コラム
公開日:2019.02.26
現在、日本ではおよそ4人に1人が花粉症だといわれています。
すでに東京でも花粉の飛散が確認されており、花粉シーズンが始まっています。くしゃみ・鼻水が止まらない!のどがイガイガする!マスクが手放せない!という方も多いのではないでしょうか?今まで花粉症ではなかった人も今年は発症するかもしれないので、他人事にはできませんよね。
花粉症の人が増えている原因は、スギ花粉が増加していることや、多くのストレスを抱えている人が増えたことだと言われています。ストレスが増えると自律神経が乱れ、花粉症の症状が出やすくなります。他にもアレルギー体質の人が増えたり、“高たんぱくの食事が増えたこと”が原因とも考えられています。そこで今回は「すぐにできる花粉症の対策」や「おすすめの食べ物」をご紹介します。
スギやヒノキなど、植物の花粉が原因で生じるくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が「花粉症」です。医学用語では、「季節性アレルギー性鼻炎」と言います。
とくに花粉症の症状が現れやすいのが、目と鼻です。
目を取って洗いたくなるような辛い“目のかゆみや痛み”、白目が真っ赤に充血することもあります。
鼻に関しては止まらない“くしゃみ”や、鼻にティッシュを詰め込んでおきたくなるほど流れ出る“鼻水”、口呼吸になってしまう“鼻づまり”が挙げられます。
他にも顔やのどがかゆくなったり、体がだるくなって熱っぽい症状が出たり、頭がボーっとして集中力が低下してしまうこともあります。中にはイライラしてしまうことも。
これらの症状は花粉症の人には「今年も花粉が来たな」と分かりますが、まだ発症していない人にしてみたら最初は「風邪かな?」と思うかもしれません。しかし、風邪なら1週間程度で治ります。なかなか治らない!サラサラとした水のような鼻水が止まらない!といった場合には花粉症の可能性大です。(風邪の場合はねっとりした鼻水が出ます。)
この症状は花粉が飛んでいる間ずっと続きます。風邪だと誤診して風邪薬を飲んでも症状は改善しませんので、早めに花粉症対策をしましょう!
「仕事が忙しくなかなか病院に行けない」、「今すぐに症状を緩和したい」場合には、薬局でも購入できる市販薬を使ってみる方法もあります。最近では数多くの薬が販売されており、効能も上がっています。
花粉症の薬には、内服薬、目薬、点鼻薬があります。
内服薬の多くが「抗ヒスタミン薬」というものです。アレルギー反応を起こす主な原因の一つであるヒスタミンの働きを抑え、目・鼻・喉のそれぞれの症状を緩和してくれます。
最近では“眠くなりにくい「第二世代の抗ヒスタミン」薬”が主流となってきているので、仕事に支障をきたす心配が少なく、時間を気にせずに服用できます。
目がかゆくなったり、充血してしまった場合には目薬を使いましょう。即効性があるため、すぐに痛みやかゆみが収まります。
また、点鼻薬とは鼻にシュッシュするスプレータイプや鼻に液体を垂らすタイプの薬です。鼻の粘膜の充血や腫れを抑えて、鼻の通りをよくしてくれます。
※どんな薬が良いか、薬剤師さんがいる薬局で相談しながら選ぶようにしましょう。
市販薬は即効性が高くすぐに症状を緩和してくれますが、効果が持続しにくいと言われています。一方、病院で処方される薬は即効性には欠けるものの、症状が出る前から服用することで発症を抑える等、予防することができ、その後も効果を持続させることができます。
病院の検査では「何アレルギーなのか?」を知ることができます。
筆者は耳鼻科の血液検査でハウスダスト、スギ、ブタクサのアレルギーだと分かりました。なので、こまめに部屋を掃除して埃が少ない環境を作ったり、カーペットの種類を埃が出にくい物に変えたり、部屋の空気を入れ替えることを心がけました。そして、スギとブタクサの発生時期に注意を払い、その時期にはなるべく窓を開けずに空気清浄機をつける対策をしました。また、実は猫アレルギーがあったことも知りました!
原因が分かれば自分にあった対策が出来ます。症状がある方は、受診してみてはいかがでしょうか?
