コラム
公開日:2019.06.03
営農規模を拡大するためには、設備投資や人件費などに多額の資金が必要になります。事業費を少しでも抑えるために有効活用したいのが、国や都道府県が実施している農業補助金制度です。
今回は、数ある農業補助金の中から、「事業規模を拡大したい農業経営者」におすすめの補助金をピックアップしたのでご紹介します。
農業補助金とは、農業を営む個人や法人が受けることのできる補助金制度です。
補助金の種類によって補助の用途が定められており、農業機械やハウス、出荷場などの設備投資から人件費の助成、農地の造成など様々な対象があります。
農業補助金は種類に応じて用途や条件が異なるので、まずは「自分に適した制度が何なのか?」を把握する必要があります。そんな時には、農林水産省の逆引き辞典が便利です。
申請は自治体の担当窓口を通して行われることがほとんどなので、まずは窓口に相談してみるのもいいでしょう。
次に、主な補助金制度について紹介していきます。
ここからは”おすすめの農業補助金 4選”をご紹介します。
※2019年6月時点の情報です。
人件費に対する補助事業です。新規就農者として従業員を雇い、その従業員に対して行う研修について支援を受けることができます。3つのタイプがありますが、最低でも年間120万円、2年間の受給が可能です。
条件として、地域で作成する「産地パワーアップ計画」に位置づけられることと、コスト削減や販売額増などの具体的な目標設定が必要ですが、計画に必要な出荷場・加工処理施設や農業機械のリース等に対して補助を受けることができます。補助額は1/2が上限です。
農業用機械や施設の導入に対して支援を受けることができます。3つのタイプがあり、それぞれ対象や補助額も異なります。最も助成額の低い地域担い手育成支援タイプでも、補助率3/10以内、上限額300万円となっています。
「人・農地プラン」が作成されており、農地中間管理機構を活用している地域限定という条件付きですが、経営改善のために必要な機械や設備の取得、農地の改良や造成について助成を受けられます。補助率は1/2以内、上限額は個人で1500万円、法人で3000万円です。
今回ご紹介した農業補助金は国の事業がほとんどですが、他に県や市町村独自の補助金制度もあります。自分にとって適切な農業補助金は何なのか、自治体の担当窓口ともよく相談しながらうまく利用していき、事業規模の拡大を図っていきましょう。
ライタープロフィール
【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。