コラム

バラの葉や枝が枯れる原因は?黒点病、枝枯れ病、うどんこ病の治し方と予防法

公開日:2026.05.19

バラは病害の発生が多く、安定した品質を維持するためには適切な病害管理が欠かせません。特に黒点病やうどんこ病は発生頻度が高く、初期対応が遅れると商品性の低下や生育不良につながります。さらに、枝枯れ病は剪定部や傷口から感染し、株全体の樹勢低下を招くこともあります。
病害による被害を最小限に抑えるためには、早期発見と予防管理の徹底が重要です。

そこで今回は、バラで発生しやすい「黒点病(黒星病)」「枝枯れ病(キャンカー)」「うどんこ病」の3つについて、症状の特徴と防除方法を紹介します。

※本記事は2018/11/14に更新した記事をリニューアルした記事です



1.黒点病(黒星病)の症状と予防法

△バラの黒点病(イメージ)

症状

主に葉に発生し、春から秋によく発生します。黒い斑点が葉の表面にでき、直径5~10mm程の病斑になります。病斑に黒点状のカビの塊ができ感染が広がっていきます。黒点病が発病した葉は元に戻らず、やがて黄変・落葉します。

予防法

最大の予防法は密植を避け、風通しを良くすることです。早期発見に努め、葉に黒い斑点が生じたら葉柄ごと取り除くことも大切です。薬剤を使った方法としては、春につぼみが付き始める頃からダコニール1000Ⓡを10~15日おきに散布して予防します。発病後はサプロール乳剤®やラリー乳剤を散布します。

2.枝枯れ病(キャンカー)の症状と予防法

△バラの剪定(イメージ)

症状

接ぎ木部分や剪定の傷口などから病原菌が侵入し枝が枯れる病気で、1年を通して発生します。枝に黒褐色の斑点が生じ、病斑部にはカビの黒いぶつぶつができます。病斑が枝を取り巻く程に広がるとその上部は枯れてしまいます。
カイガラムシなどの害虫被害と症状が似ている場合があるため、枝表面の状態をよく観察し、病斑や虫体の有無を確認することが重要です。

予防法

有効な薬剤が少ないため、できるだけ傷をつけないようにすることが重要です。剪定の際には煮沸するなどして消毒したよく切れるハサミを使うようにしましょう。病気になった枝を見つけたらすぐに切り取って処分します。

枯れた枝に白い円形の平べったいものが沢山ついている場合はカイガラムシによる被害です。 その場合は歯ブラシなどでこすり落とすようにしましょう。

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3.うどんこ病の症状と予防法

△バラのうどんこ病(イメージ)

症状

葉や茎に発生し、春から秋によく発生します。うどんの粉をまぶしたような白いカビが発生します。生育悪化を招くだけでなく、葉が縮れ奇形になったり、つぼみや花弁にも白いカビが生えたりすることがあり花姿が悪くなります。

予防法

風通しが悪い環境では発生しやすくなるため、密植を避け、風通しを確保します。薬剤を使った方法では黒点病と同時防除が可能で、つぼみが付き始める頃にダコニール1000Ⓡを予防散布します。
他の病気同様、早期発見に努め、発生に気づいたらハーモメイト水溶剤ⓇやカリグリーンⓇなどを散布します。

病気ごとの症状画像を参考にしながら、葉が枯れる原因や害虫被害との違いを把握し、早期対策につなげることが重要です。 栽培が難しい分、美しい花が咲いた時の喜びはひとしおです。病害虫に対する適切な対策を行って高品質なバラ生産につなげましょう。

▼参考文献
・永井雄治(2010)「病害虫を防いで楽しいバラづくり」、農山漁村文化協会
・『バラとつるバラの素敵な庭づくり』、「成美堂出版編集部(編者)」、成美堂出版、2015.

ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。







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