コラム
公開日:2025.03.31
かつてのれんげ三大産地の一つである岡山県鏡野町で、約70年ミツバチ産品をつくり続ける山田養蜂場様。「ミツバチの役割、自然と共存する姿を知ってほしい」との想いから、観光農園「山田みつばち農園」を運営しています。こちらの農園では、冬から春にかけて化学農薬を使用せずに育てた数種類のイチゴの摘み取りを楽しむことができ、連日多くのお客様で賑わっています。
今回は、安定生産が重要な課題となる観光農園でのイチゴの栽培管理について、栽培担当の笹井さんにお聞きしました。
はちみつやローヤルゼリーで有名な山田養蜂場様がイチゴ観光農園を始めてから、今年で18年目となります。
栽培面積は30aからスタートしましたが、開園直後より多くの来園があったため、2年後には50aへ拡大されました。現在は『かおり野』『おいCベリー』『紅ほっぺ』を栽培し、『みつばちイチゴ』の名前でブランド化されています。
イチゴは農薬を使わずに育てることが非常に難しいのですが、「お客様が食べるものだから…」と、イチゴ狩りの期間は化学農薬を使いません。
栽培へのこだわりと努力の結果、美味しいイチゴが栽培でき、人気の観光農園となった山田みつばち農園様。イチゴ狩りシーズンの土日には、300人ほどのお客様が訪れることもあるそうです。
「いつでもお客様に楽しんでもらえるように、安心安全で安定した量のイチゴを生産する。」という立ち上げ時から変わらない信念のもと、農園の運営に取り組まれています。
笹井さん:「ゼロアグリ」導入前はタイマー潅水で管理していました。ECは計測していましたが、シーズンを通して細かく数値を変えたり、雨の日に設定を変えることは出来ていませんでした。水と肥料の量をどうすべきか分からなかったので、味が抜けることも多かったです。
また、病気や虫の発生が多く、主担当だった私が栽培管理を離れた年には不作になってしまいました。
潅水管理が可視化されていなかったため、現状を分析することが出来ず、データを残す仕組みの重要性を感じました。それが「ゼロアグリ」の導入につながりました。
笹井さん:導入後は株が変わり、葉の勢いが良くなりました。導入して1年目には最高の出来になり、収量も例年の平均と比較して上がりました。
何より、イチゴの味が安定するようになったのが一番の効果だと思います。特に『かおり野』は比較的味が薄い品種ですが、「すごく美味しい!」とお客様からも好評です。味を良くするには、最適な液肥管理が重要だということを実感しています。
笹井さん:導入前は失敗しても「どうすべきか」が分からない手探りの栽培でしたが、導入後は「どうすべきか」がある程度目に見えた状態で自動で潅水施肥が実行されて、記録が残るのがよいです。
株あたりの供給量のデータが記録されていくので、1株あたり、いつ、どのくらい水や液肥が供給されているのかを把握できるようになりました。
私以外のもう一人の栽培管理者と、「ゼロアグリ」の管理画面を見ながら話をすることで情報共有もしやすくなりました。
笹井さん:HPを見て問い合わせをしたら、すぐに電話がかかってきたので驚きました。対応の早さに「ここなら安心できる!」と思い、導入を決めました。
潅水設定のステップが進んだり、施肥管理の制御モードを変えるタイミングで毎回レクチャーを受け、データの見方なども教えてもらっています。
潅水のオート供給を使う際には自分で設定した目標の土壌水分値が正しいのか不安でしたが、目標水分の考え方や、目標土壌水分値の上げ下げの操作方法をサポートしてもらえたので、安心して使うことができました。
笹井さん: 環境管理を自動化してもっとイチゴの栽培管理に時間を使えるようにしたいです。
現在ハウス内の環境管理はほぼ手動で行っているため、今後は「ゼロアグリPlus」での自動制御も考えています。まずは側窓を自動化したいですね。
また、イチゴがどれだけ肥料を吸っているか確認したいので、廃液管理にもチャレンジしてみたいです。
とことんイチゴの味にこだわって「いつ来ても、みつばち農園のイチゴはおいしいね」と言ってもらえる農園にしたいと思っています。 もっと多くのお客様に来ていただけるように収量も伸ばしていきたいですね。
以上、山田みつばち農園様の取り組みについて取材しました!
園内のカフェでは、いちごスムージーや自然100%いちごジュースなど、新鮮なイチゴのスイーツをいただくことができます。中でも笹井さんのオススメは、高さ約25cm×直径約20cmの超巨大パフェ!!新鮮なイチゴが贅沢に使われており、インパクト大の絶品パフェです。(※要予約)
イチゴ観光農園やカフェの他にも、はちみつの生搾り体験や動物広場など、楽しそうな体験がたくさんできそうです。
みなさんもぜひ遊びにいってみてくださいね!
面積:50a
人員:笹井さん+栽培管理1名+アルバイト2名+補助3名
栽培株数:26,000株
※「ゼロアグリ」での制御は20,000株(10連棟のハウスを5系統に分けて制御)
収量:推定10t
品種:かおり野、おいCベリー、紅ほっぺ
ブランド名:みつばちイチゴ
今回取材させていただいたのは…
山田みつばち農園 笹井様
観光農園の立ち上げ時から栽培を担当。農業大学校では野菜コースを専攻されていたこともあり、もともと農業のイメージはできていたとのこと。栽培管理の他に、観光農園の受け入れ人数の管理も担われています。
取材時には、「お客様の来園時にいちご狩りの説明をしますが、みつばちが受粉してイチゴができるというみつばちと自然との関係をお伝えし、イチゴ狩りを楽しんでいただくことにやりがいを感じています。」と語っておられました。
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ライタープロフィール
【クボタ 施設園芸】
株式会社クボタの施設園芸担当です。
クボタといえば田植機、トラクター、コンバインをイメージされると思いますが、施設園芸にも取り組んでいます!
製品を通して皆様のお悩みを解決できればと考えておりますので、気になる方はお気軽にご相談くださいね♪