コラム
公開日:2018.03.26
野菜の生育を阻害し出荷品質を低下させ、ウィルスの媒介もするアブラムシ。発生予防を心がけていてもいつの間にか現れ、一度大量発生すると完全に駆除することは難しい厄介な存在です。
アブラムシは窒素施肥が多すぎる場合や密植栽培時に発生しやすいと言われています。さらに天敵のいないハウス内はアブラムシにとって天国の様な空間です。アブラムシを見つけたら一刻も早く駆除しましょう。
今回は農薬を使わない安心かつ効果的な4つの駆除方法を紹介します。
手やピンセットで直接潰します。粘着力の弱いテープに貼りつけて取り除いても良いです。
市販の吸引式害虫駆除器を使いアブラムシを吸引します。吸引ノズルは葉・花用、茎用と付け替え可能で幅広い害虫に使えます。
これらの方法で取り残した生体対策や大量発生時には以下の方法をお勧めします。
天敵のテントウムシを導入します。購入可能な飛ばないナミテントウの場合、1匹で1日あたり100匹のアブラムシ駆除を期待でき、飛ばないので長期間ハウスに留まってくれますよ。
天気の良い日の早朝に2倍に薄めた牛乳をアブラムシにしっかりと噴霧します。牛乳が乾くことでアブラムシの気門を塞ぎ窒息させます。翌日、野菜に付着した牛乳を水でしっかり洗い流しましょう。水をかけることはハダニ対策にもなりますよ。
この方法は他昆虫にも影響があるので天敵導入後には行わないようにしましょう。また事前に野菜への影響を数株で試すことをお勧めします。
日本酒、焼酎の様な酒類や消毒用エタノールのスプレーはハウス内では引火の危険が高くなるので止めた方が良いでしょう。
どの方法も簡単に行え、農薬の様に抵抗性獲得の心配はほとんどありません。無農薬でアブラムシをガンガン撃退しましょう。
※この記事の参考文献:
農研機構「飛ばないナミテントウ利用技術マニュアル」、ヒノックス商事ラボHP
ライタープロフィール
【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。