ブロッコリー栽培を始めるメリットとは？指定野菜認定で得られる補助金と注意点

ブロッコリーは、周年で需要が見込まれる人気の野菜です。近年の消費量や作付面積の増加を背景に、2026年度から指定野菜に加わることになりました。その栄養価の高さと環境適応性の強さが評価された証拠です。この記事ではブロッコリーが指定野菜となる際に、農家が得られるメリットや、注意すべき点を紹介します。

１.ブロッコリーが追加される「指定野菜」とは？

指定野菜とは、国民が生活する上で重要だと国が指定した野菜で、現在は14品目が指定されています。消費量が多い野菜や、多くなることが見込まれる野菜が指定されてきました。ブロッコリーの購入量や出荷量は、2022年までの10年で約3割増加しています。指定野菜が新たに追加されるのは、約50年ぶりの出来事です。

２.ブロッコリーをハウス栽培するメリット

ブロッコリーのハウス栽培は、天候に左右されずに安定した生産ができるメリットがあります。ハウス内は、温度や湿度のコントロールが容易であるため、ブロッコリー栽培に適した環境を整えやすいのです。また、土の乾燥を防ぐための水やりや、必要に応じた追肥が行いやすく、ブロッコリーの健全な生育をサポートします。さらに、春や秋などの栽培に適した時期を選べるため、年間を通じて収穫が見込めるのも大きなメリットです。

しかし今回、「指定野菜」に追加されることでさらにハウス栽培へのメリットが増えます。

指定野菜に追加されると、流通量や出荷量が安定する傾向にあります。指定産地として認められると、生産者は毎年、供給計画を立てて生産するため、出荷量は安定しやすいでしょう。 需要と供給のバランスによって、栽培する野菜の流通量が増えると販売価格が下がり、逆に流通量が減ると価格が上がります。指定野菜を栽培すれば、農家にとって安定した収入が期待できる点がメリットとなります。

指定野菜を栽培すると、大規模な生産者は補助金が受給できます。指定野菜の販売価格が、平均価格の90%を下回った場合、国の指定野菜価格安定対策事業によって、差額が補助されます。 一般的に野菜の栽培は、天候の影響を受けやすく、販売価格が左右されやすいものです。収入が下がった際に補てんを受けられれば、経営の安定化に繋がるでしょう。

３.ブロッコリー栽培の注意点

ブロッコリーの栽培にあたっては、いくつか留意すべき点があります。特に気を付けたいのは出荷量や品質に影響が出やすい”潅水のタイミング”と”温度の管理”です。
詳しくは栽培方法の記事をご覧ください。

• ▼栽培方法

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ブロッコリー栽培の課題

ブロッコリー栽培では収穫作業に時間がかかることが課題となっています。同じ農地で生産された同品種でも、生長にバラつきが見られるため、まず大きくなった花蕾（からい）を先に収穫します。その後、小さかった花蕾が大きくなったころに、再度収穫作業を行う必要があります。このように、ブロッコリーの収穫では、人手の確保がネックです。福島県などでは、出荷規格を満たしたブロッコリーを自動で判別し、収穫する機械の開発を進めており、2025年度の発売を目指しています。収穫作業の時間短縮に期待が膨らみます。

４.補助金の要件

国から補助金を受けるためには、要件があります。
まず前提として、指定産地でブロッコリーを栽培すること。 指定産地は栽培品目別に、国が市町村単位で指定します。指定産地で、おおむね2ヘクタール以上の大規模面積を栽培していることが要件です。国に「指定産地」として認められると、安定した流通を確保できるメリットもあります。また、ブロッコリーは価格変動の大きいため、価格下落時には市場平均価格の90％が補填されます。（他の指定野菜は80％）
他にも、定められた卸売市場に直接出荷された野菜であること、重量や大きさなど定められた規格以上のものであること等が挙げられます。

ブロッコリーは、ビニールハウスで周年栽培できることが強みの野菜です。さまざまな品種が改良され、作付可能な地域も増えたことで、作付面積は増加し続けています。また、新たに指定野菜に追加されたことで、作付のメリットが増え、注目度が高くなっています。 今後を見据え、ブロッコリーのハウス栽培を新たに検討してみてはいかがでしょうか。

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▼参考サイト
〇農林水産省,野菜価格安定制度の概要
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/attach/pdf/index-29.pdf
〇農林水産省,野菜価格安定制度の概要
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/attach/pdf/index-1.pdf
〇NHK,サクサク経済Q＆A, ブロッコリーも“仲間入り” 指定野菜って？
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20240130/626/
〇独立行政法人農畜産業振興機構, 指定野菜価格安定対策事業の概要
https://www.alic.go.jp/y-kofu/yagyomu02_000003.html#:~:text=以下の要件をすべて,た野菜であること%E3%80%82&text=登録生産者にあっ,た野菜であること%E3%80%82