コラム

イチゴ栽培で収量2倍!すこぶる美味しい!成果が見えたら農業が楽しくなった!土生農園の取組み/前編

公開日:2020.08.28

2011年に起きた東日本大震災を機に、本格的に農業に取組み始めた宮城県亘理郡山元町のイチゴ農家:土生さん。3人の従業員と共に「休みが取れて、儲かる!楽しい農業!」を目指している。
現在は「山元町のいちご 土生農園」のブランド化のため新たな販路拡大に奮闘している。
土生さんが販路拡大のため各地に飛び回ることができるのは、栽培管理の自動化が出来ているからだ。土生さん自身が現場にいなくても、環境制御機器と従業員に任せ、クラウドにつないだスマートフォンでハウス内環境を確認し、何かあれば現場へ指示を出している。

今回は、これまでの考え方を変え、収量を2倍にまで伸ばした土生農園(はぶのうえん)の代表取締役 土生さんに、イチゴ栽培の取組みを取材しました。

1.宮城県でイチゴ栽培20年「土生農園」

土生さんが就農したきかっけはなんですか?

父親がイチゴ農家で、ちょうど新しいハウスを建てる時に「一緒にやってみないか?」と誘われ、21歳で就農しました。最初は土耕栽培で、品種はとちおとめ。当時はどの苗がいいとか、品種の特徴もさっぱりわからず、たまたま手にとった苗がとちおとめでした。
というのも、本格的に農業に取り組んだのがここ2~3年の話で、それまでは農業が大嫌いだったんです。暇さえあれば釣りに行っていました。

転機となったのは2011年3月11日の東日本大震災。
あの大震災を見て、自分自身も被災し、「どうしたら休みが取れるのだろう」、「もっとお金がもらえるのだろう」と今までぼんやり考えていた事としっかり向き合うようになりました。そして、「イチゴの収量を伸ばせば収入が増えるんじゃないか!?」と思い、そこから一念発起で色々な取り組みを始めたのです。

―どんな取り組みをしたのですか?

当時は情報を集める方法もわからず、ネットで調べても出てこないため、本屋さんに行って調べたり、たまたまテレビでやっていた微生物資材「EM菌」を使ってみたり、独学で色々と試していました。栽培マニュアルなんてありませんでしたからね。作物には肥料かな?と思って肥料を濃くしたり、薄くしたり、追肥をしたり。菌を自分で育てて撒いてみたり。納豆菌がいいと聞けば納豆菌を散布していました。
しかし、なかなか上手くいかず、収量を上げるためにどうしたらいいのか、大変悩みました。

2.詐欺師現る!?農業にドはまりした震災後の出会い

震災後はどのようなご苦労がありましたか?

この辺りは腰の高さまで浸水しました。幸い、建物に被害はなかったため、大量の泥を掻きだすことで再開することができました。

震災後はメーカーや営業の方がたくさん来ました。スーパーも来ましたよ、「イチゴを買い取るから出してください」って。今まで農協出荷をしていたので、直接取引の話なんて初めてのことでした。
“復興支援”ってネタにするためなのか、関東のほうからも来ていましたよ。詐欺まがいの悪い人もいっぱい来ていたので、「全部高く買い取ります!」と言われても信じられず、人間不信になっていました。
そんなとき、“信用できなそうな顔でやって来た人”が「土生さん!イチゴって10トン採れるんですよ!」と言うのです。内心では、「いやいや、うち3~4トンだよ?そんなに採れるわけない、そんな詐欺みたいな話ないよ~」って思っていました。しかし、話を聞いてみると今まで自分がやってきたことと考え方が合致したんです。そうしたら、あれやこれやでプロファインダーという環境測定装置を入れることになりました。“信用できなそうな顔でやってきた人”というのが、(株)誠和の営業:中野君だったのです。

―中野君を疑わなかったのですか?

最初来た時に、「どれくらい時間かかりますか?」って聞いたら、「2時間か2時間半ください!」って言われました。「え!これからイチゴの出荷忙しいのに~午前中終わっちゃうよ~」って思ったのですが、ひと先ず話を聞いてみる事にしました。だいたいの営業って興味ないよって言えば帰るけど、2時間か2時間半ください!って、これはとんでもない詐欺師が来たのか、信用してほしいからなのか・・・と思い、熱意に負け話を聞いてみることにしました。聞き終わる頃にはこっちはヘロヘロでしたけどね(笑)


―話を聞いている中で、やってみようかなと心が動いたのはどんなところでしたか?

今まで自分が考えてやってきた温度や湿度、炭酸ガスなどは「単体ではなく全部一緒にやったほうがいい。そうしたら相乗効果が生まれてより良い環境になる、どれが欠けてもいけないもの」と教えてもらったときに、「これだ!やってみたい!」って思えたのです。何が欠けているのか知るためにはハウスの環境を見ないといけない、そのためには環境測定する機器が必要だ!ということで、プロファインダーを導入することにしました。

それからは、月に1回中野君が来てくれて、その時のハウスの状況を見ながら「今こうなんだけどどうしたらいいだろうか?」と相談したり、時には栽培のアドバイスもしてくれて、話がとてもわかりやすかったです。2人ともわからないときは2人で一緒に悩みました。そうしたサポートがあったのが非常によかったです。

3.ハウスの見える化で収量が2倍に!成果が見えて栽培が楽しい

実際にプロファインダーを使ってみていかがですか?

