コラム
公開日:2018.03.07
熱中症にならないためには、水分補給はもちろんのこと暑さに負けない体を作ることも大切です。体は食べ物によって作られます。水分からでは補給できない多くの栄養を摂取することができます。そこで今回は「熱中症対策に適した食べ物」をご紹介します。
夏になると食欲が下がり、気づいたらついついそうめんばかり食べている…なんてことありませんか?筆者はアイスやゼリーを食事代わりにしてしまうことすらあります(反省。)
夏バテの体にこそ、しっかり栄養を補給してあげることが熱中症の予防にもなります。そこで、手軽にしっかりと栄養補給できる食べ物をご紹介します。
ビタミンCには強力な「抗酸化作用」があり、体内で増えすぎると細胞の機能を低下させたり老化の原因になる活性酵素の作用を無効化してくれます。他にも、疲労回復効果、免疫機能の向上、コラーゲンの生成を促し、メラニン生成の抑制をしてくれるので美肌効果も期待できます。しかし、ビタミンCは汗や尿で毎日失われてきます。とくに汗をかく夏の時期には不足しがちです。毎日の食事の中で摂取できるように心がけたいものです。
アセロラ、パセリ、グァバ、焼きのり、ピーマン、キウイ、すだち、ブロッコリー、ほうれん草、さやえんどう、ゴーヤ、レモン、ゆず、いちご、オレンジ・・・(他)
炭水化物(糖質)、をエネルギーに変えるのを助けてくれる働きがあり疲労回復にも役立ちます。不足すると倦怠感、食欲不振、むくみがでることがあります。
豚肉、パン酵母、マイタケ、ごま、大豆、落花生、うなぎ、わかめ・・・(他)
タンパク質、糖質、脂質の三大要素(とくに脂質)をエネルギーに変えるのを助けてくれる働きがあります。またお肌の生まれ変わりを促進して健康に保ちます。
不足すると口内炎ができたり、にきびや吹き出物など肌荒れがおきます。
鮭、鮎、豚肉、味噌、鶏肉、パプリカ、わかめ、抹茶、干しシイタケ、アーモンド、大豆、チーズ、ウニ、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、ズワイガニ・・・(他)
疲労回復、肉体疲労軽減、美容効果があります。また、汗と一緒に流れて不足してしまいがちなミネラルの吸収を高めてくれます。
不足すると代謝が下がり、疲れやすくなります。
梅干し、レモン、グレープフルーツ、キウイフルーツ、パイナップル、お酢・・・(他)
そうめんばかり食べている…では、そうめんに納豆、オクラをかけてみてはいかがでしょうか?
さっぱりしていておいしいですよ!(味付けはめんつゆがおすすめです)
納豆、オクラのネバネバには免疫力をアップする成分が含まれています。オクラには夏に不足しがちなビタミンCが豊富に含まれており、疲労回復、美肌効果にも役立ちます。納豆には血液をサラサラにしたり、便秘解消、生活習慣病予防の効果も期待できます。
そうめん以外にも、豆腐にかけて食べてもおいしいです。豆腐は胃腸にやさしく、疲労効果も期待できるので夏には欠かせない食料アイテムです!
