コラム

アブラムシに効く!最もおすすめの農薬とは?

公開日:2018.05.24

1.アブラムシの特徴

アブラムシは体長3mm前後のカメムシの仲間です。春と秋の暖かく、雨の少ない時期に集団発生します。野菜の葉や果実に害を及ぼす吸汁性害虫であり、アブラムシの出す多量の排泄物が「すす病」の発生原因になることもあります。

加えて、病気の植物を吸汁すると、病原となるウイルスを体内に取り込み、移動先の健康な植物を吸汁する際にウイルスを媒介してしまいます。

またアブラムシには、ナス科やウリ科など多くの植物に発生するモモアカアブラムシ、トウモロコシに発生するトウモロコシアブラムシ、ソラマメなどのマメ科に発生するマメアブラムシなど、植物によって様々な種類が発生します。
そのため、効果のある農薬を適切に使用し、確実に対策・駆除していく必要があります。

2.農薬を使わない対策

シルバーマルチの活用

農薬を使わない安全な予防方法としてはシルバーのマルチを張り、日光を反射させることで集団飛来を抑制する方法があります。

翅のついたアブラムシは、光の当たる方向に向けて飛ぶと言われています。この習性を利用し、シルバーマルチで光を反射させ感覚を分からなくさせます。アブラムシ飛来前の防除のため、低コストで効果的な予防方法です。





テントウムシの導入

テントウムシは幼虫の時点で1日20匹程度、成虫になると100匹程度、アブラムシを捕食するとされています。すぐに飛び立ってしまうイメージがありますが、生物農薬用として飛ばないテントウムシが開発されており、通販でも気軽に購入することが出来ます。





木酢液の散布

木酢液は、炭を焼く際に発生する煙を冷やし液体にしたもので、これを植物にスプレーなどで吹きかけ、忌避剤として使います。また、アブラムシの他にセンチュウや小動物の忌避に効くとされています。
天然物由来の殺虫剤としてデンプン液剤の粘着くん液剤なども効果があります。




  • ▼テントウムシを活用したアブラムシの駆除方法はこちら


  • ▼その他、無農薬でも安心の駆除方法はこちら

3.おすすめ農薬3選

1.モスピラン®

モスピラン®は作用機序がこれまでの農薬と異なるため、抵抗性の発達し農薬が効かないといった困ったアブラムシにも有効です。
最大の特徴として、ミツバチやマルハナバチに対して影響が少ないということがあげられます。花粉交配用のミツバチを使用するイチゴやきゅうりの栽培農家、マルハナバチを使用するトマト栽培農家の方にも利用しやすい農薬です。(ただし、イチゴの高設栽培に関して、モスピラン®粒剤は作物残留試験を実施していないため使用不可となっています。)



2.オルトラン®

浸透移行性殺虫剤であるオルトラン®は効果の持続期間が長く、予防的効果も高いのが特徴です。アブラムシ以外のヨコバイなどの吸汁性害虫、ヨトウムシなどの食害性害虫にも幅広く効果があります。
ミツバチに影響があるため花粉交配用のミツバチを使用される方は利用し辛いと言えます。




3.スミチオン®

スミチオン®は40年近く販売されている農薬です。アブラムシだけでなく、幅広い種類の害虫に効果があります。
ただし、アブラナ科には薬害が出るため白菜や大根等のアブラナ科野菜の栽培を行っている場合は使用できません。また、オルトラン®と同様にミツバチに影響がありますので注意が必要です。



【参考】グリーンジャパンwebサイト



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ライタープロフィール

【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。








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