コラム

ロックウール栽培ってどうやるの?水耕栽培との違いやメリット・デメリット

公開日:2020.04.24

施設園芸では、いかに植物の生育環境をコントロールして生産性を高めるかが大きなテーマとなります。このための方法の1つとして、土耕栽培から養液栽培に転換する、というものがあります。今回は、養液栽培の培地としてよく用いられるロックウールを使った栽培について解説します。

今回は、養液栽培の培地としてよく用いられるロックウールを使った栽培について解説します。

1.通気性、保水性に優れたロックウール

ロックウールとは、読んで字のごとく、鉱物(ロック)から人工的に作られた繊維(ウール)のことです。玄武岩などの鉱物を高温で溶かし、綿菓子のように遠心力で飛ばすことで繊維状にして作られます。

通気性や保水性があり、資材としても軽く扱いやすいことから、農業用の培地として使われています。具体的な使い方としては、ビニールハウスでのトマト栽培の培地や、水稲の育苗マットなどがあります。

他にも、断熱効果や吸音効果があるため、断熱材、吸音材、耐火材としても使われています。

2.ロックウール栽培と水耕栽培の違い

ロックウール栽培に似たものとして、水耕栽培があります。

水耕栽培とは、土やその他の培地を全く使わず、作物の根系を直接養液に浸す栽培方法のことを指します。深水で栽培するのがDFT薄い膜のような浅水で栽培するのがNFTと呼ばれる方式です。

一方、土のかわりに培地としてロックウールを使うのがロックウール栽培です。育苗用のロックウール培地に野菜の種をまき、苗を育てて、そのロックウール苗を栽培用のベッドに定植します。ロックウールは保水性があるので、水耕栽培に比べてかん水の頻度が少なくて済む傾向にあります。

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3.ロックウール栽培のメリット・デメリット

ここからは、ロックウール栽培のメリットとデメリットをみていきます。


メリット ●根が発達しやすく、作物の生育につながる

※イメージ画像

ロックウールは性質が均一で、また根に酸素が行きわたりやすいことから、根が発達しやすいという特徴があります。




●作付けの片付けや準備が楽

ロックウールは軽くて扱いやすいので、土耕栽培に比べて作付けの準備が楽になります。また、土耕栽培の場合は連作することで塩類集積が起こり、連作障害が発生しますが、ロックウールの場合は作付けごとに培地を更新するため、土壌改良に悩む必要がありません。




●技術が確立しているので導入しやすい

オランダをはじめとした各国でロックウール栽培は行われており、栽培用の技術や資材が非常に発達しています。導入コストをクリアすることができれば、比較的容易に取り入れることができます。


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デメリット ●導入コストがかかる

これはロックウール栽培に限らず養液栽培の場合は、規模の大小に関わらず潅水などの設備が必要となります。また、作付けごとに培地を更新するため、継続的に一定の資材購入費や処理費がかかります。



以上、ロックウール栽培について解説しました。土耕栽培から養液栽培になると、施設園芸としての安定性はグッと増します。

スマートな農業を実現するため、ぜひロックウール栽培を検討してみてください。



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▼参考サイト

〇ロックウールは水耕栽培に最適!栽培方法や育てる際の注意点をご紹介,水耕栽培ナビ
https://www.suikou-saibai.net/blog/2016/05/02/348

ライタープロフィール

【内村耕起】
宮崎県の牛農家生まれ。大学院で植物工場での廃棄物利用に関する研究に従事したのち、全国の農家を訪ね歩いてファームステイ。岩手県の自然栽培農家で2年間の農業研修を経て、現在は宮崎県の山間部の村で自給的農業を営む傍ら、ウェブライターなどもしています。