コラム
公開日:2019.06.27
農家の悩み1つに、害虫被害があります。せっかく手塩にかけて育てた農作物が、害虫被害により病気に感染したり、食害の痕が残ってしまうことで収量・品質に大きなダメージを受けては困ります。農家の害虫対策では、殺虫剤や防虫ネットを使うのが一般的です。しかし、害虫の中には繰り返しの薬剤散布で薬剤抵抗性がつき、薬剤が効かなくなって防除が難しくなる害虫や、防虫ネットでは防ぎきれない害虫もいます。
そこで今回は、害虫の悩みを解決する業務用の捕虫器をご紹介します。とくに「光を利用したおすすめの機器」や捕虫器ならではの特徴や効果に注目していきます。
農業でよく利用される捕虫器は、光を利用した機器が一般的です。粘着紙やフェロモンを使ったタイプもありますが、夜間の蛍光灯でわかるように光に集まろうとする虫の習性を上手に活用できること、電源があれば設置可能で長期間使えることなどが大きなメリットです。
捕虫器の“光源におびき寄せて捕獲する仕組み”になっており、様々な種類の害虫に対応しています。周囲にLEDなどの蛍光ランプがあっても、青や黄など特殊な光を周囲に発光させることで、屋外や屋内の害虫を誘います。おびき寄せた害虫はファンで吸い込みネットに捕獲するものや、粘着紙で捕獲するものなど、機器によって異なります。
また、光捕虫器はファン式や粘着式の機器が多く、薬剤を使わないので人にも環境にも優しいのがうれしいポイントです。
数ある光捕虫器の中からおすすめの機器を3つご紹介します。
コナジラミやアザミウマ、ハエをはじめ広範囲の害虫に効果があります。園の周辺や入り口に分散して設置しておくと、園内への侵入を防ぎ、もし侵入してもしっかり捕獲できます。電気代は1時間あたり約1円と日中から夜間まで使用してもコストパフォーマンスが良い捕虫器です。
誘虫ランプの発する近紫外線で害虫を誘引し、捕獲する機械です。近紫外線(光)に誘引されるタイプの害虫に対して効果を発揮します。誘引された害虫はモーターファンによって網の中に引き込まれます。ランニングコストが安く、手間もかかりません。
LEDの光で飛翔害虫を誘引し、強力吸引ファンで専用捕虫袋に捕獲します。専用捕虫袋は使い捨てタイプで取けや処分が簡単!防滴型(ACアダプターを除く)なので、上方からの散水など水がかかる場所でも使用できるのも特徴です。アザミウマ類・コナジラミ類などの微小害虫や土壌改良材として有機物を使用した際に異常発生することがあるコバエ類などが捕虫できます。
以上、光を利用した捕虫器についてご紹介しました。光捕虫器はコストパフォーマンスが良く、手間もかからない上、薬剤や煙を使わないので環境や人に優しいのがメリットです。
大切な農作物を守るため、手軽に導入できる光捕虫器を検討してみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】
●【論文】光捕虫器の農業利用における課題と可能性 : エッジ効果を利用した捕獲効率の改善 (特集 光と色を利用した害虫防除技術の新展開)
<https://ci.nii.ac.jp/naid/40021493082>
●マイナビ農業、害虫にも存在意義がある?目からウロコの虫対策【畑は小さな大自然Vol.14】
<https://agri.mynavi.jp/2018_10_18_43956/>
ライタープロフィール
【施設園芸ドットコム 編集部】
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