コラム

すす病の原因はカイガラムシ?その原因と今からできる対策

公開日:2019.10.28

1.木だけでなく野菜にも発生する「すす病」

すす病は病名の通り”植物がススのような黒いカビで覆われる病気”で、光合成が阻害されるうえに商品価値が著しく損なわれます。みかんやレモン、柚子、金柑のような柑橘類、ツバキやオリーブのような常緑樹などに発生する木の病気として有名ですが、ナスやピーマンなどの野菜にも発生します。

すす病の原因となるカビは多くの場合、植物の表面で吸汁性害虫の排泄物を栄養源に繁殖しています。植物に寄生していないためすす病で植物が枯れる心配は少ないですが、それより植物を枯らす危険性の大きい吸汁性害虫がほぼ確実にいる点に注意が必要です。すす病を見つけた場合にはその対処に加えて吸汁性害虫の駆除も行う必要があります。

そこでここからはすす病の原因と、すす病に罹った場合の対策についてご紹介していきます。

2.カビの仲間「すす病」になる原因とは?

すす病は“すす病菌”と呼ばれるカビの仲間の糸状菌が原因で生じます。
植物に直接寄生する「寄生性すす病菌」と、アブラムシやカイガラムシ、コナジラミのような吸汁性害虫の出す“甘露”と呼ばれるべとついた排泄物を栄養源に繁殖する「腐生性すす病菌」に分けられます。多くは腐生性すす病菌で、その場合には吸汁性害虫が多い程すす病も激発し症状が酷くなる傾向があります。

代表的な寄生性すす病菌には「星形すす病菌」が知られています。
腐生性すす病菌の場合には排泄物が付着しやすい葉の表面に症状が集中するのに対し、葉の裏面と表面のどちらにも症状が出るという特徴があります。

3.今からできる!すす病対策

被害が狭い範囲なら被害部位を除去しましょう。表面に生息しているカビは水で丁寧に洗うと綺麗になります。ちなみにすす病菌は食べても人体への影響はありません。
過繁茂を防ぎ風通しや日当たりすることも有効です。木酢液や竹酢液が効くという話もありますが効果の程は不明です。
被害が酷い場合や寄生性の場合には殺菌剤を使うのも手ですが、多くの場合は再発を防ぐ根本的な対策として吸汁性害虫の防除が不可欠です。吸汁性害虫はそのままにしておくとあっという間に増えてしまい完全に駆除することは困難なので、見つけたらすぐに駆除することが重要です。

害虫ごとに有効な農薬や対処方法は異なってくるのでまずは吸汁性害虫の種類を確かめましょう。幸いアブラムシ、カイガラムシ、コナジラミはそれぞれ異なる特徴的な外見をしており見分けは比較的容易です。アブラムシとコナジラミは農薬が効き易く比較的防除しやすいのに対し、カイガラムシは農薬が効き難く防除は難しくなります。

それぞれの害虫についての具体的な防除方法は以下の記事を参考にしてくださいね。







すす病は吸汁性害虫の排泄物を餌に発生します。すす病を見つけたら再発を防ぎ根本的な完治を目指すためにも、すす病菌への対処よりも吸汁性害虫の徹底した防除を優先しましょう。




▼参考サイト
奈良県森林技術センター、樹木医から見た庭樹の管理 基本編 Ⅴ 多種類の庭樹に共通して発生する病害 5)すす病
<http://www.nararinshi.pref.nara.jp/sindansystem/kanri/byougai.html#susu>



ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。