コラム
公開日:2021.09.09
作物を育てるためには播種から収穫の間にさまざまな作業がありますが、肥料の散布や農薬散布による防除も重要な作業の一つです。品質が高い作物をより多く収穫するためには、農薬の散布は欠かせません。しかし、栽培面積が広くなるほど大変な労力がかかります。そこで活躍するのが農薬散布機です。今回は、おすすめの農薬散布機6選をご紹介します。
農薬散布機(噴霧器)には、散布方法が地上散布かヘリやドローンを使った航空散布、農薬の剤型が液剤か粒剤、作業形態が歩行用か乗用、散布する場所が屋外か施設内かなど、さまざまな種類があります。その中から代表的なものを紹介します。
薬液が入ったタンクを、リュックサックのように背負うタイプの散布機です。手動のものや電動のものがあります。
セット台にエンジンやモーターと高圧ポンプなどの機械が搭載されたタイプです。背負い式に比べてタンクの大きさも圧力も高く広範囲に散布できるため、小規模から中規模の農地でよく使用されています。トラックの荷台に乗せて運び、長いホースに噴霧ノズルを取り付けて散布するのが一般的です。
セット式動力噴霧器の一種で、タイヤ付きの台の上にセット式動力噴霧器が乗っています。エンジンの始動や停止、ホースの巻き取りなどを離れたところから操作できます。
車タイプの農薬散布機です。運転席の後ろ側がタンクになっていて、後部のファンから散布されます。車が入る広さが必要なため広い果樹園などで使用されます。
トラクターに搭載して、広い圃場の消毒や除草剤散布などを行う機械です。細かな霧状に散布できるためキャベツやレタス、大豆、麦などの広大な畑で使用されます。
農薬散布機を選ぶ際には、使用する圃場や施設の広さと予算で選びましょう。
農薬散布機を選ぶ際には、液剤や粒剤がどのくらい入るか容量がポイントとなります。使用する圃場や施設の広さに合わせたものを選びましょう。また、水稲、野菜、果樹など栽培する作物によっても適している圧力や水量が違います。
さらに、広範囲に散布するか畝間など狭い場所に散布するかによって噴口が異なるため、オプションが取り付け可能かどうかも重要です。
自走式や乗用式のものは、農薬散布の労力を減らし作業効率を大幅に改善できます。一方で価格は高くなるので、予算に合わせて選ぶことが大切です。
背負い式動力噴霧器ですが、幅広のバンドと背当てがついていて、長時間作業しても疲れにくい構造になっています。18Vリチウムイオンバッテリーを使用するため、他の器具にバッテリーを使いまわすことができ経済的です。
120年の歴史を持つ老舗メーカー丸山製作所のエンジンセット動力噴霧器。軽くて錆びにくいアルミフレームを採用しています。コンパクトなので移動や収納に優れています。給水量は毎分20リットルです。
ラジコンは2chでホース巻き取りとエンジン停止が操作可能。ホースを引っ張ると自動で送り出す「サポートシステム」が搭載されています。また連続してホースを送り出すことも可能です。
スイッチを押すだけで完全無人で防除ができる常温煙霧機です。薬液を微粒子化して散布するので薬斑の心配が減り、またハウス内の湿度が上がらないので天候を気にせず防除作業ができます。
レール上を走行して無人散布を行う、ホースけん引式の機械です。静電ノズルを採用しているので、薬液が付着しやすく、背の高い作物にも対応できます。本体が軽量かつコンパクトなので、女性の方も簡単に使うことが出来ます。
作物の間を無人で自走しながら防除する農薬散布機です。磁気センサーで自動的にホースを巻き取りながら後進するので、常に人が操作せずに薬剤を散布できます。ハウスに合わせて様々な仕様があります。
静電気の働きを応用しているので散布した液体が葉の裏まで付着しやすく、農薬の使用量を節約できます。ノズル数や散布モードを選べるので平面栽培も立体栽培も対応でき、作物の生育に合わせて散布出来ます。
農薬による防除や消毒を人の手だけでやるのは大変な労力と時間が必要です。作業効率をアップさせるには農薬散布機が必要です。農薬散布機には、ご紹介したように散布機にはさまざまな種類があるので、使用する場所や広さ、栽培する作物の種類、予算などに合わせて選ぶようにしましょう。
▼参考サイト
○噴霧機の選び方、農機具のプロが教えます。 ,農機具専門店 agriz
https://www.agriz.net/sprayer_lp/index.html
○1.我が国における主な農薬散布機 | 水稲作における農薬と散布機の現状と展望 | 散布技術の進化とオリゼメート ,オリゼゲート
https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/oryze/dispersal/outlook2.html
○防除機とは? 動噴・噴霧器・トラクター・ドローンなど、害虫駆除や除草に使える農機具を解説 ,マイナビ農業
https://agri.mynavi.jp/2021_04_07_153350/
○トラクター用除草剤散布装置:農林業機械 ,株式会社丸山製作所
http://www.maruyama.co.jp/products/15/index.html
○充電式噴霧器 MUS155DSH_MUS156DRF ,株式会社マキタ
https://www.makita.co.jp/product/li_ion/mus155d_mus156d/mus155d_mus156d.html
○丸山製作所 エンジンセット動噴 MS315EA-1 丸山製作所 ,アグリズ
https://www.agriz.net/fs/nouki/mym-ms315ea1
ライタープロフィール
【都良TORA(田口 忠臣)】
北海道在住のフリーライター。
6次産業化やグリーンツーリズム、農産加工品開発のコンサルティング・ブランディングを行う仕事をしていたことから、その知識を活かして食や観光・農業に関する記事を書いています。
保有資格:北海道観光マスター、食生活アドバイザー、日本酒ナビゲーターなど