コラム
公開日:2021.06.22
農業女子といえば、ブログやインスタグラムなどのメディアで積極的に発信活動を行う、輝く女性農家さんが思い起こされます。農業女子は、農水省企画の「農業女子プロジェクト」の始動により、その名が広く知られるようになりました。
今回は、農業女子プロジェクトではどんな活動が行われているのかを中心に、企業との取り組み事例やプロジェクトへの参加方法などをご紹介していきます。
農業女子プロジェクトは2013年に設立され、現在では全国に800名を超える女性農業者がメンバーとして活動しています。企業や教育機関と連携し経験と知恵を活かした商品やサービスの開発、情報発信を行うことで女性農業者の存在感を高め、経営力の発展を促すことで女性農業者の増加を図ることを目的としています。
取り組み内容は以下の通りです。
企業と農業女子メンバーの共同で農作業着などの開発を行い、女性農業者の活躍を発信していく取り組みです。モンベルやしまむらなどファッション関連の企業から、井関農機やダイハツなど様々な企業との商品開発を行っています。
高校や大学など教育機関と連携し、農業に興味を持つ学生との出会いや意識向上を目的とした取り組みです。東京農業大学や近畿大学の卒業生メンバーによる母校での講演や、農場へのインターンシップ受け入れなど、未来の農業女子を育てる活動を行っています。
「農業者の私たちにできる5つのこと」をテーマにしたメンバーのSDGs活動を発信しています。子ども食堂や循環型農業の推進など、持続可能な社会を実現するための取り組みを多数行っています。
メンバーの関心の高いテーマについて自主的に勉強会などを実施しています。
農業女子プロジェクトでは、企業プロジェクトの一貫として多岐にわたった商品の開発を行っています。
どの商品も女性視点で開発されているため、おしゃれでかわいいだけでなく、日焼け対策が施された物や、力の弱い女性でも扱える軽い農具、操作方法が簡単な農業機械など、機能面においても魅力的な物ばかりです。
また、企業プロジェクトでは農作業グッズ以外にも子供向け農作業体験の実施や、ラクマにてメンバーが作った野菜や加工品の販売も行っています。
Lacuno ~らくらくグリップシリーズ~/カネコ総業(株)
農業女子プロジェクトでは新規メンバーの募集を随時行っています。
農業を職業として自らの経営や地域との関りに志を持つ女性で、農業女子プロジェクトの趣旨に賛同した方。
農業女子プロジェクト規約が定める事業期の毎年11月1日~翌年10月31日の1年間。事業期の途中参加も可能。また、事業期末までに退会申告がない場合自動的に延長。
事務局からのアイディア・意見募集が行われた際の意見提出、企業との個別プロジェクトへの参加、推進会議への出席(代表で数名)、ホームページやFacebookでの情報発信。
農業女子プロジェクトホームページにある、「新規メンバー募集」フォームから申し込み。
農業の魅力を発信し担い手を育てる農業女子プロジェクトの活動は、日本の農業にとって重要な役割を担っています。今後さらに女性農業者が活躍できる世の中にしていくためにも、趣旨に賛同したという方は参加してみてはいかがでしょうか。
▼参考サイト
●農林水産省:農業女子プロジェクトについて
https://www.maff.go.jp/j/keiei/jyosei/attach/pdf/noujopj-60.pdf
●農業女子プロジェクトホームページ
https://nougyoujoshi.maff.go.jp/
ライタープロフィール
かくやさゆり
種苗会社で培った経験と知識を活かしライターとして活動。
家庭菜園とアウトドア遊びが趣味の半農半ライターです。農業を中心にアウトドアをテーマにしたメディアでも執筆中。