コラム
公開日:2021.01.26
SDGs(エス・ディージーズ)という言葉をご存じですか?
Sustainable Development Goals. の頭文字を取った言葉で、日本語に訳すと「持続可能な発展目標」という意味になります。2015年の国際サミットで採択された、よりよい社会を作るための国際目標です。様々な産業でこのSDGsに貢献するための取組みが求められており、農業も例外ではありません。今回は農業におけるSDGsの概要と、その取組み事例について紹介していきます。
SDGsでは経済や福祉、人権問題や自然環境にいたるまで、幅広い分野において17の目標が掲げられています。
参照:農林水産省
様々な産業でこの目標を達成するための取り組みが求められており、農業も例外ではありません。 有機農業や食品ロス削減による環境負荷への配慮、スマート農業の推進による農業者の負担低減などが主なものとして挙げられます。
それでは、日本の農業界ではSDGsに対して、一体どのような取組みがされているのでしょうか? ここからは事例をご紹介していきます。
日本を代表する農業機械メーカーであるクボタは、SDGsへの取組みに対して積極的な企業です。様々な事業を通して、持続可能な社会へ貢献していくと公表されています。その主な取組みとして「食料分野の取組み」があります。
国連の予想から危惧されているのが、世界的な人口増加とそれに伴う食料不足です。さらに農業人口は減少を続け、同時に平均年齢の高齢化も進むとされています。
これらの問題に対するクボタのソリューションは、農業機械のICT化やロボット化による生産性を効率化、省力化です。
17の目標のうち、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」に対して効果が望めます。
県を挙げてSDGsに取組むと明言したのが滋賀県です。2021年に新しく制定される条例のなかに、持続可能な農業について「県の責務」と明記されることになりました。
具体的にはスマート農業の推進や良質な土壌づくり、気候変動に対応できる新品種の開発と栽培方法の確立などが挙げられています。生産者の経営安定や、県内の新規就農者を募るのが狙いです。
この他にも、国内の米消費量の落ち込みに対応すべく、水田を活用した転作の支援を行うなど、県内の農業者の経営持続を後押しする施策が取られています。地元に根差したSDGsの好例と言えるでしょう。
「持続可能な社会」というと、とても規模の大きな話に聞こえるかもしれません。しかし国や企業だけでなく、私たちひとりひとりの姿勢もとても大切です。小さな積み重ねに勝るものはありません。「自分には何ができるだろう?」と考え、まずは身近なところから取組んでみるのはいかがでしょう。
▼参考サイト
〇農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/sdgs_target.html
〇JAグループ
https://org.ja-group.jp/challenge/sdgs/
〇クボタ
https://www.kubota.co.jp/sustainability/sdgs/index.html
ライタープロフィール
【オオタニ コウスケ】
北海道出身。
酪農経営について学んだ後、大手農業機械メーカーにて勤務しました。現在は機械メーカーで培った経験と知識を元にライターとして活動しています。得意分野は酪農、トラクタ、作業機、噴霧器やポンプに関することです。