コラム

きゅうりの病気を早期発見!葉っぱでわかる種類と対策

公開日:2019.02.15

1.種類が多いきゅうりの病気、迅速かつ正確に判断したい!

きゅうりの病気は種類が多く、その数は20種類以上になります。どの病気も収量に悪影響を及ぼすので、見つけ次第すぐに対処しなければなりません。
しかし、中には似たような症状の病気もあり判断に迷うこともあります。どの病気なのか調べている間に病気が蔓延したり、間違った診断により見当違いな対策をとったりすることは避けたいですね。しかし、常に全ての病気に対して一律に気を配っていては大変なので、栽培ステージごとに発生しやすい病気に重点を置くようにしましょう。

そこで、ここからは栽培ステージごとに発生しやすいきゅうりの病気について、葉っぱの状態から病名を判断するための情報や具体的な対策について紹介していきます。

2.《育苗期》に注意する病気

育苗期には、「うどんこ病」や「ベト病」が発生しやすいので気を付けましょう。



●うどんこ病

【症状と診断】葉にうどん粉を振りかけたような白色のカビが見られます。症状がひどいと葉が枯れ、収量が減少します。

【対策】窒素肥料を使いすぎないようにし、罹患部位はすぐに取り除きます。ハウス内が乾燥しすぎると発生を助長します。農薬を使う際には発生前からの予防散布が効果的です。耐性菌が発生しやすいので、うどんこ病が発生してから治療効果のある農薬ばかりを使うのは良い方法ではありません。ダコニール1000®など予防効果のある農薬を使いましょう。


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●ベト病

【症状と診断】葉のみに発生します。病斑は黄褐色で1つ1つの病斑は葉脈で区切られ角張っています。病斑の葉裏にはビロード状のカビが見られます。激しく発生すると株が枯れ、収量が減少します。

【対策】排水を良好にするとともにハウス内が過湿状態にならないようにしましょう。密植を避け風通しを良くすることも重要です。肥料切れにも注意しましょう。農薬を使う際には予防散布が効果的です。ダコニール1000®などうどんこ病と同時防除ができる農薬が便利です。


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3.《定植時》に注意する病気

定植時には、発生すると効果が望める農薬がない「斑点細菌病」の予防と初期防除に努めましょう。



●斑点細菌病

【症状と診断】初期には葉に斑点状の病斑ができます。次第に葉脈で区切られた角張った病斑となり、病斑部が破れやすくなります。症状はベト病と似ていますが、ベト病の場合は病斑が古くなっても穴が空くことはなく、病斑部に白い細菌の塊が見られないことから区別することができます。
斑点細菌病がひどい場合には病斑部から先の茎葉が枯死し、収量が減少します。

【対策】排水を良好にし、過湿に注意します。発病株の早期発見に努め、ハウス内に持ち込まないように気を付けます。農薬を使う際にはオリゼメート®粒剤という土壌処理剤を定植時に植穴に撒きます。


4.《栽培初期~中後期》に注意する病気



栽培初期

育苗期と同様に「うどんこ病」や「ベト病」に気を付けます。
農薬はダコニール1000®に加え、うどんこ病にはベルクート®水和剤、ベト病にはベト病・疫病用殺菌剤ライメイ®フロアブルなど複数種を用いるようにします。




栽培中後期

「うどんこ病」や「ベト病」だけでなく「灰色かび病」や「黒星病」など様々な病気が発生します。日々の観察に力を入れ、初期防除に努めましょう。



●灰色かび病

【症状と診断】まず花に灰色のカビが発生します。花が落ちる時に接触した葉には灰褐色で円形の大きな病斑ができます。病斑には灰褐色のカビが見られます。症状がひどい場合には株が枯死し、収量が減少します。

【対策】過湿にならないよう気を付けます。葉に直接発病することはなく、花弁に発病してから葉にうつるので、咲き終わった花弁は取り除きます。また発病部位はすぐに取り除きます。ハウスの被覆資材に近紫外線除去フィルムを用いると発生を抑制できます。耐性菌が発生しやすいので農薬を使用する際にはベルクート®水和剤セイビアー®フロアブル20など複数種でローテーションを組んで使い、耐性菌を発生させないようにしましょう。




●黒星病

【症状と診断】葉には暗緑色の斑点状の病斑ができ、奇形となります。茎にできるくぼんだ紡錘形の黒褐色の病斑が特徴的です。病斑には黒いビロード状のカビが見られます。症状がひどい株は枯死し、収量が減少します。

【対策】秋から冬にかけ低温多湿にならないようにします。ハウスでは定植前に夏の高温期を利用して、ハウスを密閉し太陽熱による土壌消毒を行いましょう。1度発生すると蔓延しやすいので農薬を使用する際には予防散布に重点を置き、ダコニール®1000トップジン®M水和剤などを用います。





葉っぱは植物の健康状態を表す重要部位です。
きゅうりに発生する病気は沢山ありますが、日頃から葉っぱをよく観察して病気のサインを見逃さないようにしましょう。


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●参考文献
・防除の手引き2018 (5)キュウリ、愛知病害虫情報、愛知県農業総合試験場 環境基盤研究部
・病害虫防除、2018.<http://www.pref.aichi.jp/byogaichu/tebiki/2sakumotubetu/3yasai/2-3(5).pdf>
・病害虫生理障害 キュウリ、タキイ種苗株式会社.
<http://www.takii.co.jp/tsk/bugs/acu/disease/index.html>
・きゅうりの病害防除のポイント、ダコニール倶楽部、株式会社エス・ディー・エス バイオテック.
<http://daco-club.com/disease-control/cucumber/point.html>
・島根県、農業技術情報、病害虫データベース、キュウリ
<https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/gijutsu/nougyo_tech/byougaityuu/byougaityuu-index/kyuuri/ki070.html>

ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。