さらにヘルシー食材として知られる長芋を加えると、3色ネバネバそうめんに大変身。長芋にはジアスターゼという胃もたれを防いでくれる成分が含まれているため、さっぱり食べられておすすめです。
※ジアスターゼは加熱によって効果が失われるため、生のまま食べましょう。
梅干しとツナ缶を混ぜ合わせてそうめんに絡めるのもおいしいですよ!(味付けはめんつゆがおすすめです)
梅干しにはクエン酸が豊富で、疲労回復、肉体疲労軽減効果があります。ツナ缶の油には人の体内では生成することができない必須脂肪酸が含まれており、子供の発育にも大事な魚油です。(※カロリーが気になる方はカロリーオフタイプを使ってみてください)
さらに、トッピングでトマトを加えるとさらによいです。トマトにはビタミンC、ビタミンB群、ビタミンEなど様々なビタミンやクエン酸、カリウムが含まれています。体が疲れにくくなり、食欲不振を改善できるので夏バテ解消に役立ちます。
夏といえば冷やし中華!と言わんばかり、夏の定番メニューです。しかし、実は根拠がありました。タレの黒酢はクエン酸が含まれているので疲労回復効果があります。
ゴマダレ派の方もご安心ください、ゴマにはビタミンB1が多く含まれており、同じく疲労回復効果があります。また、トッピングのトマト、キュウリにはβカロテンやビタミンが含まれていて夏バテ解消効果があります。ハムにはビタミンB2、卵は栄養密度が高く、タンパク質、鉄、ビタミンAなど様々な栄養素がたくさん含まれています。
冷やし中華、やはり夏バテ解消メニューとしては最強です!
※トマトと卵のスープも熱中症対策、夏バテ予防に効果的です。冷製スープにしてもおいしいですよ。
夏場のスタミナ補給に欠かせないお肉の中でも、栄養素ランキング上位なのが豚肉です。
豚肉はビタミンB1,B2が多く含まれており、疲労回復効果があります。
中でも、モモ肉やヒレ肉などの赤身肉が特におすすめ。
生姜焼きなどにして、玉ねぎと一緒に食べることで吸収率をさらにアップさせます。
※玉ねぎの他、にんにくやネギも同じ効果があります
グレープフルーツ、夏みかん、キウイフルーツ、パイナップルはクエン酸を多く含んでいるので、そのままデザートとして食べるのがおすすめです。酸っぱい成分がクエン酸なのですが、苦手な方はゼラチンを入れてゼリーにするといいですよ。また、レモンはそのまま食べるのが難しいかもしれませんが、こちらも多くのクエン酸を含んでいます。輪切りにして砂糖をまぶし、タッパーに詰めて1日冷蔵庫でつければ酸っぱくなくなりますよ。はちみつ浸けもおいしいです。そのまま食べたり、紅茶に入れたりできます。
熱中症対策グッズの定番ともなっているのが、塩飴や塩タブレット。
忙しくて食事で補給ができない!という時にはお菓子感覚で手軽に塩分が補給できる、熱中症対策用の飴がおすすめです。
井関食品の熱中飴は塩分量と味にこだわっており、さっぱり美味しく食べられるレモン塩味です。飴なら口に入れながら作業もできるので、ハウスに1袋持ち歩くようにしてみてはいかがでしょうか。
※塩飴は水と一緒に食べましょう。
栄養素を多く含む牛乳は、水分補給のための飲み物としてだけでなく、熱中症に負けない体作りに大きく役立ちます。
また、牛乳をいつ飲むかによってもその効果は変わってきます。
熱中症予防として効果的なのは、激しい運動をした後。牛乳に含まれるタンパク質や糖質には、消耗した筋肉を修復するために必要なアミノ酸を補ってくれる効果があります。つい炭酸水が飲みたくなる季節ですが、体を動かす農作業の後に牛乳を飲んでみることをお勧めします。
昨今の感染症対策として大切なマスクの着用ですが、マスクをすることによって心拍数や血中二酸化炭素濃度、体温の上昇などが起こり、熱中症へと繋がる恐れがあります。
厚生労働省では、夏場のマスク着用の指数として、屋外で人と2m以上の十分な距離が保てる場合、マスクを外すことを推奨しています。
また、実際に気分が悪くなったり、熱中症と思われる症状が出てしまった場合は、マスクを外して涼しい場所で体を休めるなど適切な対処をするようにして下さい。
熱中症にかかると、声が枯れ、手足が攣り(つり)、ご飯もたべられず、頭痛や吐き気が続くというとてもつらい状態が続きます。熱中症対策を万全にし、毎日の食事で少しずつ体によいものを摂取して夏を乗り切りたいですね。
▼参考サイト
○「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました,厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html
ライタープロフィール
【施設園芸ドットコム 編集部】
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