コラム

愛知県大府市の農業体験スポット「MINRAKU」を取材!新規イチゴ栽培で地域活性

公開日:2023.03.01

こんにちは、施設園芸.com編集部です!今回は愛知県大府市の農業アクティブスポット『MINARAKU(みんらく)』を取材しました。MINARAKUでは、自然を楽しみながら収穫体験やバーベキューをしたり、動物に会うことができます。園内で会える動物たちは、動物が大好きな林田さんが飼育するペットたちです。また、林田さんお手製のドッグランを併設しているため愛犬を連れて訪れることもできます。(入場無料)
園長の林田さんは大府市で電気会社を経営しながら「農業で収益を上げたい!」とイチゴ栽培用のビニールハウスを2棟建て、さらに事業再構築補助金を活用してバーベキュー場やイチゴの直売所も新設し、地域に根差した農業体験施設を作りました。

今回は新規でイチゴ栽培を始めたMINARAKUの園長:林田さんに、施設を立ち上げたきっかけやこだわりについて伺いました。

1.地域活性を目指す愛知県大府市の魅力

愛知県大府市は柔道やレスリングの金メダリストを多く輩出する『金メダルのまち』として有名です。 名古屋駅から車で30分、他にも東海市、豊明市、刈谷市に隣接しアクセス良好。産業地帯に近いことに加えて、公園が多く、“緑豊かな住みやすい町”としてファミリー層から高い人気を得ており、近年人口も増えています。

そして今注目なのが、日本で最初にバイオリンの製造を始めた「鈴木バイオリン」です。戦争によって一度県内を離れてしまったのですが、2年ほど前この大府市に工房が戻ってきました。バイオリンの町としての新たな魅力発信に力を入れている、“魅力溢れる大府市”にオープンしたのが、今回取材した農業体験ができる新しいアクティブスポット「MINRAKU(みんらく)」です。

2.MINARAKUを立ち上げたきっかけ

MINARAKUを立ち上げた一番のきかっけは、林田さんが「イチゴを栽培したい」と思ったことでした。さらに、事業再構築補助金が採用されたことでイチゴ栽培だけではなく、農業体験ができる新しい施設の立ち上げに踏み切りました。事業再構築補助金とは、コロナ禍において思い切った事業再構築に異業種から挑戦する中小企業を支援する制度。林田さんは所有する広大な敷地を利用して「家族や友人でバーベキューをしたり、飼育しているポニーや羊、ヤギ、エミュー、鶏たちをみんなに見てもらえる場所を作りたいと思った。(林田さん)」と語ります。

“なるべく自然のままに”をコンセプトに、林田さん自ら竹藪を開墾し、オリジナルのドッグランも作りました。

3.新規でいちご栽培に挑戦

MINARAKU立ち上げと同時に新築したハウスは、約20a(2棟)で章姫など3品種のイチゴを高設栽培しています。収穫したイチゴは施設内の直売所で販売中です。(ネット販売も対応予定)

ハウス内は温度、湿度、CO₂濃度、光量の測定ができるIotシステムを設置。このシステムは林田さんが基板からプログラムまで自社開発しました。電気会社を経営しているからこその取組みです。イチゴのクラウンを温めるパイプも自社で配管工事を行うなど、設備にもこだわりました。

「購入したほうが安いのかもしれないけど、自社の強みを活かした農業を実現するために、私がやりたいと思う形にこだわって作りました。(林田さん)」と話します。

おいしいイチゴを栽培するために、栽培管理専門の従業員も雇用しました。

栽培作物に「イチゴ」を選んだ理由については「新規就農に適していると思った(林田さん)」
長年に渡り減農薬のお米を作ってきた林田さんだが、もっと収益性がよい農業をと考えたときに注目したのがイチゴ栽培だったのです。「将来もっと若い人(新規就農者)が増えてほしい」と、大府市の地域活性化に貢献したいとの思いが詰まっています。

4.知多半島は「オリーブ半島」を目指して

MINARAKUではイチゴ栽培の他、約200本のオリーブを露地で栽培しています。林田さんは知多半島をオリーブ半島にする取組み【知多半島オリーブオイルプロジェクト】を行っているメンバーの1人。 もともと知多半島でオリーブが栽培されていたことと、知多半島の形がイタリア半島の形に似ていることから「第2のイタリア」を目指してオリーブを栽培盛り上げていこうという活動が広まっています。

MINARAKUのオリーブは農薬を使わずに栽培しています。乾燥に強いオリーブは降雨がない場合でも、夏場は1週間に1回、冬場は2~3週間に2回の潅水頻度で育つため、他の果樹に比べて管理の手間も少ないそうです。そのため、栽培マニュアルに沿って育てれば、初心者でも栽培にチャレンジできます。

▲ここにも林田さんが自作の潅水チューブを設置しました




オリーブは3~4年ほどで実の収穫ができるようになりますが、最初は1本の樹から1キロに満たない程度の収量。5年ほど経てば、1本の樹に3キロ以上の収量が見込めます。MINARAKUではオリーブが収穫できるようになったら、園内の搾油機を使ったオリーブオイル作りや、直売所での販売も計画しているそうです。

“なるべく自然のままに”と開墾したMINARAKUには、田舎育ちで自然が大好きな林田さんの“大好きなこと”と“豊な自然を大事にしたい思い”が詰まっています。



周囲に民家(光)が少ないため、夜になるときれいな星空を見ることもできるそうです。

MINARAKUのコンセプト「みんなの楽験」は、「みんなが集って楽しい体験ができる場所」を目指す一方で「農業に触れて、食糧問題にも目を向けていってほしい。」との思いも込められています。自然との触れ合いや収穫体験を通して、子供の食育にも役立ちそうですね。




近隣のおすすめスポット♪

MINARAKUの近くには、年間200~300万人が訪れる人気のスポット「JAあぐりタウン」という大きな道の駅があり、地元の新鮮野菜やおいしい食べ物、温泉が楽しめます。大府市に行ったらぜひ一緒に立ち寄りたいスポットです。









取材動画

▲画像をクリックすると動画が再生します。




今回取材させていただいたのは…


MINRAKU
◆所在地:〒474-0043
愛知県大府市米田町5-142
電話番号:0562-57-8833
【営業時間】
🌸4月〜10月:10:00~20:00
⛄️11月〜3月 :10:00~17:00

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ライタープロフィール

【施設園芸ドットコム 編集部】
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新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪









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