/posts/activity_archive.html
〇日本農業経営大学校
https://jaiam.afj.or.jp