コラム
公開日:2018.03.07
トラクターは土を耕す時期にしか使用しないため、1年のほとんどが倉庫で眠っている状態。久しぶりに使おうと思った時に、不具合があると困りますね。もちろんトラクターは定期点検が必要ですし、故障時にはメーカーへ依頼するのが1番良いです。しかし、自分でも最低限のメンテナンスを行うことでトラクターを長く大切に使うことができます。
そこで、自分でも簡単にできるメンテナンスの方法をご紹介します。
※頻度は目安です。トラクターによって異なりますので取扱説明書を参照してください。
トラクターを始め自動車などの機械は潤滑(じゅんかつ)させることで性能を発揮し、耐久できるように作られています。トラクターはグリスを使って潤滑させます。※潤滑油とグリスは別物です。グリスには増ちょう剤や添加剤が含まれていることもあり、使用方法も使用箇所も異なるため注意しましょう。
グリスは摩擦を抑えて、焼き付きを防ぐ効果があります。摩擦が大きくなると部位の滑りが悪くなり機械の故障につながります。
グリスニップル(給油箇所)にグリスガンを使って、ペダル、センターピン、ユニバーサルユニット、ロータリーなど駆動部分に注油します。※グリスがとても熱くなっています。保護メガネ、保護手袋を着用し体に触れないようにしてください。また、グリスは成分によって種類があるため、異なる成分のグリスを混ぜないようにしましょう。
グリスガンとジャバラチューブタイプのグリスと組み合わせます。ジャバラチューブタイプはゴミや埃が混入しにくいところがメリットです。(その他、ストレートノズル、ホースノズル、グリスニップル交換用、グリスニップル清掃用ブラシが必要です。)
●参考費用:グリスガン1,000~2,000円程度/グリスジャバラチューブ80g250円程度
ラジエーターが故障すると高額な費用がかかります。
ラジエーターのスクリーンを清掃しましょう。
まず、スクリーンは簡単に取り外すことができるので、取り外して振動を与えて軽くゴミを落とすか、エアーコンプレッサーで払い落とします。※この時ブラシなどで擦ってしまうと錆びの原因となるので注意が必要です。
次にスクリーンの下にもゴミが蓄積しているので、エアーコンプレッサーでゴミを払い落とします。
※清掃に水を使うことはあまりおすすめしません。もし使用する場合には、濡れたまま格納すると錆びてしまうので完全に乾かしてから戻しましょう。ラジエーター内に錆びが広がってしまうとメッシュやタンクに穴が空いたり、故障の原因になります。スクリーンに防錆処理をするのもよいですね。
●参考費用:防錆剤スプレー300~1,000円程度
冷却水(LLC)は年に1度の交換が推奨されています。冷却水にも使用期限があり、古くなると防錆効果が薄れて錆びが発生しやすくなるのです。また、オーバーヒートの原因となりエンジンの故障につながります。
まず、排水バルブを開けてタンクの水を全て抜き内部を洗浄します。※ラジエーターキャップを開けておくと早く排水ができます。また、冷却水は基本的に緑色の液体ですが、錆びで茶色くなったり水垢などがでて、あまりにも汚水が出る場合には洗浄剤を使うとよいです。※冷却水は産業廃棄物です。行政の指示に従って処分してください。
内部を洗浄するにはラジエーター一杯に水を入れてエンジンをかけ30分程度待ちます。そしてまた水を排水します。※排水時は熱湯になっているので注意が必要です。
ある程度水が透明になるまで行い、きれいになったら冷却水(クーラント+水)を入れて終了です。このとき、冷却水がラジエーター内部を循環するようにアイドリング運転をしてしっかりクーラントと水が混ざるようにします。
※使用前の点検時、冷却水が上限より少なくなっていたら清水を補充してください。
●費用:冷却水(LLC)2リットル1,000程度
使用後にはバッテリーを充電してから保管してください。このとき、バッテリー液が規定量に達しているか確認しましょう。また、バッテリーはあまり安価なものを購入するとすぐに壊れてしまうこともあります。農機具専用のバッテリーを購入するようにしましょう
※長期間格納する際はマイナス端子を外しておきましょう。
エンジンのオイルは使用していなくても古くなっていくため、年に1回程度、トラクター使用前のメンテナンス時に交換しましょう。
エンジンオイルを交換する際は必ずエンジンを止めて、十分冷えてから行いましょう。※オイルを排出する際は必ず廃油処理パックを使いましょう
規定量にそって新しいオイルを注油しましょう。※規定量が不明な場合にはオイルゲージを使ってエンジンオイルの量を確認しながら注油します。
排出したエンジンオイルは最寄りのトラクターメーカーや整備工場などで引き取ってもらうことができるので問い合わせてみてください。(有料引き取りの場合もあります)
●参考費用:廃油処理パック200~500円程度
本体は車体の下、タイヤの内側、座席・足元周り、ロータリーを重点的に高圧洗浄機で泥土を水洗いします。高圧洗浄機をお持ちでない方はホースで水をかけ、ブラシで洗います。仕上げに乾いた布で水を拭き取りましょう。
※電装品、キャビンには水をかけないように注意しましょう。故障の原因になります。
ベルトの伸び、ひび割れ、亀裂、摩擦によりオーバーヒートを起こす原因となります。
定期的に点検をしましょう。
※摩擦程度はトラクターによって異なります。基準以下の場合は交換してください。
●参考費用:泥落とし専用具1,500円程度
※記事について
【参考費用:Yahoo!JAPANショッピング】
【参照:日本キャタピラー、農業機械メンテナンスナビ、農業機械の簡単メンテナンス、JAおおいた公式HP】