今までは通販で購入した温度計やCO2濃度計で測定していたのですが、プロファインダーを使ってみて正しい数値ではなかったことがわかりました。正確な測定ができるようになったことで、見直した管理も多かったです。

とくに、湿度はぜんぜん違いました。今まで、湿度が低い時には水を撒いていたのですが、プロファインダーで測定した数値を見てみると “そんなに湿度は低くなかった“ということがわかり、水を撒く必要がなくなったのです。数値を見ながらの作業になってからは、作業効率がよくなりました。
今はクラウドにつないでスマートフォンから簡単に見ることができます。いつでもどこでもハウス内の状況が見れるため、安心して外出できます。クラウドはおすすめのサービスです。




―どんなことが改善できましたか?

プロファインダーを導入してからは誠和で開催している勉強会に参加しているのですが、これが考え方を変える大きなきっかけとなりました。

私は父親からイチゴ栽培を受け継いでいるため、数値や栽培方法の正解がどこなのか分かりませんでした。しかし、今まで通りのやり方で収量が伸びないということは、きっとどこかを変えないといけない。じゃあどうしたらいいのか?というところにアドバイスをもらえるのです。また、勉強会の内容に沿った考え方を自分のハウスでやろうとすると、今までの管理では難しい。じゃあどうしたらいいのか?そういった課題を、解決していくことができました。

―考え方を変えたことでどう変わりましたか?

かなり変わりましたよ。収量が倍です!当時3~4トンだったのが、6トンを超えました。最初の年で変わったから本当に驚きました。こんなに採れるんだ!と思ったら農業がすごく楽しくなったんです。変えた事が成果として表れるので、それが嬉しくて。それからはイチゴを栽培するのが面白くって、農業にどっぷりはまっていったんです。
中野君との出会いが大きなきっかけになりました。詐欺師じゃなかった(笑)

4.栽培管理の自動化で「すこぶる美味しいイチゴが出来た!」

プロファインダーを導入した土生さんの「次の課題」はなんですか?

栽培に対する考え方が変わり、天気によって換気窓の開閉を行うようになりました。やってみると手動での開閉作業は時間が取られ、適時の対応が難しく、次第に“自動で管理したい”と思うようになりました。
一番困ったのは夜中にハウスの窓を開けなきゃいけないってなったときです。「いつ寝られるんだろう?でもやらないと美味しいイチゴが作れない・・・」 そこで、自動で管理してくれる統合環境制御盤「Next80」を導入することにしました。

もっと前から中野君に「Next80がほしい!」と言っていましたが、「売りません」って(笑)「土生さん、あなたにはまだ使いこなせません」と言わんばかりに。

それから2年。「夜中の換気が必要なのに、今のままでは出来ない…」と本当に困ったときに、「ああ、これか!これなら売ってもらえるかもしれない!」と思い中野君に相談したところ、すぐに見積もりを出してくれました。
欲しいと言ってから2年かかったのは、「まだ機械に頼る段階ではない、もっと自分の手で出来ることがあるということを理解してほしい」との中野君のやさしさでした。

私の成長も必要だったから、ただ機械を売るだけではなく本当に必要なときに出してくれた。そういったやり取りもあって、最初は詐欺師だなんて疑っていたけど、今はとても信頼しています。


Next80を導入されてどうでしたか?

すぐに違いが出ましたよ。もう、“すぐ”です!今まではイチゴの葉を育てているような感じだったのが、ちゃんと“イチゴの実”を育てられるようになりました。見た目から全然違いましたね。収穫していて、イチゴが全体的に大きくなっているのがわかりました。大きくて取り易いので、収穫作業の効率も上がりました味もすこぶるよくなりましたよ!「うちの施設でもこんなに美味しいイチゴができるんだ!」って、自分で作っていてびっくりしました!

土生さんの次の目標はなんですか?

土生農園のイチゴを、オリジナルブランドとして売り出していきたいと思っています!そのためには、さらに品質を上げ、販路も拡大していかなければなりません。

→記事の続きは9月更新予定です♪

記事内でおすすめされている資材

(株)誠和。
「プロファインダークラウド」



商品詳細はこちら

今回取材させていただいたのは…

土生農園 土生真人(はぶ まさと)さん
陽気で茶目っ気のある土生さんは、その明るく気さくな性格から周囲のイチゴ農家からも信頼が厚い。取材中も笑い話が絶えず「農業が楽しくて、イチゴ作りに夢中なんです!」と目をキラキラ輝かせながら語る姿はまるで少年の様だ。
娘さんが農業を継ぎたいと思ってくれるように、女性農業者や若い人たちが“楽しく、働きやすい職場環境作り”を目指している。
●好きなもの:森永製菓のラムネ
コンビニにあると買い占めてしまうほど大のラムネ好き。

ライタープロフィール

【施設園芸.com編集部】








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