コラム

農業求人のお悩み解消!人材サービスのプロに聞いた【農家のための正社員雇用のコツ】

公開日:2019.12.26

東京都新宿区に本社を構える株式会社アグリメディアは「都市と農業をつなぐ」をコンセプトに2011年に設立。遊休農地や遊休地を活用したサポート付き市民農園「シェア畑」などの農地活用事業や農業参入コンサルティング、収穫体験付きBBQ「ベジQ」などを運営する同社は、メディアに取り上げられることも多く、今話題のベンチャー企業です。
人材サービス事業では農業求人サイト「あぐりナビ」を運営。会員登録数は5万人を超え(2019年9月末時点)、約7割は30代以下の若い方。農業を志す若い人と人手不足に悩む農家をつないでいます。


今回は、“農業界の求人のプロ”であるアグリメディア キャリア事業本部 部長 石塚さん、同じくキャリア事業本部のキャリアアドバイザー 中野さんに「どうしたら自社の農園に合った良い人材が集まるのか?」そのコツをインタビューしました!

1.求人サイトを使った農業の人材募集とは?

農家さんが人材募集をするときはどんな流れになりますか?

(石塚さん)掲載を希望される全国各地の農家さん(事業主)の元に、各エリアの営業担当が訪問します。その上で、採用に関するニーズ(どのような背景があってどんな人が希望で、今後どんな規模拡大を考えているか等)をお伺いし、ニーズに合ったサービスをご紹介しています。

-全国各地を訪問とはすごいですね。山奥になることもありますよね。

(石塚さん)そうですね、月に100件ほど訪問しているのですが、中には携帯の電波が届かないエリアの農家さんもいます。面談をして、求人原稿に載せる写真を撮ったり、ヒアリングした内容をあぐりナビの求人原稿に反映します。希望を伝えていただければ、基本は私たちが原稿を作りますので、全てお任せいただけます。

費用はどれくらいかかりますか?

(石塚さん)私共のサービスには、あぐりナビに求人情報を掲載して、期間に応じて費用が発生する「ネット求人広告」と、求人掲載費用はかかりませんが、キャリアアドバイザーが間にはいって極力希望に合った人材を見つけてご案内し、入社に至ったら報酬を頂戴する「人材紹介サービス」の2つがあります。農家さんのニーズをヒアリングした上で、それぞれのサービスをご案内し、どちらのサービスが良いかお選びいただいています。

▲ 石塚さん


求人広告と人材紹介サービス、それぞれの特徴を教えてください。

(石塚さん)あぐりナビの求人広告は他の業界に比べてもかなり安価で出せ、幅広い層に知ってもらうことができます。反面、応募してくる方にフィルターがかからないため、採用ニーズと異なる人材から応募が来ることもあります。幅広く募集をかけていきたい方におすすめです。
一方、人材紹介サービスは費用が高くなりますが、「こんな経験をしてきた人がいい」という明確な人材像がある方には、アドバイザーが希望にあった方をフィルタリングし、ご紹介するというサービスなので、採用ニーズにあう人材からの応募が来やすくなります。

ネット求人広告は、おおよそどれくらいの期間掲載したら良いのでしょうか?

(石塚さん)地域によって大きく異なります。例えば、人口の多い関東地方と地方では応募数は異なりますし、もちろん業種によっても異なります。農家さんによってニーズも異なるため、それに合わせて営業担当が提案しています。

2.正社員を雇用した農家さんの成功談

あぐりナビを通じて正社員を雇用した事業主の感想や成功談を教えてください。

(中野さん)「思った以上に活躍してくれて、とても助かっているよ」との感想を頂いています。
面接のとき、条件を一方的に話すのではなく、求職者さんのやりたい事にも耳を傾け、「それだったらうちでこんな風にできるよ」と、お互いのビジョンをすり合わせることが大切です。きちんとすり合わせができて就職された方は、長期にわたって活躍されています。また、面接時にハウスの中や作業現場に足を運んでもらい、職場環境のことも説明していただけると求職者さんも、入社後に「想像と違った」ということがなく働けます。

面接時に気を付けることはありますか?

(中野さん)求職者さんも就職を急いでいて、よく確認せずに就職してしまう場合があります。それでうまくマッチすることもありますが、入社してから勤務時間などの細かい条件のところでズレが生じてしまい、長く続かないケースもあります。
悪いところもきちんと伝えた上で、「それ以上にこんなやりがいがある」とか、前向きなお話をするといいですね。

▲ 中野さん


就職した方の「よくあるお悩み」はなんですか?

(中野さん)機械の操作に困る方が多いです。とくに前職が全く違う業界だとなおさら。求職者の方もがんばって資格をとって就職されるのですが、実際に現場でやってみると上手くいかず、「失敗しちゃった、どうしよう・・・」と1人で悩んでしまう方もいます。そんな時は励ましたり、農家さんに「今落ち込んでいらっしゃるようなので気にしてあげてください」とお声がけさせていただくなど、メンタル面もサポートしています。

農家さんが雇用した方に対して、悩んだりされることはありますか?

