コラム

ビニールハウスにおける ヒートポンプの暖房パワー

公開日:2018.03.07

1. 普及するヒートポンプ

ビニールハウスの暖房は温風、温水を含め燃焼式の暖房が広く普及していますが、近年重油価格の変動も大きく、省エネで電力単価が安定しているヒートポンプを導入されている生産者も増えました。エアコンと同様で冷房、暖房、除湿が出来る優れもので、夜冷や除湿など施設園芸でも活躍の場を広げています。ビニールハウスで使用するヒートポンプは大型で台数も必要であるため大きな投資となりますので、上手に使ってその能力をフル活用したいものです。

2. 外気温度と暖房パワーの関係

冬に「エアコンの効きが悪いなあ~」と思われた方も多いと思いますが、これはヒートポンプの原理上避けられない点で、室外機側の気温が低いと熱交換を行う冷媒ガスが蒸発し辛くなり、室内側へ効率よく熱を運べなくなる為です。また、室外機側では周期的に暖房を中断し、熱交換器(ラジエーター)の表面に付着した霜を溶かし落とす必要もあり、外気温が低い条件下ではどうしても暖房能力が低下してしまいます。これは家庭用も農事用も同じことがいえます。

3. 室外機の設置場所と日常の気配り

室外機に常時北風が吹きつける場所ですと、室外機の送風が妨げられ熱交換が上手くできず、暖房能力が低下します。また、狭い空間に設置されていると一度排気した冷たい空気を再び吸気する現象(ショートサイクル)が発生し、熱交換の効率が悪くなり暖房能力が低下しますので、設置する場所は重要です。このため地理的な特性も踏まえ、ヒートポンプメーカーさんと相談される事をおすすめします。日常の点検では、室外機周辺に吸排気の妨げになるものや、積雪がある場合は速やかに取り除きましょう。室外機の環境を良くすることがヒートポンプの能力を活かし、電気代の節約にもつながります。








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