コラム

ハウスで水菜栽培!種まきから収穫の時期と育て方

公開日:2021.04.01

瑞々しくシャキシャキとした食感が特徴の水菜。別名を京菜(キョウナ)とも言い、京都原産の京野菜として古くから親しまれてきました。プランターで栽培できるため、庭やベランダでの家庭菜園にも向いています。本格的に栽培するためには露地での栽培が一般的ですが、ハウスで栽培すると、管理もしやすく収穫量や品質も安定します。
今回は、ハウスで水菜を栽培する方法、種まきから収穫までの基本的な手順とコツをご紹介します!

1.水菜の栽培準備

水菜に適した栽培時期は?

地域や品種によっても異なりますが、本来冬の野菜として有名な水菜は夏から秋にかけて種を蒔き、冬場に収穫するのが一般的です。
しかし、温室やビニールハウスで栽培することで周年栽培が可能となります。とくに最近では短いサイクルで収穫ができる 小株採りに適した早生品種の栽培がメジャーになっています。




水菜栽培に適した土壌は?

水菜栽培は土壌の水分調整が大切です。栽培初期は土壌の水分が不足しないよう十分なかん水を心がけます。一方で、栽培後期には土壌の水分過多が病気の原因となってしまいます。
排水性や通気性、適度な保水性をもった土が理想的です。畝の高さを調整するなど土壌の水分量に注意しましょう。 また、土壌pHは6.0〜6.5が適正とされています。栽培の前には、土壌診断を行い、pHを計測するようにしましょう。



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2.水菜栽培~種まきから収穫まで~

種まき


条間15cm、株間6cmを目安に播種していきます。播種に当たって土を深さ1cmほどに掘り5mmほど覆土します。栽培初期は乾燥に注意し、たっぷりとかん水を行います。また、ハウス内温度は20度〜25度が適正で2〜3日で発芽します。

間引き


発芽し、本葉が2〜3枚になってきたら1回目の間引きを行います。株間が2〜3cmとなるように行ってください。その後も、本葉が増えるに従い間引きを行っていきます。 早生品種の場合、株間が15cm〜20cmほどになるよう間引いていきましょう。

かん水


午前中の早い時間にかん水を行います。前述した通り、栽培初期にはたっぷりとかん水を行い水菜が乾燥しないよう注意してください。栽培後期には、加湿が病気を引き起こす原因となるため、土壌の排水性には十分に注意します。特にハウス内が高温多湿となると軟腐病の原因となります。

収穫


種まきから約40日で収穫となります。
小株採りの場合、草丈15cm〜25cmほど
中株採りの場合、草丈20cm〜30cmほど
大株採りの場合30cm〜40cmほど
・・・以上の大きさを収穫するようにします。

小株の水菜はサラダなどの生食に、大株の水菜は鍋物などがおすすめです!

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3.水菜栽培2つのポイント

ポイント1:様々な害虫に注意

水菜はヨトウムシやハムシ、アオムシ、コナガ、ハダニ、コナジラミといった様々な害虫に狙われます。とくに アブラムシの被害には注意が必要です。アブラムシによる生育の阻害や「モザイク病」の媒介、排泄物からなる「すす病」の発症などが知られています。ハウス内に害虫が入り込まないように防虫ネット、シルバーマルチを使用するなど、予防と対処が必要です。




ポイント2:夏場の高温に注意

水菜は冬場の耐寒性のほか、夏の暑さにも一定程度の強さがあります。 しかし、本来冬の野菜である水菜は、冷涼な気候を好むため、 気温が25度を超えると軟弱徒長してしまう恐れがあります。また、高温多湿は病気の発生にもつながるため夏場のハウス内の温度管理は気をつける必要があります。




ハウス栽培することによって年間を通して収穫することができる水菜。サラダや鍋料理などいろいろな料理に使える人気の野菜です。ハウスで水菜栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。




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▼参考サイト
〇サカタのタネ,園芸通信
https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/vegetable/post_25.html
〇AGRI PICK
https://agripick.com/1599

ライタープロフィール

【本澤貴史】
北海道の農業系大学出身のフリーライター。
大学では主に作物栽培を専攻し、広大な土地で露地栽培や施設栽培を学んでいました。 普段は、北海道の地域情報や食にまつわる記事の執筆をしています。 農業をされている方に少しでも興味を持っていただける情報を目指し発信していきます!









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