コラム
公開日:2019.05.27
農業は基本的に独立した営みであり、普段はなかなか他の農家と交流する機会がありません。しかし、農業技術を磨いたり、経営上の問題を解決していくためには、情報共有して意見を出し合える仲間の存在が非常に重要です。そこで今回は、20~30代前半の若い農家が中心となって農業の発展のために活動している、農業青年クラブ(4Hクラブ)についてご紹介します。
農業青年クラブは別名4Hクラブ(ヨンエイチクラブ)とも呼ばれており、若手農家が中心となり組織されています。4Hとはそれぞれ頭脳(Head)、技術(Hand)、心(Heart)、健康(Health)の頭文字を指していて、それぞれを磨くことでより良い農業の未来をつくるという意味があります。
市町村や道府県ごとに存在しており、日本全国におよそ850クラブ、会員数は約1万3千人です。
また、全国の農業青年クラブを束ねる全国農業青年クラブ連絡協議会という組織もあります。
「日本や世界で貢献できる農業者」となることを目的に、各農業青年クラブが様々な活動を行っています。大別すると
①農業経営向上のためのプロジェクト活動
②情報交換や親睦を深める仲間づくり
③消費者との交流イベントや学校での食育授業などの地域交流
の3つがあります。
各クラブの活動内容は、地方大会や全国大会にて発表が行われます。また、4Hクラブは世界70か国以上にあるため、アジア圏での連携強化や海外との交流プログラム、海外からの視察受け入れなど、国際交流活動も行われています。
全国規模のイベントとして「全国青年農業者会議」、「全国農業青年交換大会」があります。
全国青年農業者会議では、全国予選を勝ち抜いたクラブ員の活動発表や意見発表が行われ、優秀な発表には農林水産大臣賞が授与されます。2019年度は2月に東京都で開催され、石川県小松能美地区でのクラウドファウンディング活用の事例や、栃木県高根沢町での日本酒復活プロジェクトなどについて発表が行われました。
全国農業青年交換大会では、全国のクラブ員同士の交流を目的として視察研修や懇親会が行われています。2019年度は2月に大阪で開催され、先進的なレタス工場を視察したり、経営セミナーを実施したりと盛りだくさんの内容だったようです。
以上、農業青年クラブについて解説しました。横のつながりを広げていくためにも、各クラブの活動を追ってみたり、地域の農業青年クラブに所属してみるのも良いのではないでしょうか?ぜひたくさんの仲間をつくって情報交換を行い、ご自分の農業経営に役立ててみてください。
【参考サイト】
●全国農業青年クラブ連絡協議会
<http://zenkyo4h.com/>
ライタープロフィール
【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。