コラム
公開日:2019.03.28
社会の情報化が進むにつれ農業分野でも今後ますますIT化が進むことが予想されます。
農水省のホームページでは、ロボット技術やICTを活用した超省力・高品質生産を実現する新たな農業技術として、「スマート技術カタログ」が公開・日々更新されています。
経験&人力のアナログ農業を極めるのでない限りデジタル化の波に乗り遅れることは経営発展を望むうえで避けたいところです。しかし日々の農作業が忙しかったり予算の問題であったりと、すぐに最先端テクノロジーを取り入れることは中々難しいものです。
そこで紹介したいのがスマホで気軽に利用できる無料の農業アプリです。今回は第1弾に引き続き、現場で役立つ5つの無料スマホアプリを紹介したいと思います。
―農薬の希釈計算を自動で行ってくれるアプリ
(iPhone/Android対応無料アプリ)
計算にはあまり自信が無い、毎回の希釈計算が面倒という人におすすめのアプリです。使い方はたったの2ステップで、まず農薬ラベルに記載されている希釈倍数を入力します。次に以下の4ケースから農薬使用ケースを選択し、○の数値を入力すると自動で計算結果が得られます。
1. 面積(○反の面積に散布するのに必要な薬量と水量は?)
2. 散布液量(○リットルのタンクを満タンにして散布するのに必要な薬量と水量は?)
3. 使用薬量(○gの薬剤を散布するのに必要な水量は?)
4. 早見表(希釈倍率○倍で固定した時に必要な薬量と散布液量は?)
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―音声入力で簡単に栽培記録をつけられるアプリ
(iPhone/Android対応無料アプリ、要ユーザー登録)
音声入力で農作業記録をつけられるので音声でパパッと記録したい人や、スマホのキーボード操作が苦手な人におすすめのアプリです。スマホで撮影した画像を記録に残すことや、入力内容を後からパソコンで閲覧・編集することもできます。
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―単なる記録だけではなく経営改善にも役立つ農業日誌アプリ
(iPhone/Android対応無料アプリ)
作業内容をその場で記録できることはもちろん、記録した内容をアプリが集計してグラフ化してくれる経営支援機能を併せ持つアプリです。グラフで作物やほ場ごとの作業時間、経費などを見える化できると経営の無駄が見つかり易くなります。有料版では農薬使用記録から提出書類として利用できるレポートの作成なども行ってくれますよ。
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―月齢と月齢に応じた農作業のカレンダー表示アプリ
(既存カレンダー機能対応 無料アプリ)
月齢と月齢毎にふさわしい農作業を、スマホやパソコン、iPadなどで使っているカレンダーに追加で表示してくれます。月齢を意識して農作業を行いたい人におすすめのアプリです。
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―水稲栽培で防除対象の雑草を簡単に検索できる図鑑アプリ
(iPhone/Android対応無料アプリ)
気になる雑草をその場で簡単に調べられる便利なアプリです。検索方法は2通りで、検索ボックスに雑草名や葉の特徴などを自由入力するキーワード検索と雑草の葉の形状と科名から絞り込んでいくカテゴリー検索があります。検索結果の画像リストから目的の雑草を選ぶと、雑草の画像や雑草名、生態、被害などの詳細を知ることができます。
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農業分野も今後どんどんIT化が進むことが予想されます。今回紹介したアプリはどれも無料なので、時代の波に乗り遅れないよう試しに一度使ってみてはいかがでしょう。作業効率の向上など目からウロコの発見があるかもしれませんよ。
▼参照サイト
・雑草検索くん(https://cropscience.bayer.jp/ja/home/news_detail/news_detail114.php)
・農薬希釈くん(https://harmony.bayer.jp/static/harmony_pdf/harmony_90.pdf)
・畑らく日記(http://www.hata-nikki.jp/)
・Agrion農業日誌(https://www.agri-on.com/diary)
・月齢 農作業適期カレンダー(http://fdeq.com/calendar/)
ライタープロフィール
【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。