コラム

農家さんに出会いの場を!農家向けマッチングアプリ「あぐりマッチ」の魅力を調査しました!

公開日:2021.05.25

少子高齢化により担い手不足や若者の農業離れが深刻となっている昨今。その理由の一つに、農家には男女の出会いの場が少ないということがあります。そのような中、農家と農業に興味のある方の出会いの場となる日本初の農家専門の恋活・婚活マッチングアプリ「あぐりマッチ」が注目を集めています。

今回はアプリを開発したあぐりマッチ代表の横井陽大さんと、副代表の仮屋園純平さんのお二人に、開発の経緯やアプリの魅力、今後の展望について取材しました。

1.東大農学部の2人が農家向けマッチングアプリを開発

●あぐりマッチ発案のきっかけ

代表の横井さんと仮屋園さんは、それぞれの農業に対する想いから東京大学農学部に進学。二人は学年が違うこともあり面識はありませんでした。しかし、大学で行われたアメリカでの農業ボランティアプロジェクトに参加したことを機に知り合い、意気投合。日本の農業について会話をしていく中で「日本は未婚の農家さんが多いよね」「農業版のマッチングアプリがあれば面白いのでは?」という話に。それがあぐりマッチ発案のきっかけとなりました。

(横井さん)最初は大学生のノリのようなところから始まったんです。収益化よりも世の中にインパクトを与えたいという想いが第一でした。



▲横井さん



●アプリ開発初心者の二人で試行錯誤の日々

農家さん向けのマッチングアプリを開発する!というアイデアは思い付いたものの、2人にはアプリ開発に必要な知識や経験は無く、むしろ苦手な分野でした。

(横井さん)インターネットで調べつつ、手探りでアプリを開発していきました。
(仮屋園さん)アプリ開発をするに当たっての先生がいなかったため、何かわからないことがあっても全て自分たちで解決していかなければならない大変さがありました。

2.農家に好評!恋活・婚活マッチングアプリ「あぐりマッチ」の魅力

こうして2人だけでアプリ開発に挑戦し、ついに2020年10月にリリースされたあぐりマッチ。実際にアプリを利用する農家にも好評で「こんなアプリを待っていた!」という嬉しい声も届いています。

●一般的なマッチングアプリとの大きな違い

あぐりマッチが一般的なマッチングアプリと大きく異なる点は、プロフィール欄の農業に関する項目の豊富さ
例えば、「相手と一緒に農作業をしたいか?」「どんな野菜を育てているか?」「農業に対するこだわりは?」「農業に興味を持ったきっかけは?」などなど。これがあることで相手側の理解をより深めることができます。また、「農家の日常」という農業版SNSのような機能もあります。農家が自身の農ライフを、写真をつけて投稿することで、より興味をもってもらうことができるという、マッチングアプリでは珍しいサービスもあります。

▲農家の日常



●農家さんのリアルな声を参考に

あぐりマッチをより魅力的なアプリにしていくため、農家のリアルな声を聞くことを大切にしています。週に一度くらいのペースで関東近郊の農家に「農作業を手伝わせていただくのでお話を聞かせてください!」と連絡を取っては農家を訪ねています。また、若い農家による飲み会「男子会」に参加させてもらい、農家の悩みやあぐりマッチを使用した感想など、本音を聞いて、アプリ改良の参考にしています。

(仮屋園さん)出会いが無いという話はどこの農家さんを訪ねても出てくる話です。
(横井さん)男子会で農家さんに「あぐりマッチ使ってるよ!」と声をかけてもらえることもあり、やりがいを感じています。



▲仮屋園さん



●結婚相手としての農家さんの魅力

あぐりマッチを通して農家と農に興味のある方が繋がり、交際、そして結婚へと進むカップルが誕生してほしい、農家さんの婚活を応援したいと話す横井さんと仮屋園さん。

(横井さん)今まで色々な農家さんと出会ってきて思うのは、やはり農家さんによって全く色が違う。十人十色であるという点が、農家さんの1番の魅力だと思います。
(仮屋園さん)農家という職業は他の職業と比べて家族と一緒に居られる時間が圧倒的に多い。作業時間が長いというイメージもあるかもしれないけど、子供とずっと一緒に居られるのは、農家ならではの魅力だと思います。




