コラム

籾殻堆肥とは?環境に優しい堆肥で土壌改良、生育アップ!

公開日:2020.11.05

1.捨てるにはもったいない!色々使える籾殻

籾殻(モミガラ)は廃棄処分すればただのゴミですが、使い道は様々です。散布機などでそのまま畑に撒いて マルチング材として使うこともできますし、 炭化させた籾殻くん炭は優れた土壌改良剤として販売もされています。

▲籾殻くん炭



ただ、籾殻には 肥料効果はほとんどありません。成分の約8割は分解されにくい食物繊維で、残りの約2割も分解されにくいケイ酸です。ケイ酸は植物を丈夫にする効果はありますが、植物の生長に役立つ栄養素は籾殻にはわずかしか入っていません。

そこで、籾殻にひと手間加え、 籾殻に足りない成分を補う資材を加えて堆肥化すると、籾殻の優れた土壌改良効果はしっかり残しつつも、肥料成分も得られる資材が出来上がります。それが今回紹介する 「籾殻堆肥(もみがらたいひ)」です。

2.籾殻堆肥で土壌改良&生育アップ

籾殻堆肥とは 籾殻を家畜糞や米ぬかなどの有機物と一緒に発酵させて堆肥化した資材です。堆肥化により籾殻は腐熟され、穏やかに長く効きく資材に生まれ変わります。
堆肥化しても メインの効果は土壌改良です。土壌の物理性を改善し土をフカフカにしたり生物性を改善し土壌微生物を豊かにしたりと作物の生長に良い土壌を作るのに役立ちます。

肥料成分は籾殻と一緒に堆肥化する資材によって異なりますが、家畜糞由来の資材を用いる場合 カリの肥効は約80~100%と効率良く使うことができます。施肥設計の際にはカリの標準的な施肥量から籾殻堆肥に含まれているカリの分を差し引き、化学肥料の使用量を減らしましょう。


廃棄物である籾殻や家畜糞、米ぬかはほぼ無料で手に入るような資材のため化学肥料の削減は経費節約に繋がります。また、農業由来の廃棄物を籾殻堆肥として再び農業生産に利用することは、環境に優しい 循環型農業にも貢献できます。

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3.籾殻堆肥の作り方

籾殻堆肥の作り方はいたって簡単です。



籾殻堆肥の作り方【手順1】

まずは籾殻と家畜糞尿や米ぬかを交互にサンドイッチしていきます。籾殻を40~50cm積むごとに鶏糞と水を散布し、しっかりと踏み敷きましょう。 籾殻100~150kgあたり鶏糞20~30kg、水150ℓが作りやすい分量です。籾殻と家畜糞の量は C/N比が35以下になるように調整しましょう。

籾殻堆肥だけでなく、全ての堆肥化に共通して役立つ「堆肥化の7条件」を参考にしてみてください。


堆肥化の7条件
①C/N:原料混合時35以下、高いと窒素不足により微生物の活動が停止する。
②易分解性有機物:微生物のエネルギー源になる。多い資材を組み合わせる。
③水分:65%以下、40%以上。
④酸素:ないと嫌気発酵する。初期比重 0.5(㎥)以下、またはこまめな切り返しが有効。
⑤微生物:通常は十分いる。さらにもどし堆肥を少量加えるとよい。 ⑥温度:衛生的安全性向上のために重要。最大60℃以上を2日間以上保つようにする。 ⑦時間:通常かヶ月間、籾がらが入る場合は3か月間、おがくずが入る場合は6か月間。


引用:新潟県における土づくりのすすめ方(平成17年新潟県農林水産部)堆肥化の7条件




籾殻堆肥の作り方【手順2】

通常の堆肥化と同様に発酵が進むにつれ温度が上昇していきます。





籾殻堆肥の作り方【手順3】

5週間くらいして温度が下降したら切り返しを行います。切り返しは合計5回ほど行い、1年程すると完熟した籾殻堆肥の完成です。

完成量は籾殻の約倍量で 約200~300kgとなります。



籾殻堆肥は優れた土壌改良材かつ化学肥料の使用量を減らすこともできる素晴らしい資材です。籾殻は捨てずにぜひ活用しましょう。
ちなみに、土壌改良より肥料成分を重視するなら米ぬかに籾殻などを混ぜて発酵させた「ぼかし肥料」もおすすめですよ!




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▼参考サイト
〇籾殻堆肥とは?作物が育ちやすい土壌を実現する肥料の作り方、セイコーエコロジア、㈱セイコーステラ
https://ecologia.100nen-kankyo.jp/column/single049.html
〇籾殻と米ぬかを畑に使う時のポイントと注意点【畑は小さな大自然vol.82】、マイナビ農業、㈱マイナビ
https://agri.mynavi.jp/2020_06_11_121352/

▼参考文献
〇Ⅲ 堆肥、「健康な土づくり技術マニュアル」、青森県
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/sanzen/files/kaitei_gijyutumanyuaru08.pdf
〇Ⅱ.堆肥施用後作物必要成分量一覧 Ⅰ.堆肥類成分一覧、北海道音更町
https://www.town.otofuke.hokkaido.jp/work/nouchikuringyousya/zyosei-yuusi/kannkyou.data/H25taihirui_seibun_taihi_seyougo_sakumotu_hituyou_seibun_ichiran.pdf
〇Ⅲ 有機物の肥効特性、長野県
https://www.pref.nagano.lg.jp/nogi/documents/yukibutsuhikoutokusei.pdf
〇籾殻の有効利用について、愛産研ニュース、2011年10月号、あいち産業科学技術総合センター
http://www.aichi-inst.jp/other/up_docs/no115_02.pdf

ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。

    


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