コラム

土壌分析には診断頻度がある!適切な頻度を知って病害リスクを削減

公開日:2018.03.07

1.土壌分析はお医者さんの診療

土壌は植物が根を張り養分を吸収し生育の基本となるものです。毎年肥料として養分を供給し、作物に吸収され、腐植も分解が進み地力も変化し、土の化学的な成分と物理的な構造も変化するため、その状態は毎年同じではありません。
人間も毎年同じような生活をしながら体の変化をチェックするために人間ドッグを受診したり、体調が悪くなって病院で診察・治療を行うのとまったく同じものです。
しかし、水田、畑が多数ある場合に毎年高額な分析費用をかけることも大変な場合もあると思います。土壌の成分分析を行うにも毎年分析する必要があるもの、数年に一度で構わないもの、一部はシーズン中に何度か分析することが好ましいものがあります。

2.分析項目ごとの必要な頻度

一度分析すれば当分変化がない項目

  • リン酸吸収係数

国内に資源として乏しいリン酸を長年投与してきた結果、メタボ状態となっていることが多いようです。過剰は害がないといわれていましたが、土壌病害のリスクが高まるなど弊害が指摘されています。

3年に1度程度確認する項目

  • 塩基置換容量(CEC)、腐植率(Hum)、仮比重

土壌の基本的な体力を示すもので、これによって対応方法を変化させます。

毎年確認が必要な項目

  • 土壌酸度(pH)、電気伝導度(EC)、有効態リン酸(トルオグ)、交換性カリウム、交換性マグネシウム、交換性カルシウム、硝酸態窒素、アンモニア態窒素

(露地畑ではpH、EC程度で済ませ、他項目は2年に1度程度でも対応可能です。)
これらはその時点の栄養状態を示すものです。ここで間違えやすいのはEC、硝酸態窒素は土壌分析時点での数値と、翌作施肥時点の数値は変化しやすいことです。雨水、湛水による流亡と揮発による減少です。このため大幅な過剰状態以外の場合は基肥量の計算は通常量とします。
また、pHは人間でいう体温のようなものです。高熱がある場合にどれだけご馳走を食べさせて働かせようとしても無理な話で、健康状態に戻して栄養摂取させることが重要です。
次にカルシウム、マグネシウム、カリウム、(アンモニア)などの陽イオンのバランスを調節することも重要です。肉ばかり食べて満腹になりご飯や野菜が不足することで体調が悪くなるようなイメージです。

必要な時に検査することが望ましい項目

  • EC

日々の空腹状態を見るようなもので、作物の成長点、葉色などを見ながら「潅水」と併せて頻繁な調節を行う目安となるものです。とくに施設園芸では毎週生育調査と組み合わせて施肥量、管理を微修正していきます。