コラム
公開日:2020.12.16
独身貴族や熟年離婚など、「結婚をしない」という選択肢も当たり前になりつつありますが、一方では出会いがなく悩んでいる方もいますよね。特に農業では、「農家の嫁不足」問題がどの地域でもあるようです。今回は、そんな農家の婚活について紹介します。
農林水産政策研究所が出した平成30年のレポートによると、農家の男性は他の職業に比べて未婚率が高く、40代前半の農家さんの3分の1以上が未婚。農家さんの未婚率は近年上昇しており、未婚化が加速しているとも言われています。
農家に出会いが少ない理由として、一つには農村地域には子育て世代の女性が少ないことがあげられます。20歳前後の女性は進学や就職に伴い都市部へ出ていってしまうことが多く、30歳前後にみられていた結婚などによって地元へ戻ってくる女性も、近年は減少しています。
もう一つは、農家さんは職業上人との交流が少ないため、単純に出会いが少ないことなどが考えられます。
一方で、田舎暮らしに憧れる若年層は増加しています。そのため、お嫁さんが欲しい農家さんと、自然が好きな独身女性をつなぐさまざまなイベントが企画されています。
ここからは農家さんにおすすめの「すてきな出会いを見つける3つの方法」をご紹介します。
農家の婚活支援を専門にしたオンラインサービスが登場しています。スマホ1つで手軽に試せること、メッセージのやりとりから始まるので引っ込み思案な人でもコミュニケーションをとりやすいことが魅力です。2つのサービスをご紹介します。
こちらのサービスは、「農家さん」と「農に興味がある方」をつなぐ婚活アプリで、2020年10月に正式リリースされたばかり。「日本の農業を活気ある産業にしたい」と、東京大学農学部の学生2名で開発したというから驚きです。日本農業新聞を始め、多くのメディアで話題となっています。
あぐりマッチは全国の農婚イベントと協力しており、農家と出会える婚活パーティーや農業体験イベントといった“農コン情報”が随時届きます。手軽に情報収集ができそうですね。また、「実際農家の生活ってどうなのか?」「結婚後大変なことって何?」という疑問や「婚活がうまく進まない」といった悩みについて、実際に農家さんと結婚された女性の方や、農業婚活に詳しい経験豊富な婚活アドバイザーに相談することができるというのもうれしいポイント!
※2020年12月末までに1000人の登録を目指し、期待大です。
※画面サンプル
自らも就農経験があり、現在は“現役農家の嫁”という方がサービスを運営しています。スタッフの恋愛相談なども受けられるそうなので、安心して利用できそうですね!
最近ではzoomを使った婚活相談会やオンライン飲み会なども開催されており、コロナ禍でも積極的に活動しています。“コロナカップル”も続々誕生しています。
農家向けの「婚活必勝セミナー」では、恋愛コンサルタントの監修を元に、「なぜ婚活がうまくいかないのか」、「どうしたら女性から選ばれる男性になれるのか」といったことを学べるそうです。農家ならではの悩みを解決できるかもしれません。
※2020年12月現在、男性100人、女性160人の登録があります。
自治体やJAが主催する農業体験型の婚活パーティー、いわゆる「農コン」が各地域で行われているので、そこに参加してみるのも一つの手です。自然のなかで健全に交流できること、農業体験を通じて仲良くなれること、移住体験も兼ねることなどから人気のようです。自分でつくっている作物もうまく使ってアピールしたいですね。
いまはオンライン上でも色々な交流ができます。一昔前まではSNSでの出会いは危険だと言われ、あまり良い印象がありませんでしたが、最近ではSNSでつながったカップルも多く、正しく活用すればすてきな出会いを見つけられる可能性があります。
QOM総研 Vol.125「SNSでの出会い」に関するアンケート調査では、1位のLINEに続き、2位/Twitter、3位/インスタグラム、4位/Facebook、5位/TikTokの順に利用頻度が高いようです。
他にも、恋愛を目的とした出会い探しをしている人が20~29歳で4.1%、40~49歳で2.7%。SNS上で知り合った相手と恋人になった人は20~29歳で11.9%、40~49歳で11.3%、結婚した人は20~29歳で2.6%、40~49歳で1.7%という調査結果が出ています。
実際に会うきっかけは好きなゲームやバント、考え方といった共通点があることだそうです。農家さんは自分の普段の作業風景や好きな事、趣味などを掲載することで、共通の趣味や好きなことをきっかけに、新しい出会いが作れるかもしれませんね。
以上、農家の婚活についてお伝えしました。最近ではコロナの影響もあり、オンラインを使った婚活が増えています。アプリやSNSを使った婚活は今後さらに増えていくかもしれません。すてきな出会いと農ある暮らしを願っています!
▼参考サイト
〇農業・農村における女性の原因理由の分析 農林水産政策研究所
https://www.maff.go.jp/j/study/work/attach/pdf/03_haifu-4.pdf
〇タメニ―(株)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000006313.html
〇Raitai
https://noukon.org/
〇あぐりマッチ
https://agri-match.com/
ライタープロフィール
【内村耕起】
宮崎県の牛農家生まれ。大学院で植物工場での廃棄物利用に関する研究に従事したのち、全国の農家を訪ね歩いてファームステイ。岩手県の自然栽培農家で2年間の農業研修を経て、現在は宮崎県の山間部の村で自給的農業を営む傍ら、ウェブライターなどもしています。