(石塚さん)「経験者だから」といって農業経験のある方を採用したケースで、いざ入社してみると農園ごとにやり方やノウハウが違うので、思ったより時間がかかるという話はよく聞きますね。しかし、トラクター等の農業機械の運転技術は持っているので、そういったことを含め経験者を希望される方も多いです。

3.海外の技能実習生を受け入れるメリット・デメリット

海外の方を受け入れるメリット・デメリットを教えてください。

(石塚さん)海外の方を採用される場合、多くは技能実習生なので計画的に採用しやすいことが大きなメリットです。いつまでに何人入ってくるかが分かるため、受け入れがしやすいためです。
技能実習生は3年、5年など期間が決まっているため、安定した期間の人手を確保できます。「現場作業をしてくれる人材が欲しい!」という農家さんは、技能実習生の雇用も視野に入れてみると良いかもしれません。ただ一方で、雇用が確定してから実際に入社するまでに時間がかかったり、申請の条件をクリアしたり、必要書類を揃えたり、最初は大変かもしれません。当社では実習生や技能実習生の受け入れ支援サービスもおこなっています。

-実際に海外の技能実習生を雇用される農家さんは多いのですか?

(石塚さん)黙々と頑張ってくれる方が多いようで、雇用してよかった!また海外の技能実習生を雇用したい!とおっしゃる農家さんも増えてきています。

どこの国の方が多いですか?

(石塚さん)最近は、ベトナムやカンボジアといった東南アジア系の方が多いです。日本語もある程度学んでいるので、まったく言葉が通じないといった心配もありません。

4.農園にあった人材を集めるコツと失敗しないためのポイント

雇用のポイントを教えてください。

(中野さん)農業は大変なお仕事なので、長く続けてもらうためには農家さんと求職者さんとの間で事前にイメージのすり合わせを行うことが大切です。
また、求職者さんの動機(なぜこの業界を志したのか)を重視される農家さんは希望に合った人材を雇用できています。 志望動機に「今の日本の農業に貢献したい!」という思いがある方は、辛いことがあったときにも乗り越える意思が強い傾向にあります。また、幼少期に土を触る経験をしたり、実際に作物を育てた経験があって生き物に興味がある方も定着がしやすいと思います。

(石塚さん)「自然に囲まれた中でのんびりと働きたい」とか、「緑を見ながらゆっくり働きたい」と思っている方は、就職したときにイメージとのギャップが生まれ、長く続かない傾向にあります。 実際、農業は体力を使う大変な仕事なので、「やりがいもあるけど、大変な業界ですよ」と伝える事も、僕たちアドバイザーの仕事だと思っています。

ほぼ同じ条件の求人の場合は、給料が高い方が有利かと思います。給料を上げることが難しい場合は、求職者にどのようにアピールすれば良いでしょうか?

(石塚さん)家賃補助や住宅支援を提案するケースもありますが、結局お金の話にはなってしまうので、「お金ではないメリット」を打ち出すことが大事だと考えます。
例えば、給料は高いけど、教育体制が整っていない、独立支援を歓迎していないA農園さんがあったとしたら、B農園さんは“将来独立考えている人も積極的に採用しています!”と打ち出すことで、A農園さんと住み分けができます。それならば、キャリアアドバイザーも「将来の独立を考えるのであれば、今は多少給与が少なくても、支援してくれるB農園さんのほうが良いと思いますよ」といったご案内ができます。お金の面だけではなく、しっかり住み分けをしてあげる事が大切ですね。

雇用のポイントまとめ💡 【1】仕事に対するイメージのすり合わせを求職者としっかり行う!
【2】求職者の志望動機や将来のビジョンを聞いて自分の農園との親和性を考える!
【3】自分の農園ならではのおすすめポイントを前面に打ち出す!(代表の人柄もPRになります!)



(石塚さん)ネットで求人を出すのって、ちょっと敷居が高いと思われがちなのですが、僕たちは地道に農家さんの元へ足を運び、直接顔をみてお話を伺っています。アドバイザーも1人1人と向き合いながら、雇用後も電話でのアフターサポートを行っています。
「ネットだから・・・」と敬遠しないで、気軽に相談してみてほしいです!






今回取材させていただいたのは…

株式会社アグリメディア
人材紹介事業部 部長 石塚さん

終始、柔らかい物腰でとても話やすい雰囲気の方でした。瞬時に的確なアドバイスをくださるところはさすが部長さん。 農業界の未来を真剣に見つめる眼差しが力強かったです。
趣味:子供の通うプールに同行して成長を見守ること。





キャリアアドバイザー 中野さん
相手の立場に立って一緒に考えてくれるやさしい人柄を感じました。話し口調も穏やかなので、安心して何でも相談できる雰囲気の方です。
好きなもの:ムーミン

ライタープロフィール

【施設園芸.com 編集部】
農家さんへのお役立ち情報を日々配信しています!
女性編集部が多く在籍し、新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪









    



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