コラム
公開日:2019.04.19
上手に野菜をつくるためには、畑の環境を均一に整えることが大切です。畝立てや土寄せの際も、できるだけ揃いの良い美しい仕上がりにすることで、野菜の生育が揃ってきます。
そこで今回は、ハウス内での作業に管理機が適している理由と、管理機を使ってハウス内で上手に畝立て、土寄せをするための方法を解説していきます。
ハウスの中にトラクターを入れようと思うと、入り口の大きさをそれ相応のものにしなければいけません。その点、管理機であれば機械自体の幅は60㎝程度と狭いので、どんなハウスでも出入りすることができます。均一な作業ができる管理機は小回りが利くため、狭いハウス内でも四隅まで残すことなく耕すことができます。また、トラクターに比べて本体重量がずっと軽いので、ターンをしたときにも土に負担をかけることがありません。
管理機は、ロータリーカバーの左右を上げてV字型にできるものを選びます。これができると畝立てや土寄せの際に土を左右に飛ばすことができて便利です。
また、アタッチメントは培土機があると良いでしょう。通常の尾輪のかわりに培土機をつけることで、土を左右に盛り上げて土寄せすることができます。左右に羽のついた畝立て用の培土機であれば、畝をきれいにならしながら畝立てすることが可能です。
その他に、全体を耕す用に幅広のロータリーがあると、耕運時間を短縮することができます。
畝立てするときはまず全体を細かく耕すことで、土の塊がなくなり、均一に土を動かすことができます。また、管理機で耕運する目印となる線を引く際にも、見えやすいきれいな線を引くことができます。
畝や通路の幅は、作物や管理機の幅に合わせて決め、きちんと計測して目印を立てていきます。「だいたい足幅で計測する」という方もいらっしゃいますが、畝によってズレがあると手直しも増えるため、効率的な作業ができません。なお、管理機を耕運する目印となる線を畑に引くときは、両端に支柱を立てて紐を張り、その紐を踏むことで土に線を引くことができます。
欲張ってハウスの端から端まで耕してしまうと、管理機をターンする余裕がなく粗い仕上がりとなります。通路を確保するという意味でも、ハウスの両端は余裕をもって1m程度は空けておきましょう。
以上、管理機を使ったハウス内での畝立て、土寄せについて解説しました。美しい畝立て、土寄せに仕上げることは、美しい野菜を育てることにつながります。
作業をすばやく丁寧に行うことで、全体の能率アップを図りましょう。
ライタープロフィール
【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。