コラム

栽培に役立つQ&A【テーマ:潅水】専門家が農家さんの質問にお答えします!~解説動画も公開中~

公開日:2022.08.26

こんにちは!施設園芸.com編集部です。新企画「栽培に役立つQ&A」のまとめ記事をお届けいたします。 「栽培に役立つQ&A」は、農家さんから寄せられた栽培に関するご相談を、私たち編集部が栽培に詳しい方々に質問し、回答いただくコーナーです。今回のテーマは「潅水」。

質問に答えてくれる専門家は栽培指導員の資格をもつ深田正博さんです!




(株)ニッポー
アグリアドバイザー 深田正博氏

トマトの大型産地である熊本県にて、「既存の施設装備を使いながら、最低限のコストで、誰でも手が届く環境制御」を基本のスタンスに、「表面的な収量」より「収支・収益」を考えた技術構築を重視した活動を行う。 現在は、(株)ニッポー所属のアグリアドバイザーとして、全国各地の現場で栽培指導や、部会や県主催のセミナーや講演活動を行っている。
【保有資格】 農業改良普及員、農業専門技術員(野菜) 農業専門技術員資格(土壌肥料)



潅水に関する質問<全6問>


【質問1】きゅうりを栽培しています。点滴潅水にチャレンジしたいのですが、チューブが高価で踏み出せずにいます。 安価にできる方法を教えてください!

点滴チューブは、以前に比べ安くなっている(16円~/1m)ため、1畝に2~3本入れても散水チューブと値段が変わりません。 また、チューブは高価だから精度が良いというわけではなく、安価でも均一に潅水できる点滴チューブがあります。 安価な点滴チューブを毎年新しく更新することで、高精度な潅水を行うことが出来ます。



【質問2】手動で潅水を行っています。労力の問題もあり自動化したいのですが、どのような設備が必要でしょうか?おおよその概算も分かると嬉しいです!

自動潅水に必要な設備は、潅水制御機器(10~26万円)、電磁弁(2~3万円/1個)、潅水ユニット(20~50万円)、液肥混入器(5~10万円)※減圧弁・逆止弁・フィルター等必要に応じて。 点滴チューブ(2万円/1,000m)、電源、電動ポンプ
潅水専門の業者に依頼すると一式揃えてくれます。初期費用を上回るメリットが期待できますよ。
※価格はあくまでも参考です。



【質問3】土壌水分量を測るpFメーターを設置したいのですが、pFメーターにはどんな種類 のものがありますか?設置の注意点など教えてください!

土壌水分センサーには「pFセンサー」と「誘電率センサー」があります。 土壌水分センサーを設置する場合は、作物と点滴チューブの中間(根がしっかり張っている所)に挿しましょう。土壌水分値を基に潅水量を決める場合、センサーを挿す位置によって測定値が異なるため注意が必要です。日射比例潅水の検討をおすすめします。
※土耕栽培の場合



【質問4】潅水チューブが目詰まりします。何かよい解決策はありませんか?

浮遊物、砂が原因の場合、フィルターを設置。金属質(鉄・マンガン)が原因の場合、貯水槽に貯めた水を酸化沈殿させてフィルターを通す。 根の侵入が原因の場合、吐出口を上に向ける、侵入対策済のチューブを使う。
安価なチューブを毎年更新することがおすすめです。
※点滴チューブの場合



【質問5】中玉トマトを栽培しています。 自動潅水において、液肥も毎日少しずつ流すといいと聞きますが、実際どのぐらいの量を混ぜたらいいでしょうか?また、栽培時期によって変えたほうがいいのであれば教えてください!

日射比例潅水の時に混入させる肥料は「1週間当たりに必要な窒素成分÷7日=1日に必要な施肥量」です。
例:1,600g÷7日≒228g/10a
肥料濃度(EC)による施肥調節は土壌病害、生育不良につながる例が増えています。 そのため土耕栽培では肥料濃度ではなく、施肥成分量で管理しましょう。
※株あたりの量で管理するのがおすすめです。



【質問6】トマトの土耕栽培で、春先から夏にかけての潅水の終了時刻は何時頃が適切ですか? 現在は日射比例潅水を行っており、13:30頃に終了させています。15:00頃まで行っても良いのでしょうか?圃場によって違うと思いますが、考え方など教えて貰えると嬉しいです!

潅水の終了時刻は土壌の水分量を見て判断します。(土壌が湿っている場合は早め、乾燥している場合は遅くします。) 土壌の水分量はセンサーで測定、または土を手で握ってみて様子をみます。晴れている日の夕暮れにほ場の数ヶ所をチェックしましょう。 ただし、ほ場によって異なるため、ほ場ごとに水分の動きを把握することが大切です。
※作物の生育状態も考慮します。



施設園芸.comでは、今後も様々なお役立ち動画を企画・配信していく予定です!お楽しみに!


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