コラム

野菜の高温障害!なり易い作物とその症状・対策とは?

公開日:2018.07.16

人間の身体と一緒で植物も一定以上の高温が続くと疲れてしまい異常が発生します。 この異常は特にイネやトマトなどで発生しやすく「高温障害」と呼ばれています。今回は園芸で作られる野菜の中でもトマトの高温障害について、その症状と対策をご紹介します。

1.高温障害の症状

高温障害の症状は主に果実に表れます。裂果着色不良果尻腐れ果空洞果などが多く発生したら高温による影響を疑いましょう。

尻腐れのトマト

ただし、それぞれの症状は温度以外の要因で発生しいる可能性もあります。なぜ発生したのか、温度以外の要素も丁寧に確認しましょう。 例えば、裂果は湿度の急激な変化(極端な乾燥状態から加湿状態へ)などでも発生します。空洞果は低温でも発生し、加えて肥料や水分が多すぎても発生します。

2.高温障害の発生しやすい条件

高温障害が発生しやすい条件は主に4つあります。




発生しやすい条件その1

気温30℃以上で発生しやすくなります。
また「平均気温」が25℃以上が連日続くと発生しやすくなります。




発生しやすい条件その2

局所的に強い日光が当たることでその部分のみ高温になり、障害が発生することもあります。




発生しやすい条件その3

育苗中に高温に当たると高温障害がでやすいです。
特に抑制栽培の場合は、最も気温の高い8月頃に育苗するため注意が必要です。




発生しやすい条件その4

急激な温度上昇も注意が必要です。
梅雨時期の急な晴れ間など、温度が急に上昇した場合も一時的に葉が萎れやすくなります。

3.高温障害の対策

対策その1

急激な温度上昇を避ける
曇りが続いた後の快晴日は急激に高温になる可能性があります。天気予報も見ながら快晴前に徐々に灌水量を増やすなど工夫し、急激な環境変化を避けるようにしましょう。




対策その2

高温障害のサインを見逃さない
予兆を見逃さず、早めに対応していくよう心がけましょう。落花、落蕾が多かったり、葉が内側に巻いたりしているのは高温による悪影響のサインです。




対策その3

高温時の作業に気をつける
高温時にホルモン処理を行うと異常果の発生が多くなります。夏場のホルモン処理は朝の涼しい時間帯に行うようにしましょう。




対策その4

樹勢を保つ
長期多段どりの場合は樹勢の維持管理が最も重要です。健康な身体の人が風邪を引きにくいのと同じで植物も樹勢が良い(=健康)と障害も発生しにくくなります。日頃の樹勢管理を徹底しましょう。




対策その5

設備導入を検討する
軒高のハウスは軒の低い一般的なビニールハウスと比較して換気効率が良く、夏場の高温対策として有効です。 循環扇ヒートポンプ細霧冷房などの導入も温度を下げる効果が期待できます。 上記より、より簡単で導入しやすい設備として遮熱・遮光シートがあげられます。冷房装置導入などと比較するとかなり安く行える対策です。使用の際は日射の強い快晴日の14時から1時間だけ使うなど、細かく対応することが重要です。

ライタープロフィール

【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しており、私個人の栽培歴は2年程度です。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。