コラム

野菜作りで重要な光合成とは?3分でわかる植物が成長する仕組み

2018.11.09

1.施設栽培では光合成を意識しないと損!

植物は動物と同様に呼吸をしていますが、光合成によって自分で成長に必要な栄養を作り出すことができます。植物を栽培する上で土づくりや施肥、病害虫対策に細心の注意を払っていたとしても、光合成について意識をしていないなら施設栽培ではとても損をしていますよ。
露地栽培では人為的に光合成を高めるような条件にすることは難しいですが、環境のコントロールが可能な施設栽培では比較的容易に行えます。光合成は中学生でも知っていますが、実際の現場に応用できるように理解することが大切です。

そこでここからは光合成によって植物が成長する仕組みを簡単に解説し、実際に現場でどのように活かすことができるかをお伝えしたいと思います。

2.丸暗記?応用の効かない光合成の知識

光合成に必要なものは光と二酸化炭素と水です。太陽などからの光、空気中の二酸化炭素、根から吸った水からデンプンなどの栄養と酸素を作ります。デンプンなどの光合成産物は主により上部の葉や花、果実に移動し、植物体の成長や果実の肥大などに使われます。またこの栄養をエネルギー源に窒素など根から吸収した養分を元に成長に必要なたんぱく質や脂肪も作られます。

ちなみに広い意味の光合成は光合成細菌が行うような酸素の発生しないような光合成も含みますが、今回は緑色植物が行う狭い意味の光合成で十分です。

3.光合成の理解を深め栽培現場に活かそう

沢山光合成が行われた方が植物の成長は良くなりますが、光合成は主に光の強さ(明るさ)、二酸化炭素濃度、温度に影響されます。ある程度までは光が強い程、二酸化炭素濃度が大きい程、温度が高い程光合成は盛んに行われます。
昼間のように光が十分強く、気温も高い時には光合成の速度は二酸化炭素濃度がボトルネックになります。そこで登場するのが二酸化炭素施肥という手法です。


施肥といってもドライアイスのような固体を撒くのではなく、施設内で専用の装置で燃料を燃やして二酸化炭素を供給します。ハウス内の二酸化炭素濃度を連続して測定し、日中の光合成速度の増大に合わせて施設内の二酸化炭素濃度が施設外の外気の濃度を下回らない様に施肥すると効果的です。目安として濃度が400ppmを下回らないように管理します。同時に温度も測定して、温室効果によって施設内の温度が上昇しすぎて植物がダメージを受けないように気を付けて下さいね。

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誰もが知っているような光合成ですが、栽培と結び付けて考えると中々奥深いものがあります。植物にとって光合成をしやすい栽培環境になっているかという点を意識して、収量アップを目指しましょう。




▼参考文献
・全農、営農・技術センター、生産資材研究室「施設園芸における二酸化炭素施用の有効性」、グリーンレポートNo.568、2016.10月号



ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。