コラム
公開日:2022.05.27
インターネットを使った農産物の直販では生産者と消費者が直接取引するため、高単価で販売できたり 知名度が上がるなど様々なメリットがあります。一方で、広告や外箱梱包についても生産者が担当するため、自身で農産物の魅力をアピールするための「ブランディング」が重要になります。 そこで今回は、直販の専門家であるファームコネクトさんに農産物の直販の方法とブランディングのコツを教えてもらいました!
農産物の直販には大きく分けて2つの方法があります。
農産物の通販サイトやアプリに登録し、販売する方法です。
※詳しい規定は各サイトによって異なります。
ホームページを開設し、販売を行う方法です。
※サイト開設の初期費用には補助金を活用できる場合があります。詳しくは小規模事業者持続化補助金のページをご覧ください。
直販を成功させるためには、農産物のブランディングが重要になります。 ブランディングとは商品に独自の付加価値を付け、ほかの商品と差別化することです。 農産物の直販においても有効で、他の作物や農園と差別化することによって消費者の注目を集めやすくなります。
独自のブランド名を付けることで他の作物との差別化ができ、消費者に覚えてもらいやすくなります。「極上の」「幻の」「とれたて」「鮮度抜群」などのキャッチフレーズを用いれば商品名で味をイメージしてもらえるため、より印象に残ります。
SNSを運営することで消費者に直接アピールすることができます。また、SNSによってはプロフィールから販売サイトに案内することも可能です。 TwitterやFacebook、Instaglamは無料でアカウントを作成できるため、気軽に始めることができます。投稿は農家としての作業内容に絞る必要はなく、食事や外出など日常の様子も投稿することで、親しみやすさや安心感につながります。
農産物のブランド名や農園の名前、産地などがデザインされたパッケージにすることで消費者に良い印象を与えることができます。反対に、汚れた箱や不十分な包装で発送してしまうと消費者の満足度は下がります。結果としてリピーターが減ったり、口コミの評価が下がるといったケースもあるため、気を付けましょう。 また、オリジナルのパンフレットを同封し味へのこだわりを伝えたり、栽培の様子を見てもらうことで食べる前の期待感が高まり、農産物をよりおいしく食べていただくことができます。
規模を問わず、直販で利益を出すためには高単価で販売することが大切です。包装や出荷、PRなどの作業を自ら行っている分、単価を上げなければ利益が出ません。高単価でも鮮度が良く、品質の高い農産物にメリットを感じてくれる消費者に上手くPRしましょう。
ここからは、編集部がピックアップした直販をしている農家さんをご紹介します。
井出トマト農園さんでは自社でWEBサイトを運営されており、栽培のこだわりや生産しているトマトの種類など、トマトに関する様々な情報を発信しています。サイト内の販売ページからはトマトや6次産業化で作られたケチャップ・トマトジャムなどを購入することができます。また、TwitterとFacebookも運営されており、情報発信や購入者へのお礼を投稿しています。
埼玉県本庄市の久米原農園さんでは「あまりん」という埼玉オリジナル品種のいちごを直販しています。贈答用ケースには久米原農園さんの名前とロゴが記載されており、あまりんの高級感を引き立てています。また、いちご専用の梱包材「ゆりかーご」を使うことで、配送時の傷みを軽減しています。
この記事では農産物の直販方法とブランディングのコツについてご紹介しました。 ブランディングを成功させることで売上を大幅に伸ばしたり、メディアに頻繁に取材されている農園もあります。インターネットで野菜や果物を買うユーザーが増えている今、ぜひ直販にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
取材協力
ファームコネクト
代表取締役 村瀬さん
WEB活用により農園のブランドを確立し、農園の収益増加を支援する事業を担っている。同社で手掛けた直販支援事業では、日に100万円超の売り上げや達成や複数の全国紙とテレビメディアに取り上げられるなどの実績がある。
ライタープロフィール
【施設園芸ドットコム 編集部】
農家さんへのお役立ち情報を配信中!
新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