コラム

失敗しないキュウリの育て方・病気対策編

公開日:2018.07.10

1.代表的な夏野菜キュウリ

キュウリは夏野菜の中でも比較的育てやすく、これからの時期挑戦してみようと思っている方も多いことでしょう。クセがないのでサラダや浅漬けなど使い勝手がよく、つい買ってしまうこともありますよね。


キュウリには栄養素がほとんどないというのはとても有名な話で、ギネスブックにも“世界一栄養のない野菜”として登録されています。
しかし、全く栄養がないということはなく、ビタミンCやβカロテンなどの栄養素を含んでいます。また、キュウリに含まれるカリウムには利尿作用があり、体内の水分を排出するのを手助けしてくれます。水分と一緒に熱も外に出るので、キュウリを食べると体温が下がったり、むくみが取れると言われるのには、しっかりとした理由があるんです。

さて、そんなキュウリですが、栽培する上で注意すべき病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
キュウリによく見られる病気の症状と、対処の方法についてご紹介していきます。

2.糸状菌がもたらすキュウリの病気と対策

キュウリに発生する病気の大半は糸状菌(カビ)によりもたらされます。
また、そのほとんどの菌が高温多湿の環境になると活動が活発になり、繁殖しやすくなります。




うどんこ病

※イメージ


葉や茎、果実にうどんの粉をまぶしたようなカビが広がる。
うどんこ病が進行すると、葉全体が白く覆われて生育に影響を与え、収量や品質低下につながることもある。被害の出方が特徴的なので、日頃より観察していれば発生初期でも比較的簡単に発見できる。



●治療方法

初期段階であれば被害の出ている部位だけを除去。しばらくは周囲も含め注意して観察すること。被害が止まらないときは農薬を散布する。


  • ▼「うどんこ病」に関して詳しくはこちら




炭疽病(たんそびょう)

※イメージ


炭疽病が伝染したキュウリは、葉や茎に褐色の班ができてしまう。病気が進行するとその斑点から穴が開き葉が破れ、最終的には枯れてしまう。
果実に発生するときは褐色の丸くくぼんだ形状の斑が徐々に大きく広がっていく。



●治療方法

露地栽培や高温多湿の条件下で発生しやすく、一度発生してしまった部分は農薬を使用しても回復しない。初期段階であれば被害の出ている部位だけを切って処分する。




べと病

※イメージ


下葉から徐々に葉脈に沿うように葉が黄色く変色したら、べと病の可能性がある。べと病に感染してしまうと徐々に葉全体に変色が広がり、最終的にはカビを生やして植物を枯死させる。
主に高温多湿な環境を好み、窒素を過剰に与えると伝染の可能性が高まる。進行していくと収量や品質の低下につながるうえ、被害の出た葉から胞子を飛ばし周囲へ伝染するため早急な防除が必須。



●治療方法

べと病を発見したら、まずは被害の出ている部位を取り除く。似たような病状が現れる褐斑病との見間違えに注意。判断がつかない場合はどちらにも有効な薬剤を選択する。


●効果的な対策

糸状菌を原因とする病気のほとんどは、作物に伝染していない期間も土中や水中に潜んでいます
灌水や液肥での追肥、降雨などで菌の潜んだ泥水が跳ね上がることによって周囲の作物へと伝染し、被害を拡大させていきます。
これを防ぐためにはマルチの被覆が効果的です。(露地栽培をする場合には直接降雨を受けない場所を選びましょう。)
密植になると湿度が上がり、菌が繁殖しやすくなるので適度な株間と排水性の確保を心がければ被害のリスクを最小限に抑えることができます。

また、作付けに使用した支柱などの資材にも菌が付着していることがあります。次に使用するまでの期間が長く空いたからといって付着した菌は死滅しません。
病気が発生した株に使用していた資材は収穫後に処分することをおすすめします。

3.ウイルスがもたらすキュウリの病気と対策

糸状菌がもたらす病気と同様に生産者を悩ませるのがウイルス性の病気です。




モザイク病

※イメージ


キュウリの葉に、濃い緑色のモザイクがかかったように模様が現れはじめたらモザイク病の可能性が高い。
茎頂部より変化が現れはじめ、葉が委縮したような状態になる。
モザイク病はウイルス性なので、被害が出た葉を取り除いても植物体がウイルスを持っているので進行を食い止めることができない。



●治療方法

モザイク病の株を発見したら、その下部は根ごと引き抜いて確実に処分する。


●効果的な対策

キュウリに病気をもたらすウイルスは、アブラムシを媒介して伝染します。病気を防ぐためにはアブラムシの対策が必須でしょう。
アブラムシが発生しないように、強光を嫌う性質を利用してシルバーのマルチを被覆すると飛来の防止に効果的です。
マルチをすることで、糸状菌の伝染も同時に防げるので理想的な対策といえるでしょう。
また、窒素肥料を与えすぎてもアブラムシが発生しやすくなります。バランスの良い施肥が必須となります。

  • ▼「アブラムシ対策」に関して詳しくはこちら


ライタープロフィール

【Sandersonia(サンダーソニア)】
花とスケートボードを愛するフリーライター。サンダーソニアとは好きな花の名前。
IoT技術による農業生産の革新と農協改革の今後に関心を寄せる。花屋、JA営農指導員を経て独立。生産から流通、花束やフラワーアレンジメントまで 花の知識ならお任せを。