コラム
公開日:2023.10.11
キラキラと輝く小粒の果肉が、まるでキャビアを思わせるフルーツ「フィンガーライム」。日本ではまだ知らない人も多い果物ですが、かわいらしい見た目から、密かに人気急上昇の注目フルーツです。この記事では、フィンガーライムの栽培方法やおすすめの食べ方を ご紹介します。
フィンガーライムは、オーストラリアを原産地とする柑橘類です。プチプチとした粒状の果肉が特徴で、別名「キャビアライム」「フルーツキャビア」とも呼ばれています。独特の酸味と風味があり、個性的な食感も注目を集め、主に料理界で高級食材として広まりました。 欧米ではスーパーフードとして人気を集めているフィンガーライムですが、日本ではまだあまり認知されていないのが実情です。そのため希少性が高く、市場では高い値段で取引されています。
スーパーや青果店などの一般的な市場では、ほとんど見かけることができないフィンガーライム。まだまだ希少な果物ですが、徳島県や愛知県、茨城県など、日本国内でも需要の増加を意識した栽培への取り組みが始まっています。
柑橘類のため、寒冷地では栽培が難しいイメージがありますが、施設を利用した栽培が可能です。実際に、長野県ではハウスでの栽培が成功しています。
苗を手に入れる場合は、果実と同様に市場に出回る数が少ないため、インターネットで販売店から購入するのがおすすめです。
水はけの良い、肥沃な土に根を崩さないように植え付けます。葉が小さく、乾燥には強い傾向がありますが、過乾燥を防ぎ、水の管理に気を配りましょう。
5月から7月ごろに花が咲き、収穫時期は7月から10月、植え付けから収穫の目安は3年から4年です。冬の寒さにあたると葉が落ちますが、株がしっかりしていれば心配は入りません。他の柑橘類と同様に鋭いとげが生えてきます。収穫時は、果実に傷をつけないよう、十分に注意が必要です。
フィンガーライムはミカン科ミクロシトラス属に属し、長さ4cmから8cmほどの円筒形をしています。形が手の親指に似ていることからフィンガーライムとの名称が付きました。
また、フィンガーライムにはさまざまな品種があり、甘味のあるものから酸味の強いもの、ハーブのような風味のものまで、種類によって味が異なるのが魅力です。表皮や果肉の色合いも豊富で、特に果肉は白に近いものから緑、黄色、ピンクと多様なため、料理との相性が抜群。主にフランス料理や、カクテルの材料としてバーで利用されています。
ライムのような薄い皮で覆われていますが、果肉がしっかりしています。そのため、果汁を絞り出して料理に使う一般的な柑橘系と同じように利用すると魅力が生かせません。皮を割ると、種とともに果肉がポロポロと外に溢れてくる様子が、森のキャビアと呼ばれる理由です。果肉をそのままサラダやドリンクに合わせるほか、お刺身の盛り合せに添える、デザートの飾り付けに使うなど、アイディア次第でレシピが広がります。
フィンガーライムは、プチプチの食感と味の多様性から料理との相性がよい果物です。まるでビーズ細工のようなキラキラした見た目に、思わず「なにこれ!」と注目せずにはいられません。話題性抜群のフィンガーライムについて知っておきましょう。
▼参考サイト
〇日本農民新聞社, 日本公庫が伊予銀行と連携し「フィンガーライム」の産地化を支援
https://agripress.co.jp/archives/11656
〇タキイネット通販, フィンガーライム2種 セット
https://shop.takii.co.jp/products/detail/NKA933
〇長野県魅力発信ブログ
https://blog.nagano-ken.jp/shimoina/foods/33222.html
〇宿毛市 産業振興課
https://www.city.sukumo.kochi.jp/taberu_theater/magazine/28213.html
〇AKALA FRUITS
https://www.akalafruits.com/
〇苗木部
https://naegibu.com/qrc/kaju_kankitsu-zatsu056-02/
ライタープロフィール
高橋みさと
自然に近い場所を求めて2021年に都内から郊外へ移住。
ライター業をしながら米や野菜づくりを実践しています。
趣味は登山と外遊び。
発酵に興味があり、コンポストを利用して生ごみを捨てない生活にはまっています!