vol.1 JA職員から農家を目指すきっかけ



公開:2021.09.10

farmingsekino



こんにちは。関野です!この連載企画では、私がJA職員から農家になるまでの道のりをブログ形式でお伝えしていきます。これから農家を目指す方の参考になればうれしいです!
まず今回は、私がJA職員から農家を目指すことにした理由についてお話します!

●地元密着のJA職員時代

JA職員の頃は、地元だった静岡県伊豆の国市で農薬・肥料・営農資材の販売をしていました。来店されるお客様は地元の方(主に農家さん)と観光の方がほとんどで、地元の方が来たときは「地元の役に立ちたい!」、観光の方が来たときは「地元を知ってもらえるチャンス!」と思い日々接客していました。
また、観光の方に伊豆の国市の魅力をもっと知ってもらいたいとの思いから、オリジナルの看板や観光案内掲示板を自分で作ってお店に飾ったり、地域の観光・旅館・お土産等のパンフレットを一件一件回って集めてお店に置いたり、お店の雰囲気づくりにも注力しました。
「また、伊豆の国市にきてほしい」
そんな気持ちで仕事をしていました。

吹き出し

地元の消防団に所属し、SNSを活用した消防団の情報発信に情熱を注いでいました!年齢や職種を超えた地元の先輩、後輩と出会ったことでより一層、「生まれ育ったこの地に貢献したい!」という想いは強くなり、仕事でもプライベートでも地元“伊豆の国市”に密着した生活を送っていました。



●農家転身のきっかけはワーキングホリデー

農家を目指すきっかけになったのは、29歳の頃にミニトマト農家さんから勧められたワーキングホリデー(通称ワーホリ)です。ワーホリのことを知らなかったので調べてみると、若い方が日本の協定国海外に渡航して異文化交流ができるもので、その間の滞在資金を得るため一定の就労ができるという制度です。

渡航できる年齢は30歳までと知り、
「一度きりの人生の中で色んな経験・挑戦をしたい」
「環境を変えて自分と向き合う時間を作りたい」
「思い切って海外生活に挑戦したい」

と思い行ってみることにしました。
社会人になって初めて自分の事で将来・未来を考えた行動が出来たと感じています。



渡航先は、オーストラリア。英語は全く話せませんでしたが、入国してから初めの4ケ月間は語学学校に通い、少し会話ができるようになりました。語学学校卒業後は、セカンドビザの取得を目指してファーム生活に挑戦することにしました。セカンドビザは、オーストラリアの指定職種(主にファーム)で3ケ月間従事することでもう1年延長できるビザです。ワーホリで訪れる人の大半は、このビザを求めてファームに挑戦します。

ファーム生活が楽しくて、トータルで1年4ケ月間過ごしました。



吹き出し

ファーム選びは、どんな地域で?どんな仕事で?いつがシーズンか?を調べておく事がとても重要です。私はシェアハウスのオーナーからもらった情報を頼りに、車で現地を駆け回り、スタンソープという町でファーム生活を送ることになりました。お陰様で農家転身へのきっかけとなる農業体験ができました。



●ファーム生活で得られたこと

ファームで経験した仕事は、野菜の収穫です。ブロッコリー・キャベツ・レタス・カリフラワー等を収穫しました。朝4時30分から最長11時間以上の収穫作業をした事もあります。オーストラリアの広大な畑と大きなトラクターがとても印象的でした。


▲ファーム先で撮影したトラクター



オーストラリアは1日の寒暖差や天候の変化が激しく、急に雨や雷になることもあります。それでも作業は続けるため辛いときもありましたが、国籍や年齢に囚われず、目標に対し団結する力・達成感を味わうことができました。今までは、農業に対して大変なイメージしかありませんでしたが、実際に経験することで農業に興味が湧きました。


▲ワーホリの景色と仲間たち



吹き出し

イチゴ農家の祖父を見ていて、“農業は大変”というイメージでしたが、祖父は地元で顔が広く人との繋がりが深かったので、憧れの存在です。祖父を超える人望の厚い農家になりたいと思っています。



ある日、満天の星空を見ながら一人で将来のことを考えていました。
JA職員の頃、動画での発信をしたいと思っていました。直売所の1日や、直売所の裏側、熟練・若手農家さんへのインタビュー、おすすめ地元お土産案内etc…農協直売所だからこそできる事がたくさんあり、構想は膨らんでいきました。しかし、大きな組織では個人の意見が反映されにくいことに気づきました。
だから今度は、個人で、農家として地元の農業を伝えることを目指したいと思いました。
「大好きな地元で一生仕事をしていきたい」
「地元の人ともっと関わっていきたい」

と思い、農家になる事を決めました。
自分の将来についてじっくりと考えられる時間は、とても贅沢な時間でした。ワーホリを体験して本当によかったです。

帰国後、ワーホリを勧めてくれたミニトマト農家さんに会いに行き、農家になりたいと相談しました。そこで『がんばる新規就農支援事業』を教えてもらったのです。

次回、『がんばる新農業人支援事業』に応募
~研修生になるまで~



プロフィール

伊豆の国市/関野 陽平

静岡県伊豆の国市出身。
2017年にJAを退組し、ワーキングホリデーでオーストラリアへ渡航。そこで経験したファーム生活で農業への興味が湧き、大好きな地元:伊豆の国市で農家になることを決意。 帰国後「がんばる新農業人支援事業」に応募し、合格。ミニトマト農家になるため、受け入れ農家の元で研修に励み、独立に向けた準備を進めている。








Facebook