コラム

ビニールハウスの中古購入ってあり?価格相場やメリット・デメリットを調査!

公開日:2020.04.07

施設栽培には何かと費用がかかりますが、その中でも大きな負担になるのがビニールハウスの設置費用です。少しでも安く抑えたいところですから、中には中古購入を検討している人もいるかと思います。
そこで今回は、中古ビニールハウスの価格相場やメリット・デメリットについてまとめてみました。

1.ビニールハウスの価格相場とは?

まず新品のビニールハウスの価格相場ですが、規模や構造によって大きく差が開いています。具体的にはパイプや鉄骨の太さ間隔の違いビニールの強度耐久年数などが大きく影響しています。基本的には、強度が高いつくりになるほど高額になっていきます。

また、設置業者の作業工賃も様々で、地域ごとの相場感やサービス内容によって差があり、一概には言えませんが、例えば、間口7.2m・幅50mクラスのパイプ造りのビニールハウスの場合、資材だけでもおよそ200万円の費用が必要になります。

対して中古のビニールハウスは、新品と比べるとかなり安い価格で手に入るケースが多く、同じ50mクラスのパイプ造りのビニールハウスで、資材のみで20万円弱から購入が可能なものもあります。新品と比べると10分の1程度の費用で済むので、かなりのコストカットが見込めそうです。



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2.中古ビニールハウスのメリット・デメリット

中古ビニールハウスのメリットとデメリットを比較してみましょう。



メリット↑ ●大幅なコストカット

ビニールハウスの中古購入のメリットといえば、やはり大幅なコストカットが見込めるという点です。前述した通り、場合によっては新品相場の1割程度の価格で購入できることもあります。

新規就農など予算にあまり余裕がない場合や、たまたま良いタイミングで中古物件に巡り会えた場合などは、有力な選択肢になりえるでしょう。




デメリット↓ ●品質にバラつきがある

中古ビニールハウスの購入で一番心配なのが品質面です。こればかりは物件の個体差によるところが大きいので、ケースバイケースでの判断が必要になってきます。

仮に耐久性に問題があった場合、雪の重さや台風などでビニールハウスが倒壊する可能性があります。作物を守るためのビニールハウス費用を節約して、肝心の作物にダメージがあっては本末転倒です。少しでも品質に不安がある場合はやめておいた方が無難と言えます。



●物件数が少ない

中古ビニールハウスはそもそもの物件数があまり多くはありません。買取・再販を行う業者が少ないことや、ハウス解体の際には個人間で既に譲り先が決まっているケースが多い事などが背景にあるようです。

ただでさえ少ない物件数から、自分の希望に合う条件のものが見つかることはごく稀です。物件探しは長期化するのを前提に考えておく必要があります。



3.中古ビニールハウス選び3つのチェックポイント

中古のビニールハウス選びでは、ぜひチェックしておきたいポイントがあります。



【チェック1】サビや腐食

中古ビニールハウスを購入する際、一番にチェックしてほしいのが「骨材のサビや腐食」です。
表面的にはそれほど目立たなくても、パイプ内部で劣化が進んでいる場合があります。念入りにチェックするようにしましょう。

サビや腐食による劣化は、ハウスの寿命に直結してきます。せっかく安価でハウスを手に入れても予想以上に早く寿命がきてしまっては、安物買いの銭失いになりかねません。
できる限り劣化の少ないものを選ぶようにしましょう。




【チェック2】強度

次に気を付けたいのが強度です。中古ハウスの場合、新型ハウスの構造や素材と比較すると強度面で劣ることがあります。

悪天候や災害時にも十分に耐えられえるかはとても重要なポイントです。特に近年は気候変動の影響なのか、台風などの自然災害が大型化することもしばしばです。大切な作物を守れるのか、しっかりと見定める必要があります。
ただし、補強資材を使う方法もあるため、ハウスの強度に合わせて検討してみましょう。



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【チェック3】価格

新品購入と比較して価格分の価値があるか、しっかりと検討が必要です。というのも、ビニールハウスの新品購入は助成金の対象となる場合があり、想像よりもずっとリーズナブルに購入できるケースがあるからです。

具体的には「強い農業作り交付金」「パワーアップ事業」といった名称の補助事業があります。購入価格の50%の助成金を受け取れるので、経営者としてはとても魅力的な制度です。

そうした補助事業を活用した場合とも比較し、自身にとって本当にメリットが大きいのはどちらなのか、しっかりと検討するようにしてください。


中古ビニールハウスは大幅なコストカットができる反面、物件による個体差が大きく、購入前の事前チェックは欠かせません。物件選びを失敗してしまうと、逆に損をしてしまう場合もあります。
メリット・デメリットはもちろん、3つのチェックポイントもしっかり確認をして、間違いのない物件選びをしていきましょう!



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▼参考サイト
〇ビニールハウスの価格の相場|最高の構成で安く購入するコツ10選,ビニールハウス,農地コンシェルジュ
https://no-chi.com/greenhouse-cost/
〇農業用ハウス中古出ました,北海道の暮らし
https://land.atpopular.com/2011/09/house4/

ライタープロフィール

【オオタニ コウスケ】
北海道出身。
酪農経営について学んだ後、大手農業機械メーカーにて勤務しました。現在は機械メーカーで培った経験と知識を元にライターとして活動しています。得意分野は酪農、トラクタ、作業機、噴霧器やポンプに関することです。








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