コラム

未経験で農家に転身!5人の子供と自然を大満喫!就農サポートが充実する伊豆の国市で新規就農した話

公開日:2021.04.15

静岡県伊豆の国市でミニトマトを栽培している岩渕さん。9年ほど前に熊本県から伊豆の国市へ家族で移住し、農家へ転身した。会社員だった頃「0から経営者になれる方法はないか」と探していたときに、「農家になる」という選択肢を見つけた。各地の研修先を見学して回り、辿り着いたのがここ伊豆の国市。今では憧れのマイホームも手に入れ、奥さんと1歳~小学生までの5人の子供たちと共に、明るく元気に農業を営んでいる。

今回は農家になったきっかけや補助金の活用法、伊豆の国市で就農するその魅力について取材しました。

1.会社員からミニトマト農家へ転身!

●農家になった理由

もともと自動車関連の会社に勤めていましたが、「自分で経営がしたい」という思いがあり未経験でも経営者になれる方法を探していました。会社員をやりながら趣味で野菜を作っていたこともあり、「農業って楽しそうだな」と思い、全国を対象に一から農業を始められるところを探しました。
また、会社員時代は毎日帰りが遅く、休日出勤もあり、子供との時間がなかなか取れませんでした。しかし、農家は自営業なので時間が自由に使えるのではないか、もっと子供と一緒にいる時間を増やせるのではないかと思いました。「子供との時間を作る」これが農家を目指した一番の理由です。

当時の勤務先は施設栽培が盛んな熊本県でした。熊本での就農も考えましたが、土地や資金のことを考えるとちょっと難しかった。当時いろいろな本を読み漁った中に、静岡や岐阜、掛川など各地で新規就農者を募集している記事を見つけました。中でも静岡県伊豆の国市の「がんばる新農業人支援事業」は、当時かなり進んだ制度だと印象を受けたことを覚えています。そして各地を見学した後、移住就農先に決めたのがここ静岡県伊豆の国市でした。

●静岡県伊豆の国市での就農を決めた理由

伊豆の国市はミニトマトの産地です。私はミニトマトが大好きなので、ミニトマトを栽培できることが決め手の一つになりました。伊豆の国市ではイチゴやミカン、セルリー、レタスなども栽培できるのですが、せっかくやるなら好きなものを作りたいと思いました。

2.「がんばる新農業人」で新規就農!伊豆の国市での暮らし

●「がんばる新農業人支援事業」で就農

「がんばる新農業人支援事業」に応募し、受入農家のほ場で一年間の実践研修を受けました。初めは単身で移住して栽培技術を学びました。もちろん、一年ですべては学びきれないので、研修後困ったことがあれば 周りの先輩農家に相談をしていました。同じように他県から移住し農家になった先輩がたくさんいて、相談しやすい環境です。あとはメーカーの勉強会に参加したり、本を買って自分で勉強もしました。
伊豆には遊びに来たことがあるくらいで、とくに縁もゆかりもなかったです。知り合いもいなかったので、本当に1からのスタートでした。その時すでに結婚して子供もいたので、絶対に失敗できないとの思いで就農しました。

●就農資金は国がサポート

独立就農するためにはハウスや設備を揃えるためにたくさんお金がかかります。私の場合、自己資金がわずかだったので、国の「青年等就農計画制度」を活用し借入しました。5年間の経営計画書を提出し、市県、JA職員の方々と面接を行い、認定新規就農者に合格すれば12年間、3700万円を上限に無利子で就農資金が借りられるのです。また、「経営体育成支援」の給付金も受けられたため、2つの制度を活用することができました。
「青年等就農計画制度」で借りた2500万円はあと数年で完済です。2500万円って、普通の生活をしているとびっくりする金額ですし、最初は心配もありましたが、問題なく返済できています。経営計画書の作成は、研修時に受入農家と相談しながら作成できたし、その他手続き関係もサポートしてもらえました。

初めは「ちゃんと経営が成り立つのか」が一番の心配でした。しかし、農家になる!ミニトマトを栽培する!という楽しみのほうが大きかったです。 私の実家は栃木県で、大学は神奈川県、就職は埼玉県、転勤で熊本県と転々としていたため、知り合いのいない土地へ移住する心配はなかったです。ただ、妻は今回初めて他県への移住だったので、苦労も多かったと思います。

(奥さん)最初は不安もあったし、帰りたいと思うこともありました。でも、なんとかなったかなって思います。他県から来た人が多く、地域のコミュニティも入りやすい雰囲気でした。来てみたら案外大丈夫でした。

(岩渕さん)子供たちもトマトの選別を手伝ってくれています。僕がやるからやらないでよ!と言って。作業場も今では子供たちの遊び場のようなもの。みんなで楽しく農業をやっています。

●農家になって6年でマイホームを新築

最初はアパートに住んでいましたが、長男、長女に続いて双子の女の子が生まれ家族が増えたので、もっと広い家に住みたいと思いました。そして就農5年目の頃には経営が安定していたこともあり、家や土地を探し始めました。中古住宅を買ってリノベーションするのも楽しそうだと思いましたが、地元のイチゴ農家の方が「いい土地あるよ!」と紹介してくれました。立地もよく、そこに新築一軒家を建てることにしました。いわゆる農家住宅です。

本来、農地では農業しかやってはいけないので、家を建てることはできません。しかし、 農家は一定の条件をクリアし、農地転用申請をすると農地に家を建てる許可をもらうことができます。農地はとっても安いです。私は1坪3万(※1)で購入できました。都内だと難しいマイホームが建てやすいことも魅力だと思います。

