コラム

糖度計を使って作物の品質管理!農家へおすすめの商品と使い方

公開日:2022.04.01

果物や野菜の甘さを数値でわかりやすく示してくれる「糖度」。「高糖度イチゴ」や「高糖度トマト」など、糖度の高い商品に付加価値を付けて販売する農家も増えていて、今や農作物のブランディングに欠かせない指標となりつつあります。そこで今回は、糖度の計測に必要な「糖度計」に注目。「屈折計(屈折率計)」と「非破壊糖度計」と呼ばれる2種類の糖度計について、それぞれの仕組みや使用方法、おすすめの商品をご紹介します。

1.屈折計の原理と使い方

果物・野菜のすりおろしや搾り汁をサンプルとして用いる糖度計です。プリズムでできた測定部にサンプルを1~2滴のせて光を照射し、光の反射する角度(=屈折率)を測定します。屈折率はサンプルの濃度によって変化するので、測定値から液体の糖分濃度を算出することが可能です。「100gの液体の中に何gの糖分(ショ糖)が溶けているか」を表す「Brix(ブリックス)」という値が糖度として用いられています。

レンズを覗いて目盛を読み取るアナログ式と、結果が画面に表示されるデジタル式があり、どちらも使用前に蒸留水などで校正を行います。


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2.非破壊糖度計の原理と使い方

△提供:千代田電子工業株式会社



果物や野菜の表面に機器を当てるだけで測定できる糖度計です。糖分が光の特定の波長を吸収することを利用して、サンプルが吸収した波長と反射した波長を光センサーで解析してBrixを算出します。測定原理は異なりますが、屈折計で測定した糖度とほぼ同じ結果を得ることができます。

屈折計に比べると値段は高くなりますが、サンプルを切ったり搾ったりする必要がないので、測定の手間が省けます。出荷物の糖度を一つずつ調べてパッケージに記載したり、樹になった状態の作物の糖度を測定して収穫時期を見極めたりすることも可能です。

3. おすすめ糖度計5選

△提供:株式会社アタゴ



手持屈折計(株式会社佐藤計量器製作所)

最もスタンダードなタイプのアナログ式屈折計です。デジタル式に比べると目盛を読み取る手間がかかりますが、手頃な値段で導入しやすいのが魅力です。




デジタル屈折計(ハンナインスツルメンツ・ジャパン株式会社)

サンプルを滴下してボタンを押すと、約1.5秒で結果が表示されるデジタル式屈折計です。糖度の測定範囲が広いので、1台でさまざまな品目に対応することができます。防水機能も備わっていて農業現場での使用も安心です。初心者でも簡単に測定ができ、「画面が大きくて見やすい」と好評です。




ポータブル糖度計(京都電子工業株式会社)

わずか100gという軽さで、手軽に持ち運びができるデジタル式屈折計です。直射日光が当たらない場所であれば、圃場でも簡単に糖度を測定することができます。




PAL-光センサー(株式会社アタゴ)

非破壊糖度計としてはリーズナブルな値段と、ポケットに入れて持ち運べるコンパクトさが特徴です。測定する品目ごとに専用の型式があります。




おいし果(千代田電子工業株式会社)

1台で複数の品目に対応できる非破壊糖度計です。最上位モデルは、皮が厚くて測定が難しいとされるメロンや小玉スイカにも対応。タッチパネル式の大型画面がついていて、測定データを機器内に保存することも可能です。







糖度計は、特殊な技術や経験がなくても、誰でも簡単に糖度測定ができる便利なアイテムです。メーカーによっては購入前のお試しレンタルや、収穫時期だけの期間限定レンタルも可能なので、ぜひチェックしてみてください。


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▼参考文献
〇味をはかる糖度計, 「日本機械学会誌」114巻1117号, 2011
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmemag/114/1117/114_KJ00007695320/_pdf
〇近赤外分光法による果実糖度の測定, 「食糧-その科学と技術-」43巻, 2005
https://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/publications/pdf/sousetsu/kanko_sou43/p069.pdf
▼参考サイト
〇手持屈折計(株式会社佐藤計量器製作所)製品ページ
https://www.sksato.co.jp/categories/refractometers/
〇デジタル屈折計(ハンナ インスツルメンツ)製品ページ
https://hanna.co.jp/cat07.html
〇ポータブル糖度計(京都電子工業株式会社)製品ページ
https://www.kem.kyoto/products/refract/bx1/
〇PAL-光センサー(株式会社アタゴ)製品ページ
https://www.atago.net/japanese/new/products-hikari-top.php
〇おいし果(千代田電子工業株式会社)製品ページ
https://oishika.net/

ライタープロフィール

【にっく】
農業研究所の研究員として日本全国を飛び回ったり、アフリカ・東南アジアで農業技術普及プロジェクトに携わったり…国内外の農業に関わってきた経験を持つ農学博士です。圃場作業で汗を流すのが大好き。これまでの経験と知識を生かして、わかりやすい記事をお届けします!






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