農業者年金制度を詳しく解説！加入のメリット・デメリットとは

公開日：2020.10.28

農業に従事する人の老後の備えとしておすすめなのが、農業者年金制度です。とても心強い制度なのですが、農業従事者に特化しているため、詳しい内容まで理解している人は多くありません。
そこで今回は、農業者年金の概要と、メリット・デメリットいついて解説していきます。

農業者年金とは？基本を解説！
農業者年金加入のメリット・デメリット
コツコツ積み立てるにはメリットの多い選択！

１.農業者年金とは？基本を解説！

ここでは農業者年金の基本を解説しています。加入のメリット・デメリットを理解するうえでも、大切になる部分です。

加入の条件

農業者年金への加入は、以下の３つの要件を満たしていることが必要です。

【加入条件】
①国民年金第1号被保険者（国民年金保険料納付免除者を除く）
②年間60日以上農業に従事
③60歳未満

これら3つの条件を満たしていれば、経営者はもとより、その配偶者、後継者などの家族従事者も加入できます。農業に従事する方の多くは国民年金に加入しているはずですので、これらの加入条件のハードルは低く、とても加入しやすい制度と言えるでしょう。

掛金はいくら？

農業者年金の月々の納付金額は、2万円から6万7千円までのあいだで、加入者が任意で決められるのが特徴です。
例えば、経営状況や家計に余裕のない時は掛金を抑えめにし、余裕のある時は掛金を増やす、といったことも可能です。

途中脱退も可能で、加入要件を満たしていれば再加入することも出来ます。加入者の状況に応じて対応のできる、とても柔軟性のある制度です。

いつまでもらえるの？

農業者年金は 65歳から生涯受け取ることのできる、終身型の年金制度です。
例えば、20歳男性が加入し、月々2万円の掛金を40年間払い続けた場合、掛金の合計は960万円となり、生涯受け取れる見込み額は1,628万円。約670万円も得をする計算になります。これは受給開始の65歳から、男性の平均年齢である86.5歳までの受給額を試算した結果ですので、長生きをすればそれだけ総受給額は増えていきます。
※もし受給者が80歳までに死亡した場合は、その遺族に死亡一時金が支払われます。

農業年金基金の公式サイトでは”受け取ることのできる金額のシミュレーション”が公開されていますので、気になる方はチェックしてみてください。

農業年金基金（公式サイト）

２.農業者年金加入のメリット・デメリット

農業者年金に加入するとどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。調べてみると農業者年金は多くの人におすすめできる、有益な制度であるということが見えてきました。

メリット 1.運用のリスクが少ない
2.税制面で有利
3.保険料が自由に決められる

農業年金の資金運用は、リスクの少ない国内債券を中心に運用されています。令和元年より過去18年間の平均利回りは年率2.55% と、堅実な内容になっています。
さらに税制面でも大きなメリットがあり、掛金は全額が社会保険料控除の対象となります。その分課税対象の所得が減るので、老後に備えながら現在の税金が安くなるということです。
保険料を任意で選択できるのも魅力のひとつで、所得が少ないうちは抑えめに、余裕が出てきたら掛金を増やす、ということが可能になります。

「若いうちからコツコツと積立て将来に備えたい！」という人にとってはこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。

デメリット 1.運用益の目標が自分で決められない

このデメリットはメリットの裏返しとも言えます。
農業者年金の運用は、農業者年金機構によって行われています。そのため自身の裁量で運用益を増減させることができません。さらに過去18年の平均利回りは年率2.55%と、堅実な伸びではありますが、短期的に大きな運用益を得らえるものではありません。

「資産運用で大きく収益をあげたい！」という人には不向きと言えるでしょう。

３.コツコツ積み立てるにはメリットの多い選択！

以上、農業者年金の基本とメリット・デメリットについて解説しました。

農業者年金は「できるだけリスクなく老後に備えたい！」という人にとって　コツコツ型の資産運用ができる”メリットの多い選択肢” と言えるでしょう。自然相手で不安要素が多いのが農業経営です。「備えあれば憂いなし」ぜひ加入を検討してみてはいかがでしょうか？