※1…当時岩渕さんが購入できた金額であり、必ずしもこの金額で土地を購入できるわけではありません。




●トマトに育てられ。栽培に慣れるまで5年

色々な失敗を経験しながら、栽培に慣れるまで5年ほどかかりました。最初は私がトマトに育てられているような感覚で、5年ほど経ちやっと「トマトを作っているかな」と感じられるようになりました。育てることは楽しいのですが、上手くできないという苦悩がずっとありました。ミニトマト農家として形になったのは、ほんと最近です。

●自然がいっぱい。伊豆の国市の魅力

基本、休日はありませんが、植え替えの7月、8月に長期休みがとれます。あと1月、2月もそんなに忙しくないため、日曜日だけパートさんにお願いして家族で遊びにいくこともあります。
伊豆の国市には 海も山も川もあるので、自然遊びがいっぱいできます。もともと我が家は外遊びが好きなので、川に行って飛び込みをしたり、山でキャンプをしたり、海に釣りに行ったり家族で楽しんでいます。 保育園も近く、都心ほど待機児童が多いわけでもないためスムーズに入れました。小学校は家のすぐ隣にあってとても近い。大きな病院もあって、医療も整っている。買い物もスーパーが何軒もあるし、生活には困らないです。伊豆の国市に来てよかったなと思っています。

●成功の秘訣

相談できる先輩がいることが非常に大きいです。私が就農したときには20人以上の先輩がいました。とくに経営のことは全く分からなかったため、本を読んだり一から学びました。それでも分からないことが多かったので、先輩たちに教えてもらいました。現在は56名のミニトマト生産者で出荷組合(伊豆の国農業協同組合 果菜委員会)を構成しています。伊豆は大消費地である首都圏に近く、生産者と販売量が増えるに従って、JAが商品開発と販路拡大をしてくれるため、安定して出荷・販売ができています。
みんな情報がオープンで、先輩たちもまたその先輩たちから色々教わっていて、代々助け合っています。みんな違う土地から来ているから、気持ちもわかるし、まさに助け合いです。地元のミニトマト農家は高齢の方が多く、いま若い人はみんな新規で移住就農した人たちです。

3.農家になって9年!環境制御で自動化を推進

●環境制御システムによる自動化で栽培管理がラクに

就農4年頃から環境測定器を導入するなど、少しずつ自動化を進めてきました。最初はタイマーで行っていた潅水も、2020年に補助金を活用して潅水制御盤「アクアビート」を導入し、肥料と水を自動で与えられるようになりました。今までは潅水チューブの流量を測り、だいたいの感覚でやっていましたが、アクアビートを導入してからは株あたりの潅水量や、面積あたりの潅水量もわかるため管理がしやすくなりました。また、天気に合わせ手動で設定を変えるのは面倒でしたが、今は自動でやってくれるためとっても便利です。作業がとっても楽になったし、生育も違います。
同じく導入した環境制御システム「エアロビート」は、天窓・暖房・炭酸ガス発生器などハウス全体の環境を自動制御してくれます。アプリを通してスマホから遠隔操作もできます。測定データは全てパソコン内に保存し、データを見ながら栽培管理をしています。やはり数値を見ながら管理したほうが間違いもないし、管理もしやすいです。

●機械の導入は「自分自身が楽しいから」

私は機械が好きで、前職では機械の設計をしていたこともあり、積極的に環境制御機器を導入しています。同じことをずっとやっていても楽しくないので、毎年毎年、なにか新しいことをやりたいと思っています。潅水制御盤も環境制御システムも去年の作の途中から入れたため、今作は最初から機械を使った栽培を始められました。

●農家になって自由に時間が使えるようになった

農家になるということは人生の大きな決断でした。しかし、思い切ってやってみてよかったと思っています。農業に関する資格は何ももっていませんでしたが、一から学び、ここまで来ることができました。
農家になって一番よかった事は、時間を自由に使えるようになった事です。もちろん、その分責任はあるけど、会社員時代のように縛られることがありません。農家になってからは何をしても楽しいです!就農を考えている人はぜひ伊豆の国市でチャレンジしてみてほしいですね。




見学会申し込み受付中!

●募集期間:2021年4月12日(月)~6月25日(金)

「本気で独立就農したい方、ぜひ一度見に来てください。大歓迎です!生活に関すること、収入関することなど、なんでも相談も乗りますよ!農家は夢のある職業です!」【果菜委員会 委員長より】


●お申込み
JA伊豆の国 営農販売課 【電話】055-949-7111


●もっと詳しく知りたい方はこちら



今回取材させていただいたのは…

静岡県伊豆の国市 岩渕さん
車関係の会社から脱サラし、新規就農&移住でミニトマト農家へ転身しました。奥様と5人の子供たちと一緒に楽しく農業を営んでいます。とても前向きで、新しいことに挑戦するときも、失敗への不安ではなく「楽しみ」でいっぱいのようです。もちろん就農から10年経った今でも、ひたむきな努力を怠りません。 自然に囲まれた伊豆の国市で育った子供たちは、明るく元気いっぱいでした。
●趣味:キャンプ、家庭菜園(現在パイナップルを栽培中)

ライタープロフィール

【施設園芸.com 編集部】
農家さんへのお役立ち情報を日々配信しています!
女性編集部が多く在籍し、新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪









    



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