コラム

【今注目!】若手キュウリ栽培農家「節なり会」の先進的な取組み

公開日:2020.02.28

群馬県邑楽館林を中心に活動するキュウリ生産者の集まりがあります。その名は「節なり会」
キュウリ栽培をしている若手農家が集まり、勉強会や現地研修会を月に1回開催しています。
”環境制御を行っていること”が入会の条件で、部会とは違い“地域の枠”がなく他県からでも参加できるおもしろい形の集まりです。節なり会は「休めない、汚い、大変」などの農業に対する悪いイメージを覆し、収穫量・品質もアップし、休日が取れて家族との時間を大切にできる、儲かる農業を目指しています。

今回は、節なり会の月に1度の勉強会・現地研修会に参加させていただき、その様子を取材しました!

1.【群馬県発】キュウリ農家の集まり「節なり会」とは?

「節なり会」発足の経緯

邑楽館林はキュウリ栽培が盛んな地域ですが、日本が抱える農業問題と同様、生産者の高齢化、担い手の減少、労働力の不足、施設・設備の老朽化といった問題を抱えています。
そこで、産地の維持と規模拡大、生産量の向上を目指し、館林地区の農業指導センター祖父江さんを筆頭に、2016年よりキュウリの環境制御技術の普及に向けた取り組みが始まりました。

そんな中、炭酸ガスの施用を始めていた農家で、CO₂の不足を解消することで増収できるが証明されました。これにより、他の生産者にも測定器と炭酸ガス発生装置の普及が進み、現地研修も入れた環境制御への取組みが始まりました。



「節なり会」を結成!

環境制御に取り組むメンバーが増えていく中、2018年に「節なり会」を結成。
親の跡を継いで就農した若い生産者が多く、環境制御機器を使ってもっと収量を上げたい!儲かる農業がしたい!休日を増やし家族との時間を大切にしたい!と新しい農業を目指す熱心なメンバーが集まりました。

当初は5名ほどだったメンバーが今では15名にまで増え、毎日の出荷量や環境データを“クラウドを使って共有”するなど、先進的な取り組みをしています。

2.現地研修会で意見交換会!みんなのハウスはどうなっているの?

群馬県のみならず、茨城県、栃木県、埼玉県の生産者も研修会に参加しています。

まず最初に訪れたのは、節なり会の会長:秋山さんのハウス。

秋山さん:このハウスは、品種がニーナゼット、定植が12/26、購入苗です。この品種は今年初めてで様子を見ながらやっていたのですが、以前まで作っていた品種と同じように栽培すると“枝のふき”が違うので手入れが忙しいという印象です。夜温は平均15℃です。あとは木を見ながらみんなでお話したいと思っています!

栽培管理の概要を紹介してもらったあと、各々が木姿を観察したり、葉の大きさを見たり、自由に見学をしながら、意見交換が始まりました。





話題の農チューバー「シャタ農園」のシャタさん

次に訪れたのは、農チューバ― シャタさんのハウス
シャタさんのユーチューブチャンネルは登録数2,800人を超える人気で、自身のハウスや栽培方法など、ありとあらゆることを発信されています。

今回の現場研修会ではおすすめの成長促進剤と線虫捕食菌について教えてもらいました。





シャタさんのユーチューブチャンネルはこちら!






夜温管理の話

Eさんのハウスでは、“夜温の管理”についての意見交換がありました。
節なり会メンバーには植物に詳しい方(Tさん)もいるため、アドバイスを受けることも多いそうです。



節なり会のメンバーは栽培初心者から経験が豊富な方、研究熱心で新しい栽培方法に次々挑戦する方など様々です。 わからない事があれば気軽に質問ができ、誰かが知識や経験を基に答えてくれる、これも現地研修会の良さです!


後夜温とは?

夕方、日の入りする2~3時間前が前夜半(前夜温)、その後が朝まで後夜半(後夜温)。前夜半のうちに温度を上げておくことで、栄養が実へ転流しやすくなる。(キュウリの実が大きくなる)4段サーモで早朝加温、日中、前夜半、後夜半を管理する方も多い。

※キュウリ生産者より



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3.後継者だからこその悩みも共有できる

息子世代だからこその悩み

節なり会のメンバーには、父親が農家で跡を継いだという方が多くいます。勘や経験で栽培してきた父親世代の栽培方法を継承しつつも、環境制御機器を使った新たな取り組みをしていきたいと考えています。
しかし、父親世代では「農業は勘と経験!機械は不要!」という考えをもっている方が多く、「自分は環境制御機器を入れてみたいけど、父親が反対している。」という悩みを抱えている方もいます。

節なり会はこのような悩みを抱えている生産者も、そこを乗り越え環境制御機器を導入した農家もいるため、「メーカーに機器の貸し出しをお願いしてみたら?一度使ってみれば、その便利さもわかるし、父親さんにも良さが理解してもらえるかもよ!」と、世代ならではの悩み相談やアドバイスもありました。

4.目指せ!反収40トンのキュウリ栽培!

見学したハウスの中には反収40tを目指している研究熱心な方(Kさん)もいます。
Kさんが試行錯誤を重ねる中に見つけた栽培方法は、この地域でまだ取り組んでいる人がいない新しい栽培方法で、今では節なり会の常識になりつつある様です。

5.節なり会だからこそできること

現地研修会では、もっと良い栽培方法を見つけたい!身につけたい!との前向きな姿勢が印象的でした。みなさん“環境制御をやっている”という条件がそろっているため、データに基づいた意見交換や改善が今後ますます進んでゆきそうです。
部会ではないため、他県のハウスを見られるのも貴重な体験です。

節なり会の今1番の目的は「自分だったらどうするか?」それをすぐに判断できるようになることだそうです。
今後の活動がますます期待される「節なり会」の取組みをご紹介しました!


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今回取材させていただいたのは…

「節なり会」
2018年に結成されたキュウリ栽培をしている若手農家の集まり(平均年齢は35才)
群馬県邑楽館林を中心に、環境制御機器やクラウドを使ったデータ共有といった先端技術を取り入れながら、勉強会や現地研修会を行っています。 気さくな方が多く、初めての人も温かく迎え入れてくれます。
自由に意見を出し合いながら、目標に向かって突き進む熱い団体です。

ライタープロフィール

【施設園芸.com編集部】