コラム
公開日:2020.05.22
アイスプラントという野菜をご存知でしょうか。日本ではまだメジャーではありませんが、ヨーロッパ諸国では広く親しまれている食材です。
今回はそんなアイスプラントの特徴や、栄養成分についてまとめました。国内でも徐々に生産量が増えてきているので、今のうちからぜひチェックしてみてください!
そもそもアイスプラントとは、どんな野菜なのでしょうか。
アイスプラントを見て最初に目に入るのが、葉の表面に付いた透明なツブツブです。これは「ブラッダー細胞」というもので、土の中から吸収したミネラル分が蓄えられています。塩分もここに蓄えられるので、ドレッシングなどの調味料を付けなくても、ほんのりとした塩気があるのが特徴です。
葉が肉厚なのでツブツブの食感も相まって、生のままサラダなどにして食べると「シャキ、プツッ」という独特の食感が楽しめます。また、火を通すとトロみが出てきます。天ぷらなど短時間で加熱する料理とも相性が良く、サクサク感とトロトロ感の両方を味わえます。
アイスプラントには、様々な栄養素が含まれています。
◆イノシトール…脂質の抑制効果や、血糖値を下げる効果があるとされています。キャベツなど他の葉物野菜にはほとんど含まれておらず、アイスプラント特有の成分と言えます。
◆βカロテン…アンチエイジングに効果があるとされています。
◆プロリン…お肌の調子を整えてくれるとされています。
カロリーも低く、ダイエットや美容・健康に関心の高い女性には強くおすすめしたい食材です。
アイスプラントに限った話ではありませんが、野菜の栄養をしっかり摂取するには調理方法も重要なポイントです。ここではアイスプラントの栄養をムダにせず、それでいて美味しい、おすすめの食べ方をご紹介します。
アイスプラントは天ぷらにすることで、外はサクッと中はトロっとした、独特の食感を楽しめます。
また、アイスプラントに含まれるβカロテンは「脂溶性」といって、油分と一緒に食べる事で吸収率が上がる性質を持っています。健康成分をしっかり摂りつつ美味しくいただける、おすすめの食べ方です。
アイスプラントに含まれるイノシトールは脂肪の吸収を抑え、ダイエットにも効果があるとされています。そこで一緒に摂取したいのが青魚などに多く含まれる「EPA」という必須脂肪酸です。EPAは中性脂肪の値を下げたり、血液をサラサラにしたり、様々な健康効果があることで知られています。
さらに、お酢も血中脂肪の値を下げ、腸内環境を整えるなどの効果が期待できます。健康や美容に関心のある方には、ぜひ試していただきたいおすすめの食べ方です。
アイスプラントは栽培の歴史が浅く、まだまだポピュラーな野菜とは言えません。しかし、健康や美容に嬉しい成分を含み、それでいて独特な食感が楽しい、これから要注目の食材です。価格も比較的リーズナブルですので、どこかで見かけ際にはぜひ手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
▼参考サイト
〇アイスプラントの保存方法と食べ方、栄養価と効果,野菜,旬の食材百科
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/iceplant2.htm
〇野菜のいろいろ「アイスプラント」,野菜のいろいろバックナンバー,独立行政法人農畜産業振興機構
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/iroiro/1006/iroiro.html
〇イノシトール,成分情報,わかさの秘密
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/inositol/
ライタープロフィール
【料理アドバイザー(フードライター)大谷】
北海道出身の調理師免許ホルダー。
実家が農家なので、食材を大事に扱うことを信条としている。施設野菜を使った料理のレシピや農家さん向けの「加工品や製品」のレシピも考案。専攻はフレンチやイタリアン。誰でも作れる「簡単な調理方法」やしっかり栄養が摂れる「美味しい料理」の提供を目指しています。
●趣味:料理、テーブルフォトの撮影