日々の生活で大切なのは、花粉との接触を避け、予防することです。
全日本病院協会では以下のことを推奨しています。
● 花粉飛散情報に注意する
● 花粉が多く飛んでいるシーズンは、外出時にはメガネとマスク、帽子を
● 上着は、表面がつるつるとした素材のものを
● 帰宅したら玄関で花粉をよくはらい、洗顔、うがいをして、鼻をかむ
● 花粉が多く飛んでいる日は窓を開けない
● 掃除をこまめに
● 花粉が多く飛んでいる日は布団を外に干さない
【全日本病院協会HP引用】
減感作(げんかんさ)療法といって、原因となっている花粉の成分を体内に注射して、人為的に抗原をつくる方法があります。
現在花粉症を根本的に治せると言われている唯一の方法ですが、効果が現れるまでに通常3~4年、完治する人は約6割以下と言われています。
まだまだ発展中の治療法です。将来、花粉症が完治できる方法が確立されて「花粉症」という言葉がなくなる世の中が来るかもしれませんね。
花粉シーズンに心がけたいことは、(1)腸内環境を整えて免疫力をアップ、(2)ストレスによる免疫機能低下を防ぐ、ことです。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品、納豆やキムチなどの発酵食品がおすすめです。
乳酸菌やビフィズス菌が豊富に含まれているので腸内環境をよくしてくれます。体の各機能を正常に保ち、免疫力アップ、アレルギー症状緩和につながる他、美肌効果も期待できます。
ストレスを受けると活性酸素が発生し、かゆみが増すと言われています。
そこで、活性酸素により起こる酸化から身体を守ってくれる「ビタミンA」と「ビタミンC」と「ビタミンE」を摂取するようにしましょう。この3つは「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、抗酸化作用のある代表的な栄養成分です。ビタミンEとビタミンAは細胞膜で、ビタミンCは体液中で抗酸化作用を発揮してくれます。ビタミンACEは一緒に摂取することで効果が高まります。
レバー、うなぎ、チーズ、卵、人参など
※油と一緒に摂取しましょう
野菜(とくにパプリカ、芽キャベツ、ブロッコリー、ゴーヤ)、じゃがいも、キュウイフルーツ、いちご、柑橘類など
※新鮮なものを摂取しましょう(加熱のしすぎや水さらしで栄養成分が失われる可能性があります)
アーモンドなどのナッツ類、植物油(サンフラワー油やなたね油)、うなぎ、カボチャ、アボカド
※ビタミンCと一緒に摂取しましょう
代替医療の一つとして抗アレルギー作用をもつと言われる食品があります。
甜茶(てんちゃ)、柿、ヨモギ、シジュウム、アロエ、かりん、ドクダミ、シソ、オオバコ、トマト、ミントなど
※代替医療とは医療の代わりに用いられる療法のことです。
飲み物では、レモンバームやカモミールティーがおすすめです。
ハーブ類は全般的に抗酸化作用の高いポリフェノールが多く含まれています。中でもレモンバームはロズマリン酸(ポリフェノールの一種)が含まれており、抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗炎症作用などが有されていることが報告されており、注目されています。
リノール酸を多く含む油脂類や動物性たんぱく質のとりすぎは花粉症などのアレルギー症状を悪化させる可能性があると言われています。また、高たんぱく質の卵や肉類、生クリームやマーガリンの食べ過ぎにも注意が必要です。刺激が強いものやアルコール類も花粉の時期には備えたほうがよいでしょう。
近年、厚生労働省が行っている調査でも、ヨーグルトや乳酸菌剤の民間医療が増加しています。
中には整腸作用が認められた特定保健用食品もありますが、医療用ではないため花粉症に対する効果の保証はありません。また、一度食べたら改善されるものではなく、毎日食べ続ける中に症状が改善される“かもしれない”もので「花粉症に効くか?」と言われたら、まだまだ検証が必要です。
厚生労働省が公開している調査データでは、ヨーグルトの効果有りと判断された人は約30%以下でした。
※一般医療機関を受診しているアレルギー性鼻炎患者へのアンケート調査
しかし、ヨーグルトを食べると腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれるので、花粉症対策ではなくとも是非食べ続けてみてほしい食品です。
まだまだ厳しい寒さが続く北日本も、2月下旬には東北南部で、3月上旬には東北北部かけてスギ花粉の飛散が開始されるようです。春の訪れはうれしいものですが、花粉症に苦しむのは嫌ですよね! 花粉症は早期の予防・対策が必要です。今回ご紹介した食事や対策もぜひ参考にしていただき、「毎年のことだから・・・」と諦めずに自分の体質にあった「花粉症対策」を見つけてくださいね。
▼参考
〇全国日本病院協会/花粉症について/<https://www.ajha.or.jp/guide/22.html>2019.1.25アクセス
〇tenki.jp/2019年春の花粉飛散予測(第4報)
<https://tenki.jp/pollen/expectation/>2019.2.19アクセス
〇厚生労働省/花粉症の民間医療について/
<https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html>2019.2.19アクセス
ライタープロフィール
【施設園芸ドットコム 編集部】
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