●昨今の外出自粛が追い風に

農家の出会いの場として有名な「農コン」(農家版婚活イベント)。以前は全国各地で頻繁に開催されていましたが、昨今の新型コロナウイルスの影響でイベントは軒並み中止に。そのタイミングでリリースされたあぐりマッチは、オンライン上でのやり取りが基本となるため、対面で会わない出会いの場として需要が拡大しました。

(横井さん)いきなりイベントで出会うよりもオンラインである程度お互いのことを知ってから会う方が理想と現実のギャップが少なく、相性の良いパートナーに巡り会える確率が高いのではないかと思います。

3.あぐりマッチの今後と将来的な目標

あぐりマッチのリリースから半年程が経過し、利用者の数は2800人を超えました。さらに多くの方にあぐりマッチを広めるため、日々試行錯誤し、アプリ運営に励んでいます。



●開発中の新サービス「ギフト機能」

あぐりマッチをより魅力的で便利なマッチングアプリにするため、現在も週一くらいのペースでアプリの更新を行っています。
新しいサービスを模索する中で、現在もっとも力を入れて開発しているサービスが「ギフト機能」です。ギフト機能は、農家が気になったお相手に自身が作った農作物をギフトとしてプレゼントできる機能。まさに農家と出会えるマッチングアプリならではの他には無い新機能となりそうです。

(横井さん)農家さんは「俺の米を食べてみてほしい!」じゃないですが、自身の農作物を使ってアプローチができ、ギフトを貰ったお相手も農作物を通してより深く農家さんを知る事ができる狙いがあります。

●今後の展望

現在あぐりマッチの公式インスタグラムでは、魅力溢れる若手農家を紹介しています。インスタ映えする魅力的な写真をつけるなどして、より多くの女性に農家の魅力を知ってもらいたいと思っています。 今後は女性目線の魅力的なPRを目指し、運営メンバーに女性デザイナーの方を迎え入れることも検討しています。よりパワーアップしたあぐりマッチが期待できそうです。






◆農家の皆さんへメッセージ

(横井さん)あぐりマッチはどなたでも無料で始められます。ぜひ一度お手に取って使ってみていただきたいです。あぐりマッチを通して、パートナーと一緒に農業をやっていく夢を叶えていただきたいと思っています!
(仮屋園さん)活動をしていく中で僕自身、農業を生業としている方は魅力的だと感じるシーンがたくさんありました。あぐりマッチでは普段農家さん自身が気づかない魅力を紹介していけるため、出会いのきっかけになればうれしいです!




今回取材させていただいたのは…



あぐりマッチで農家さんの出会いの場を作り、農業を次の世代へと繋ごうと奮闘する横井さんと仮屋園さん。
取材をしていく中で伝わってきたのは、お二人が心の底から日本の農業を盛り上げたいという気持ちで取り組んでいるということ。
若者の農業離れは深刻な問題で、晩婚化や未婚化も大きな要因の一つとされます。そんな現状を打開するため、率先して未来を切り開き「農業を小学生の憧れの職業にしたい!」と話す姿に、まだまだ日本の農業は盛り上がる!可能性を感じました。

横井さん
●好きなもの:コーヒー

仮屋園さん
●趣味:スキー

ライタープロフィール

【本澤貴史】
北海道の農業系大学出身のフリーライター。
大学では主に作物栽培を専攻し、広大な土地で露地栽培や施設栽培を学んでいました。 普段は、北海道の地域情報や食にまつわる記事の執筆をしています。 農業をされている方に少しでも興味を持っていただける情報を目指し発信していきます!









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