コラム

施設内の解消しにくい温度ムラ&炭酸ガスの濃度ムラを解決!その方法とは?

公開日:2018.03.07

1. 意外と大きい温度ムラ&炭酸ガスの濃度ムラ

大型の暖房機を設置し、温度ムラがないように互い違いに変則のダクト配置を行っていれば、作物にはムラなく必要な温度が伝わっていると考えてしまうかもしれません。

実際のハウスでは設定温度よりも高い部分、低い部分が必ずあり、極端な例では6℃の温度差を見たことがあります。皆さんのハウスはここまでの差はないと思いますが、大部分のハウスでは3℃前後の温度差が解消できていないことがほとんどです。

これはトマトで例えると暖房機の設定温度は12℃、しかし場所によっては9℃、最悪の例では6℃の箇所があるということです。これは外気温が低い時にはさらに温度差が拡大し、生育に大きく差が出始めるだけでなく、作物自体が結露して疫病や灰色かび病などの病害の発生原因となることを意味しています。

外気が冷え込む夜にハウスの多数の場所を測定し(写真のように安価な気温記録器具もあります)設定温度よりも低い場所に暖房機の温風ダクトを重点的に配置することは有効です(グラフ参照)。

▲気温記録器具

▲ハウス内の温度グラフ

2. 温度ムラ&炭酸ガス濃度ムラには循環扇(ファン)

▲炭酸ガスの拡散パターン

結論を先にいうと、循環ファンは温度ムラ、炭酸ガスの濃度ムラ解消には有効です。連棟ハウスでは当然うまく空気の流れができるように配置する必要がありますが、作物群落の上の空間に対流をおこし、風の流れに熱と炭酸ガスを乗せる方法が可能です。

循環ファンのその他の機能として、病害の予防、葉の周りの停滞霜(葉面境界層)の除去にも循環ファンが有効と考える方がおられるかもしれませんが、そこまで万能ではありません。これも実測しましたが循環ファンの10m先の風速と比べハウスの谷下や群落の中は1/10~1/20の風速しかなく前述の効果を望むには物足りないものでした。

3. 暖房の送風機ダクトを使った送風

最近は炭酸ガス用のダクトファンが普及していますが、炭酸ガスの拡散のみの単機能となっており、ハウス内は炭酸ガスと暖房の2種類のダクトで雑然とし、コスト的にも課題があります。
現場では暖房用のダクトを有孔ダクトとし、全畝配置、温度ムラ調整を行ったうえで炭酸ガス拡散にも併用することでこの問題点を解決しています。
(※調整にはコツが必要ですが、ここから先の詳細部分が必要な場合はお問い合わせください)

他の事例にあるような大きなコストをかけて強引に力業で環境を整え、複雑な技術に組み上げて、その結果ごく一部の突出した生産者だけの技術になっています。
まずは既存の施設装備を使い、不足分のみ最低限の投資を行い、技術をやさしくかみ砕いてわかりやすく、大多数の皆さんが恩恵を受ける環境制御技術を組み上げることが大切だと考えます。皆さんの産地にあった、難しくない環境制御技術を探してみましょう。