コラム

【農業で使う軽トラ】農家はどんな軽トラを選べばいい?

公開日:2020.04.21

農機具や施設はもちろんですが、軽トラックも農家の必需品と言えます。道具や作物の運搬など、あらゆる場面で重宝する強い味方です。
しかし、車種による違いが少なく、「いまいち何を基準に選べば良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は農家目線での軽トラの選び方について解説します!

1.軽トラ選びには走破性をチェック!

まずチェックしてほしいのが、走破性を高める機能の有無です。農業で軽トラを使う場合、一般的な使用とは違い、圃場や砂利道などの未舗装の場所を走ることが多くあります。そのため、悪路走行を想定した仕様選びが必要です。

4WD駆動は必須となります。やはり悪路を走行する場合は、4WDの力強さが強い味方になってくれます。ちなみに燃費性能は2WDよりも劣るので、2WDとの切り替え機能があると更に良いでしょう。

次に、デフロックの有無も確認しておきたいところです。デフロックとはディファレンシャルロックの略で、オンにすると左右のタイヤが等速で回転するようになります。例えば、ぬかるみでスタックしてしまった場合、オンにするとタイヤの空転が防げるので脱出が容易になるなどのメリットがあります。

レンタルという手段もありますが、農作業では悪路で使用する場面が多く、通常よりも車を破損させてしまう可能性が高いです。高額な修理費用を請求されてしまうことがあるため注意が必要です。



新車

◎メリット
・トラブルが起こる可能性が低い
・リセールバリューが期待できる
×デメリット
・購入費用が高額



中古車

◎メリット
・安価で購入が可能
×デメリット
・個体差が大きく、ハズレの個体に当たる可能性あり



レンタル

◎メリット
・導入コストが低い
×デメリット
・長期的に見るとレンタル料金の方が購入よりもが割高な可能性あり
・故障や破損の場合、補償を求められるケースあり



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2.幌やダンプなどのカスタムパーツをチェック!

幌やシート、ダンプなどのオプション機能もチェックしておきましょう。
雨風にさらしたくない物を運ぶ際はがあると便利です。幌は、積載物を雨風や太陽光から保護する役目や、積載物の落下防止の役割をします。やはり天候に左右される農業では持っていたら便利なアイテムです。また、ダンプ仕様だと堆肥の運搬などで効果を発揮します。

反対に、ビニールハウスなど狭い場所に乗り入れる場合は、そうした機能が邪魔になることもあります。実際に使うシーンをイメージして選ぶようにしましょう。



簡単に行えるカスタムでおすすめなのが、荷台へのゴムマットの設置です。軽トラは様々な農機具を積み込むため、荷台を傷つけてしまう可能性があります。ゴムマットの設置はそれらの傷からサビや腐食などが発生するのを防ぎます。 また、汚れ防止・傷の軽減や、草刈機などの積載道具自体を守る役目がありますので、ぜひとも設置して欲しいカスタムアイテムです。



3.実はあまり変わらない荷台スペック

軽トラの一番の見せ場は、やはりガツガツと荷物を詰め込む場面でしょう。それだけに荷台のサイズは気になるところですが、実は車種ごとに違いはありません。
主要3モデルの荷台サイズは1940mm×1410mmで統一されており、同じく積載量も350kgに設定されています。

それもそのはず。軽トラックといえど基本的には軽自動車ですから、ボディサイズもその規格の中に収めなくてはいけないからです。





💡最積載サイズと重量について

法律で定められた積載できる量とサイズの規定があるので、その点は注意が必要です。
前後にはみ出して良い荷物の長さは車両の長さかける1.1倍です。横幅は車両と同じ幅以下になります。高さの範囲は地上から2.5m以下となっています。最大積載量は350kgです。この範囲を越える場合は、警察に「制限外積載許可」の申請が必要です。積載時にはご注意ください。



4.農家におすすめの軽トラ車種3選

※イメージ画像

ここからは、おすすめの車種をご紹介します。ぜひチェックしてみてください。



ダイハツ ハイゼット トラック

2010〜2018年の間日本一の販売実績を持つ、軽トラ人気車種のハイゼットトラック。荷台上の空間は長さ1945mmと軽トラでは長く、箱を重ねて積んだり高さがあるものを積載するのに便利です。
軽トラでオリジナリティを出したいと言う方は、カラーバリエーションが8種類と豊富なダイハツのハイゼットはおすすめの車種です。25個のフックが多様な位置にあり、荷物の固定やシートをかけることができます。
※料金の目安は、新車で68〜139万円程度、中古で38万~124万円程度です。



スズキ キャリイ

他の軽トラと比べると、荷台の高さが650cmと低く、荷物が積み降ろしがしやすくなっています。フロア長さが2030mmとハイゼットトラックと同等なサイズで十分な積載スペースがあります。
※料金の目安は、新車で72〜130万円程度、中古で53万~125万円程度です。



スバル サンバー トラック

現行のサンバートラックはダイハツのOEMとなっていますが、おすすめはスバルが2012年に軽自動車から撤退する前に作られたサンバーです。
「農道のポルシェ」と呼ばれ愛された当時のサンバーは、今でも需要が高く最終生産モデルは未だに人気が根強い車種です。中古市場でも当時のサンバーの価格は高くなっています。

リアエンジン・後輪駆動のRRを採用しているので、上り坂にも強く荷台が空でも安定した走行感があり、高回転時のエンジン音も他の軽トラと比べて静かです。スーパーチャージャーを搭載したものもあり、走破性も抜群な車種です。
※料金の目安は、中古で48~139万円程度です。




農業で使う軽トラは特殊な環境での使用が前提になることが多くなります。使い方に応じた車種を選び、自分に合ったカスタムをすれば農業の効率が上がること間違いなしです。自分にピッタリの軽トラを見つけましょう!



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ライタープロフィール

【オオタニ コウスケ】
北海道出身。
酪農経営について学んだ後、大手農業機械メーカーにて勤務しました。現在は機械メーカーで培った経験と知識を元にライターとして活動しています。得意分野は酪農、トラクタ、作業機、噴霧器やポンプに関することです。








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