コラム

軟腐病は発病前に防ぐ!発生原因と効果的な予防法

公開日:2020.09.08

1.あぁ無情、腐り悪臭漂う軟腐病

軟腐病(なんぷびょう)は白菜やネギ、トマト、じゃがいも、大根など様々な野菜に発生する病気です。軟腐病に罹った植物は 腐って軟化し、悪臭 がします。酷くなると 株全体がしおれて枯死 することもあります。

軟腐病にかかったらどうしたらよいのでしょうか? 残念ながら今のところ 蔓延後に高い治療効果の望める農薬はありません。 病原菌の特徴を理解し、徹底した対策によって発生を防ぐことが重要です。 そこでここからは、軟腐病の発生原因や効果的な予防方法について紹介していきたいと思います。

2.軟腐病の発生原因とは

軟腐病は 細菌が原因の病気 です。高温多湿で多発し被害も大きくなる傾向があります。
病原菌は普段は土壌中に潜んでおり罹患作物が植えられるとその根の周りなどで増殖します。増えた病原菌が害虫の食害跡や風雨による傷、気孔などから侵入することで発病します。特に傷口から感染しやすいので、害虫の中でも キスジノミハムシやヨトウムシ には注意が必要です。また管理作業などで 発病株に触れた後に健全株に触れる ことも感染を広げる原因となります。

似た症状の病気に「褐色斑点病」や「葉先枯れ病」があります。間違えないように気をつけましょう。


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3.予防が肝心!5つ徹底対策

1. 連作を避ける

連作は病原菌を増やすので避けましょう。病原菌は土壌中で3年は生存する といわれています。輪作には イネ科やマメ科など 軟腐病に罹らない作物を選びましょう。

2. 発病株の抜き取り処分

発病後の治療は難しいので、発病株は見つけ次第抜き取り、ほ場外で焼却処分 しましょう。

3. 食害昆虫の防除

アオムシ・ヨトウムシやキスジノミノハムシなど植物体を傷つける害虫の防除 に努めます。これらの害虫に登録のある農薬を定期的に散布しましょう。傷口からの感染を避けるためには移植や摘心などの管理作業に気を付けることも重要です。

4. 適切な施肥管理

窒素肥料を多用すると植物体は軟弱で傷つきやすくなります。 適切な施肥管理を心がけましょう。 また、ネギの追肥に石灰窒素を用いる場合は時期によって 発生抑制(夏の終わり頃)と発生助長(盛夏期)のどちらにもなる ことに注意が必要です。

5. 農薬の予防散布

発生後の治療は難しいため予防散布が重要です。銅剤(コサイドⓇ3000、Zボルドーなど)微生物防除剤(バイオキーパーⓇ、マスタピースⓇ水和剤など) のような予防効果のある農薬を散布しましょう。植物の病害抵抗性を高める オリゼメートⓇ粒剤 の使用も予防に効果的です。

予防効果に加え、発生初期ならば治療効果を期待できる薬剤もあります。
抗生物質剤、合成抗菌剤、抗生物質+銅剤 を必要に応じて散布しましょう。抗生物質+銅剤は作用の異なる2種類以上の成分が含まれているので安定した防除効果が期待でき便利です。

軟腐病は発生後に治療することは困難なため徹底した予防対策を行って発生を防ぎましょう。 病原菌自体に対する農薬の予防散布はもちろん、傷口からの感染対策として害虫防除にも万全を期することが大切です。




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▼参考サイト
〇軟腐病,(株)武蔵野種苗園
http://www.musaseed.co.jp/disease/%E8%BB%9F%E8%85%90%E7%97%85/
〇病害虫情報 軟腐病(野菜共通),あいち病害虫情報
https://www.pref.aichi.jp/site/byogaichu/yasai-nannpu.html
〇軟腐病,一般社団法人日本植物防疫協会
http://www.jppn.ne.jp/fukuoka/boujyo/kaboku/5106.htm
〇技術情報Q&A (6)作物別施用法(野菜類) Q-6-4-20 ネギに対する石灰窒素の施用法を教えて下さい。,日本石灰窒素工業会
http://www.cacn.jp/technology/qa/q6_4_20.html
〇軟腐病,ホクサン株式会社
https://hokusan-kk.jp/tips/pdf/disease/116.pdf
〇オリゼメートによる野菜の病害防除,Meiji Seika ファルマ株式会社
https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/oryze/prevention/

ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。



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