コラム

49歳まで対象に!就農希望者は農業次世代人材投資事業を活用しよう

公開日:2019.03.25

就農するにはある程度まとまった準備資金が必要ですが、すぐに集まるものではありません。
そのため、国や地域で色々な補助制度が用意されています。今回は、農林水産省が実施している“49歳までの新規就農者が利用”することのできる、「農業次世代人材投資事業」についてその概要を紹介していきます。

1.就農にはどれくらいの資金が必要?

新規就農相談センターが行った平成28年度の調査によると、新規就農1年目にかかった営農面の費用は平均で569万円、生活費は159万円であり、合わせて平均700万円以上となります。新規就農の際には、自己資金や融資などを組み合わせてこの費用を捻出しなければいけません。そこで注目したいのが、農林水産省の「農業次世代人材投資事業」という制度です。

2.農業次世代人材投資事業とは?メリットや「準備型」と「開始型」の違い

以前は「青年就農給付金」と呼ばれていましたが、2017年に名称が変わりました。中身については、ほとんど変わっていないと思っていただいて構いません。
この事業を利用するメリットは、なんといっても年間150万円を受給できる点です。就農前の研修期間をサポートする「準備型」は最大2年間、就農後の「開始型」では最大5年間両方を利用すれば合計7年間で1000万円以上の給付を受けることができます。また、夫婦で就農する場合は2人で1.5倍を受給することができます。

このように、非常に大きなメリットのある農業次世代人材投資事業ですが、当然、難しい部分もあります。開始型の場合は「中間評価」があります。これは交付期間2年目が終了した時点で行われるもので、就農状況報告や決算書、現地確認などから営農状況を評価されます。A、B、 Cの三段階で評価されますが、C評価の場合は交付中止の可能性もあります。

3.農業次世代人材投資事業を利用するには?

2018年度までは、就農時の年齢が原則45歳未満であることが最も大きな条件となっていましたが、2019年度から50歳未満に拡大されることになりました。



農水省は、新規就農者の就農前後に年間最大150万円を交付する農業次世代人材投資事業(旧・青年就農給付金)で、支援対象を原則45歳未満から50歳未満に拡大する。親元就農する後継者が交付金を受けるには、農地の所有権を後継者に移す必要があったが、利用権の設定でも交付対象にする。いずれも2019年度から始める。新規就農の支援の間口を広げ、担い手の確保につなげるのが狙いだ。

※引用:日本農業新聞2019年1月18日号



49歳で始めれば54歳まで受給可能ということになります。50歳手前で「農業をやってみよう!」という方も安心して挑戦することができますね。


  • ▼関連記事




他にも、準備型なら都道府県が認めた研修先での研修、開始型なら営農計画を提出して認められることなど幾つかの要件があるので、まずは各都道府県の就農相談窓口で相談してパンフレットなどをもらうといいでしょう。
また、自治体によって新規就農者へのサポート体制も大きく異なるので、相談に行く際はそのあたりのチェックも重要です。





以上、農業次世代人材投資事業について解説しました。大きな金額を受給することができるありがたい制度ですが、あくまでも「事業に頼らないことを前提に、もらった補助金は投資に回す」、という考え方が大事です。





▼参照サイト
●農林水産省HP 農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)
<http://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html>
●農林水産省 平成31年度農林水産予算概算決定の概要 農業の新しい働き方確立支援総合対策
<http://www.maff.go.jp/j/budget/attach/pdf/31kettei-19.pdf>
●日本農業新聞2019年1月18日号
<https://www.agrinews.co.jp/p46462.html>



  • ▼関連記事

ライタープロフィール

【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。








Facebook