コラム

【ミョウガ栽培】初心者から上級者になれる育て方のコツとは?

公開日:2019.10.21

1.ミョウガの産地「高知県」

ミョウガ栽培で恐れられている病気に根や茎が腐って枯れる根茎腐敗病という土壌病害があります。被害は甚大で数々の産地が壊滅的な打撃を受けてきた記録があります。

その様な中、高知県はミョウガの全国生産量の9割以上を誇る一大産地として知られています。ミョウガの栽培は土耕栽培が一般的ですが高知県では養液栽培の普及が進み、土壌病害の心配から解放されたうえに周年栽培も可能としています。

そこで今回はミョウガ栽培のワンランク上の育て方として“ミョウガの養液栽培”について紹介していきたいと思います。

2.土壌病害を克服し周年栽培も可能な養液栽培

ミョウガ栽培はハウス内で行われます。栽培ベッドに圧縮された専用のヤシガラ培地を並べ給水して膨らんだ培地に苗を定植します。
養液は培地上に張り巡らせた点滴給水チューブを通して与えます。
日々の肥料やりや給液、温度や湿度、二酸化炭素濃度、照度、排液のモニタリングなどは全て自動制御で行われます。例えば地温が低いとお湯を与えたり、電照で1日のうち2回昼の状態を作って光合成を盛んにします。
生長するとミョウガの背丈は3mを超える程になります。

作型には秋に定植して晩冬から夏に収穫する促成栽培、春に定植して秋から冬に収穫する抑制栽培などがあり、徹底した環境管理によって周年栽培を可能としています。
また、培地を一作ごとに取り換えることで根茎腐敗病などの土壌病害を防いでいます。とはいえ定植する株は株分けしたものよりも無病株を入手する方がより安全です。




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3.栽培技術が確立されたミョウガ栽培に取り組む方法

ミョウガの養液栽培は高知県を中心に何十年にも亘って培われた技術によって支えられ、現在では高度に機械化が進んでいます。栽培システムの要となる部分の特許を取るだけでなく、産地が一丸となって技術が他所に漏れるのを徹底的に防いでおり、農家個人でゼロから養液栽培に取り組むことは容易ではありません。


ではどうしたらよいのか?最も簡単な方法は高知県でミョウガ農家として新規就農することです。ミョウガ栽培の上級者を目指すなら本場の高知で、というわけです。しかし既に農地を持っていると中々そういうわけにはいきません。
その場合におすすめしたいのが、カネコ種苗が販売している養液栽培プラント「カネコ CAN DO ファーム(ミョウガ)」です。ミョウガの養液栽培がパッケージとなった商品で、栽培装置や給液等の自動管理制御システムだけでなく、ミョウガの定植方法から養液濃度の処方など栽培方法の全てをマニュアルとして受け取ることができます。収量は露地の10倍程の10aあたり5tもの高収量が見込め、栽培指導を受けることもできます。

忘れてならないのは養液栽培を始めると大量のミョウガが出来るので収穫や出荷調整作業も膨大になることです。1人でこなせる量ではないので人を雇う必要があります。経営者としての手腕が問われることも念頭にいれておきましょう。



ミョウガの栽培方法は外部に対しては徹底的に隠されていますがしっかりと確立されています。覚悟を持って飛び込むならば栽培初心者でも上級者になるのは難しくありません。




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▼参考サイト
●農耕と園芸、誠文堂新光社、2008(7)、ミョウガの養液栽培 カネコ・CAN DOファーム、カネコ種苗(株) 野坂武司(p43-44.)



ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。